フェブラリーS、ダイヤモンドS、ヒヤシンスS追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・フェブラリーS
・トランセンド
ジャパンCダート快勝後も栗東に在厩して調整が続けられており、時計を出し始めたのは1月4日の坂路から。1月下旬になるとDPで時計を出し、その数字は常にその日の一番時計という圧倒的なスピード調教を積み重ねた。
昨年時に比べると、DPでの追い切り本数が多い分、馬体もシャープに見える、中身の濃い調教内容になっているのではないだろうか。最終追い切りは馬場が悪かった分、坂路4F54.0秒と遅い時計になったが、この時計もこの日の二番時計。最後まで余力残しで駆け上がったことで「オーバーワークにもならず安心しました」と安田隆行調教師。先にはドバイ遠征があるとはいえ、存分に力が発揮できる状態に仕上がっている。
・エスポワールシチー
平安Sはまさかの2着という結果に終わったが、調教内容からフェブラリーSを見据えていたのは明らか。それが馬体重の+6キロにも表れていたように思う。それだけに今回の仕上げはどのような変化があるのか注目していた。
1週前追い切りの時点では坂路で馬なりだったため、あまり攻めてこないという印象だったが、最終追い切りはCWでしっかり負荷をかけてきた。時計の掛かる馬場だったにも関わらず、6F84秒でまとめており、ゴール前も脚をとられることなく、力強くフィニッシュしており、前走時よりも明らかに良化している。現状ならJCダートでトランセンドに着けられた差を縮めることは可能だろう。
◆土曜東京11R・ダイヤモンドS
・スマートロビン
前走時はレース11日前に栗東へ帰厩し、急ピッチの調教内容。最終追い切りこそ動きが目立ったが、レースでも見せ場十分ではあったものの、最後止まったのは中身がしっかり出来ていなかったと判断してよい。
そこから中4週。今回は調教本数が倍増しており、坂路とCWを併用した入念な仕上げ。最終追い切りは安藤勝己騎手が跨ったが、その動きは前走時よりもさらに機敏さが増していた。軒並み時計の遅いCWを6F81.6秒の余力残しで上がってきたのはこの馬くらい。今日の重い馬場を軽快に走るあたり、並々ならぬパワーの持ち主なのだろうから、3400mの距離はどんとこいだろう。
◆土曜東京10R・ヒヤシンスS
・マシュマロ
白毛の牝馬で馬名もかわいいとなれば、人気が出て当然だが、そんな容姿とは違ってレースにいけば勝負強いところも人気に秘訣だろう。調教での姿を見ている限り、かわいいというよりも強さの方が目立つ、そんな馬に思える。
最終追い切りも馬場が悪いところを道中からある程度のペースで飛ばしてCW6F85.7秒。決して速い時計ではないが、馬場が悪く集中力を切らせてもおかしくないような状況で最後まで走り抜いたのは勝負根性があるからこそ。東京への輸送を考えると、少しオーバーワークになったのではないかという点だけが心配だが、当日大きく馬体重を減らしていないようなら、声援に応えた走りを見せてくれるだろう。
・フリートストリート
陣営が新馬勝ちからドバイ遠征を意識していた素材だけに、前走の勝ちっぷりは見事。今回は中2週での東京遠征ということもあり、あまりハードな調教内容にはしてこなかった。
最終追い切りはDPで行われ、トパンガに先行する併せ馬。終始馬なりだったが、内から相手が並びかけると鞍上が抑え切れない手応えでハミをとり、スピード十分の走りっぷり。調教内容としてはやや軽いと思えるところはあるが、ローテーションを考慮すればこれで十分かも知れない。この馬のポテンシャルの高さなら直線に向いて先頭に立てば後続を引き離す、そんなシーンも十分に考えられるだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜東京11R・ダイヤモンドS
・ヤングアットハート
前走白富士S快勝後、中2週のレース間隔となるが、先週9日と直前の15日と2週とも500万条件ケイアイアポロンと併せ馬を消化。1週前が1.4秒追走から持った切りで併入。今週は1.1秒追走から再び抜群の手応えで併入。5F67.2-3F38.7-1F12.9秒の時計は平凡でも、使い込んでいることを考えればこれで十分。とにかく2週とも素軽さ十分、スピード感十分の内容で体調面がさらに上向いていること確か。昨年12月のステイヤーズSこそ惨敗しているが、あの時とは体調面が明らかに違うだけに、今度は距離克服可能で、56キロのハンデも恵量。直線でバラける展開になれば一気の差し切り勝ちだ。
◆土曜東京10R・ヒヤシンスS
・メイスンキャプテン
中2週で臨む今回も、北馬場と坂路併用の仕上げ。馬体が絞れない厳寒期ということを考慮して、さらに運動量を増やし、意識して汗をかかせて太め感はまったくなし。おそらく前走以上の体調での出走となる。テンには行けない脚質だが、前回見せたように、追ってからの切れ味は相当なもの。東京のマイル戦なら、オープンでも通用可能な爆発力がある。先行型の多いここは、展開もピタリ。ゴール寸前で一気に差し切る。
◆土曜東京9R・初音S
・ラインジェシカ
終い重点の調教とはいえ、好気合でキビキビした動き。馬体にも締まりが出て、ひと叩きの効果がハッキリ見られる。前走は間隔があいたせいか、多少余裕残しの馬体。状態面も今イチと思えたが、直線で前が塞がり、まともに追えない状態。それで0.5秒差4着と、能力の高さを示した。得意の東京コースで好調時の状態に戻れば、このクラスはアッサリ勝てる。
◆日曜東京10R・アメジストS
・ラヴェルソナタ
530キロを超える大型馬だが、動きに重苦しさは全くなく、小気味良い走りを被露。今週はウッドチップで67.6-37.8秒を馬なりのまま楽々とマーク。 1度競馬を使ったことで気合のりが変わり、脚どりに鋭さも加わってきた。内ラチ沿いから抜け出しながら、もうひと伸びがなかった前走は、いかにも久々のぶん。ひと叩きで気合・状態ともに、大きな上積みを見せている今回は能力全開、人気的にも絶好の狙い目。
◆日曜京都10R・河原町S
・スノードラゴン
4か月ぶりで臨んだ前走の1000万下。ビシッと追われた調教が1本もなく+6キロと太めの馬体。さらにベストとは思えない1200戦だったが、好位から直線入り口で先頭に立ってそのまま地力でねじ伏せた。この中間は休ませることなく順調に稽古を消化し、直前の追い切りはウッドコースで5F66.8-上がり37.9秒。時計も前走時より2秒も速かったうえ、終い追ったことのない馬が目一杯追ったことに大きな価値。昇級戦でも能力通用。