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ユングフラウ賞

  • 2012年02月21日(火) 18時00分
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 3月21日に行われる浦和桜花賞に向けた3歳牝馬のユングフラウ賞(浦和1400m)が迫ってきました。1着馬から3着馬までに桜花賞への優先出走権が与えられます。アイキャンデイ、アスカリーブル、リカチャンスはすでに賞金面でクリアーしていると思いますが、他の面々は是が非でも獲りたいレースでしょう。

 今回は元気な川崎勢が目立ちます。コテキタイ(川崎・内田厩舎)は前走の若水特別を逃げ切り勝ちし、その日のニューイヤーカップ(優勝ゴールドメダル)よりも1秒速い時計で駆けました(1分43秒4・稍重)。「重賞になるとペースが厳しくなるから比較はできないよ。でも、乗った感じはいいモノがあるし、牝馬同士の次は楽しみだと思う」とコンビを組む張田騎手。

牝馬戦で3連勝を狙うコテキタイ

牝馬戦で3連勝を狙うコテキタイ

 北海道から南関東に仲間入りをし、この2連勝はひと皮向けた感じの走りっぷりです。内田調教師と担当の内田竹彦厩務員(元騎手)が共通して言っていたのは、「馬に幅は出てきたし、逃げたほうが持ち味は生きている」とのことで、今回もこの枠を生かして逃げたいそうです。

 北海道所属時代のローレル賞と南関東に転厩緒戦の東京2歳優駿牝馬をともに4着に入ったレイモニ(川崎・池田厩舎)。中央の春菜賞(東京芝1400m)は12着で、ここに向けてもいい経験になったでしょう。「芝の疲れもないし、東京2歳優駿牝馬の頃に比べたら気性面も走るフォームもすごくいいから、今回は勝ちたいね。これまでよりも積極的な競馬はさせたい」と広報担当の岡田厩務員。

杉村一樹騎手レイモニに好感触

杉村一樹騎手レイモニに好感触

 荒尾のリーディングだった杉村一樹騎手が南関東移籍後初の重賞騎乗です。「前回初めて乗せてもらってテンに遅れましたが終いまでしっかり動いて差してきました。今回の本追い切りの反応も良くていい感じでしたよ。与えてもらったチャンスを生かしたいです」(杉村騎手)。

 中央1勝で南関東入りし、東京2歳優駿牝馬とニューイヤーカップでともに5着だったメイクアミラクル(川崎・田辺厩舎)。転厩してから3戦目でさらなる上積みも期待ができるでしょう。

「ここを目標のひとつに予定通りの調整ができたし、本追い切りの動きも良かったと思う。コテキタイやリカチャンスを見ながら進めて、終いの脚を生かしたいね。精神面の強い馬」(田辺調教師)。

 そして、船橋組も楽しみですね。

 園田の重賞ウイナーだったアスカリーブルが大井を経由して、今回から船橋の川島(正)厩舎の一員としてレースに出走してきます。

川島厩舎のアスカリーブル

川島厩舎のアスカリーブル

 1月下旬に川島厩舎にやって来てここまで順調に調整をしてきたそうです。「歯の治療などもして体も増えてきたし、本追い切りの動きも良くて状態はいい感じだな。力は相当ある馬だぞ」と川島調教師からもお褒めの言葉。どうやら先日体重を計ったところ、その時点で20キロも増えていたそうです。今回ももちろんですが、今後どんな風に変わっていくのかその過程も見ていきたいですね。

 桃花賞はゴールドキャヴィアの2着、ニューイヤーカップは今回出走メンバーの最先着の3着だったリカチャンス(船橋・矢野厩舎)。「能力の高い馬」と矢野調教師も楽しみにしている馬ですが、桃花賞でゴールドキャヴィアから1馬身差のパーフォーマンスを考えてもここはかなり楽しみでしょう。

 前走のニューイヤーカップはスタートダッシュが良かったために押し出される形で逃げましたが、ゴールドメダルにこられた所で気を抜いてしまったために、もっと後ろから行ければまた違ったようです。

 「本追い切りは予定よりも時計が速くなったけどそれだけ馬も状態がいいんだろうね。どんどん力がついているよ」と松元厩務員。

 05ロジータ記念の覇者グローバルリーダーの初仔ゴールドエルフ(船橋・佐藤賢厩舎)が重賞初挑戦します。新馬戦はベルモントシェリーを打ち破り、それ以降も素質馬たちと高いレベルで走ってきました。

担当は3冠牝馬チャームアスリープを手掛けた高橋厩務員で、「能力はかなりあると思うよ。でも、カイバ食いが細いからもっと食べて欲しいんだけどなぁ」と。佐藤調教師も「1キロでも2キロでも増えていてくれれば……もっとふっくらさせたい」

 前走の若水特別は3着に敗れましたが、「この間は馬込みに入っていけなかったみたいだね。今回は3、4番手くらいからスムーズな競馬ができればヒケの取らない力はあると思う」(佐藤調教師)。

 そして、ハイセイコー記念と平和賞で2着だったアイキャンデイがここ最近は残念ながら大敗しています。砂をかぶって嫌がって走りをパッタリやめているそうです。今回はブリンカーを着用する予定で、圧勝した2戦目のときと同じ装い。外目の枠に入ったのもいいでしょう。体に砂がかかるのは問題ないそうですが、顔にかかるのがかなり嫌がるそう。自分の走りさえできれば……。

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南関東競馬を拠点に活動中。仙台生まれの山形育ち。NHK山形放送局キャスター後、競走馬のことを伝える仕事に就きたく上京。東京シティ競馬中継(MXTV)を経て、南関魂、TCKホームページ、競馬総合チャンネル地方競馬コース、楽天競馬、ウェブハロンなどで活動中。今の一番の喜びは、拠点にしている南関東所属馬が大舞台で頂点に立ったとき。

※当コラムは南関東重賞の前日更新となります。

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