中山記念、阪急杯、アーリントンC、すみれS追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山11R・中山記念
・トゥザグローリー
日経新春杯1着後にノーザンFしがらきに放牧へ出されて、帰厩したのが2月7日と日が浅いため、その仕上がりに心配したが、そんなことを杞憂に感じさせたのが最終追い切り。
CWでマナクーラを1秒以上追走したが、直線に向くとゴチャついたところをしっかり捌いて2馬身近く先着。反応の良さはむしろ日経新春杯時よりも上ではないかと思えるくらい機敏な動きを見せた。全体的な調教量も十分足りており、なんら心配する点はない。やっぱりこの時期は安定した体調を維持できるのだろう。
・レッドデイヴィス
有馬記念後はノーザンFしがらきに放牧に出され、帰厩したのは1月31日。そこから順調に坂路での調教を積んできたが「最近の坂路は馬場が重くて速い時計が出ない。久しぶりだけに、そのあたりが心配」と音無秀孝調教師は本数ではなく、調教内容の質を心配していた。
最終追い切りも馬場が悪く、時計は4F54.4秒。結果的に54秒を切る時計を1本も出せなかったが、むしろやりすぎてテンションが上がるよりも良かったかも知れない。ただこの時期だけに、中山への輸送があるにも関わらず、大幅に馬体重が増えるようでは心配なので、当日の増減には注意していただきたい。
◆日曜阪神11R・阪急杯
・スプリングサンダー
前走こそ崩れたが、今回の舞台は3勝を挙げ、重賞(阪神牝馬S)でも3着した阪神芝1400m。巻き返すには最高の場面だが、肝心の状態面に疑問符がつく調教内容に思える。
坂路で追い切られて4F時計が速く、かつラスト1Fは13秒を切る。これが好走時の最終追い切りのパターンだが、今回は4Fは遅く、1Fも遅い。確かに時計の出にくい馬場であることは間違いないが、このクラスなら4F52秒台は出たはず。それがジョッキー騎乗で4F54.0秒というのは非常に遅く、まだ前走からの良化はスローだと判断した方がよいだろう。
◆土曜阪神11R・アーリントンC
・ダローネガ
2月2日にノーザンFしがらきから栗東へ戻ってきて、翌日には坂路入りして調整。中9週という間隔を考えれば、坂路で5本の時計が出せており、一応の出走態勢が整う調教量にはなった。
ただ気になるのはその中身。最近の栗東坂路は馬場が重く、時計が出にくいこともあり、中間に4F56秒を切った時計は1本もない。最終追い切りはダノンスパシーバに先行したが、あっさりと遅れて4F56.2-1F13.6秒。数字、動きともに強調できる点はないだけに、素質の高さでどこまでやってくれるかといったところだろう。
◆日曜阪神10R・すみれS
・ベールドインパクト
前走は「ゲートは出ないと思ったら、思った以上に出たので位置取りが前になったようです」と寺島良調教助手が話すように、本来は差して末脚を爆発させるタイプ。それだけに今回のように逃げたい馬がいるレース展開はこの馬の思った流れになるだろう。
肝心の状態だが、中2週と間隔が詰まるにも関わらず、坂路とCWを併用して本数多く仕上げられている。最終追い切りはCWでヴィクトリーマーチを追走して2馬身ほど先着。馬なりの相手に一杯追って先着するのがやっとだったが、馬場が重いところを終いまでしっかり脚を使えたことは評価できる。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・中山記念
・ダイワファルコン
中山金杯以降は放牧に出ず、自厩舎で入念な調整。2月2日から時計を出し始め、中間は計4本の追い切りを消化。1週前追いの15日に単走でハードに追い切り、6F81.6-3F37.0-1F13.4秒の好タイムをマーク。その後は息の入りが良くなり、21日の最終追い切りは6F84.7-3F40.5-1F13.1を余力十分の脚どりで駆け抜けた。金杯時よりタイムはかなり劣るが、大外を回ったこと、手応えのよさから考えると状態面はかなりいいばずで、馬体面でも太目感は皆無。中山1800は最も力を発揮できる場。GI並の好メンバーが揃ったが、一瞬の切れ味ならヒケを取らない。すんなり好位追走の流れになればビッグチャンス。
◆日曜中山10R・ブラッドストーンS
・ダンシングマオ
前々走の北総S8着は距離の1800が長く参考外。前走の春望Sは距離1400と縮めたが、いくら牝馬とはいえ+14キロの体重は明らかに重目。それでも太目で終いの詰めは欠いたものの、最後で切れる脚を使って3着と地力は見せた。今回は中3週とレース間隔を詰めての出走で、直前の追い切りは終いを重視して5F67.0-上がり38.4秒。今度は馬体を大きく見せて筋肉が締まり、理想的な馬体。得意の1200で力強く差し切る。
◆日曜中山9R・潮来特別
・ルイーザシアター
1週前にコースで追われ、中山記念に出走予定のフィフスペトルをアオる動き。このひと追いで重さを解消。今週は稽古駆けのハッピーカオルと互角の素軽さを見せた。重さはまったく感じないし気合いの乗りも良好。力は出せるデキと思える。ノーステアあたりと好勝負した馬で、このクラスでは能力が1枚上。コース実績も十分だし、完全復調なった内田博幸騎乗も心強い材料だ。
◆日曜中山12R・4歳上1000万下
・ノーワンエルス
スタミナ強化を図る目的で障害戦を使い、平地に戻すのは予定通りの行動。陣営の思惑どおりにパワーアップしており、直前の追い切りでも、単走で67.7-52.8-39.0秒を力強くマーク(一杯追う)。ダートコースでの走法も申し分なく、一変しそうなムードが漂っている。出負け癖、モタレ癖のある馬で、たしかに乗り難しいが、新馬、3歳オープンを勝った素質の持ち主で、昨年夏には強敵相手に函館1000万で小差4着と好走したとおり、平場のメンバーなら互角の評価。地方の今野騎手を鞍上に迎え、じっくりと脚をタメで直球勝負。
◆土曜中山11R・千葉S
・エベレストオー
前走はスタート直後の落馬でダメージは少なく、すぐに調教を再開。先週はポリトラックを、直線軽く仕掛けただけで62.4-35.8秒の好時計をマーク。今週もセーブすることはなく、ウッドチップで67.5-38.2秒を余力たっぷりにゴールイン。気合いの乗った走りは迫力満点、ここにきての充実ぶりが目立ち、本格化気配を迎えている。追い込み一手で展開に左右されてしまうが、今回の少頭数は間違いなく好材料。長くいい脚というより、一瞬の爆発力重視で中山コースがベストの馬。人気が下がりそうな今回は、絶好の狙い目になる。