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フジキセキ+Deputy Ministerのニックス配合プリームス

  • 2012年02月22日(水) 12時00分
●エフジェイミラクル(牡 栗東・湯窪幸雄 父フジキセキ、母ハンナローズ)
 母ハンナローズは現役時代2勝馬で、繁殖牝馬としてはこれまでに2頭を送り出していずれも未勝利馬だが、「Mr.Greeley×Well Decorated」という仕上がりの早いスピード配合で、サンデー系と相性のいいHeliopolisも抱えているためこれから良駒を生み出す可能性は十分あると思われる。「フジキセキ×Mr.Greeley」はエイシンキンチェム(ダリア賞-2歳OP)と同じ。母方にMr.Prospectorを持つフジキセキ産駒は堅実に走るので期待できる。芝・ダート兼用でマイル以下に向く。

●クリフパレス(牡 栗東・吉田直弘 父ディープインパクト、母ディスカバリングビューティー)
 母は2戦未勝利という平凡な競走馬だったが、2代母Stick to Beautyは名繁殖牝馬で、Gold Beauty、The Prime Ministerという2頭のグレードレース勝ち馬を含めて5頭のステークスウィナーを送り出した。父ディープインパクトはCaerleonと抜群の相性を誇っているが、Caerleonの母ForeseerとStick to Beautyは、近い世代にRound Table、Hail to Reason、Stymieを併せ持つ相似な血。ディープインパクトと相性がいいと思われるので期待できる。Pretty Ways=Lipstick 5×4という珍しい同血クロスを持っているのも目を惹く。全兄アスールアラテラは現1勝馬。それ以上の活躍を期待したい。

●フェリスタス(牝 栗東・村山明 父Dansili、母フォーシンズ)
 母フォーシンズはもともとアガ・カーン四世殿下の所有馬で、現役時代にアイルランドでブランドフォードS(G2)、ブルーウインドS(G3)を勝った。殿下はファミリーの頭文字を統一するというドイツ式の命名法を順守している。本馬はFラインに属し、日本で誕生した本馬もフェリスタス(Felistas)という名前なのでFラインを守っている。日本やアメリカに渡ったドイツ牝系やアガ・カーン牝系は、この命名方式が無視されるケースがほとんどなので好感が持てる。父Dansiliはデインヒル系のなかでもクラシックディスタンスに強い名種牡馬で、日本に入ったハービンジャーや凱旋門賞を勝ったRail Linkが代表産駒。本馬は「Dansili×Sinndar」という組み合わせでスタミナと底力は十分。日本向きの素軽さがあれば大きいところも狙える。

●フラゴリーネ(牝 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母ゴレラ)
 母ゴレラはビヴァリーD.S(米G1)、サンドリンガムS(仏G2)などを勝ち、ムーランドロンシャン賞(仏G1)で2着、BCマイル(米G1)で3着などトップクラスで好成績を収めた。父と相性のいいCaerleon、Nureyev、Bustedなどがベースとなっているので楽しみが大きい。半姉クールドフレイズ(父Giant's Causeway)は5戦未勝利だが、ディープインパクトとの組み合わせでは違う結果が出てもおかしくない。芝向きの中距離タイプだろう。

●プリームス(牝 美浦・堀宣行 父フジキセキ、母レジェンドトレイル)
 父フジキセキはDeputy Ministerと相性がよく、このパターンからカネヒキリ(ダートG1を7勝)、ミラクルレジェンド(10年クイーン賞-GIII)、デグラーティア(08年小倉2歳S-GIII)、カラフルデイズ(11年関東オークス-GII)、ホーマンフリップ(10年ファンタジーS-GIII・2着)、エイブルインレース(09年クイーンC-GIII・3着)などが出ている。本馬はこのパターン。シンコウラブリイ、キングストレイル、タイキトレジャー、ハッピーパスなどの近親にあたる良血で、芝1600〜1800mあたりが良さそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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