ユングフラウ賞(2月22日 浦和 サラ3歳牝馬 別定 南関東SII 1400m良)
○(1)アスカリーブル 1分30秒2
△(2)レイモニ 2
◎(3)リカチャンス 3/4
▲(4)コテキタイ 3/4
△(5)メイクアミラクル 1/2
………………
△(6)ゴールドエルフ
△(7)グラッツェーラ
(8)ギンザファミリア
(11)アイキャンデイ
単390円 馬複1930円 馬単2830円 3連複1950円 3連単12490円
アスカリーブルが好位キープから直線鮮やかに抜け出した。予測通りコテキタイの逃げ。しかしアイキャンデイ、モリヤッコ、さらにリカチャンスと一団で追走、描いたような単騎マイペースとはいかなかった。アスカリーブルは外め4〜5番手、前をじっくり見ながら進み、後続をいったん振り切ったコテキタイに満を持して並びかける。一瞬のうちの逆転劇。あっさり2馬身差をつけフィニッシュも余裕があった。
「初騎乗だけれど、何度か一緒のレースをして(東京2歳優駿牝馬・桃花賞など)、走る馬だと思っていた。実際、素直で乗りやすい。道中ずっと反応がよかったし、最後の切れも抜群でした」(戸崎騎手)。テン乗りの馬。前評判、人気にかかわらず、持てる能力を100%引き出せるのが今の彼だ。磨かれた騎乗技術はもちろん、競馬への姿勢が真摯でひたむきということだろう。もし自分が乗ったら…おそらくそういうアンテナが、常に張り巡らされている。
アスカリーブルは兵庫(園田)4戦4勝で南関東トレード。以後もやや地味ながら「東京2歳優駿牝馬」7着、「桃花賞」3着。地力と競馬センスはそれなりに示してきた。今回一つ壁を破ったのは、前述戸崎Jの腕と同時に、川島正行厩舎転厩がたぶん大きい。知られる“川島正行流”は、体を増やしパワーアップが鉄則で、アスカリーブルは逆にこの日16kg減。それでもパドックの馬体などハリがあり、馬場入り後の返し馬も活気と勢いにあふれていた。「数字(16kg減)は正直意外だったが、稽古は十分動いているし馬の雰囲気もよかったからね。今後どう結果が出るかは他馬との力関係になると思う」(川島正行調教師)。川島師自身は当然ながら、そのスタッフの手腕、努力に改めて感服する。“川島軍団”は、他にエミーズバラダイス、ゴールドキャヴィア、もう1ランク上の素質馬を擁している。
勝ち時計1分30秒2。ぺース自体は速くもないが(36秒8〜50秒0)、結果“もつれた”という言葉が適当だろう。ゴール前大外を追い込んだレイモニ2着、好スタートをいったん下げ、立て直したリカチャンス3着。ただ流れが緩いわりに、どれも鋭い脚が使えなかったうらみがあり、この日の場合、4着コテキタイ、5着メイクアミラクル、さらにゴールドエルフ、グラッツェーラまで、さして差がない印象がある。
ともあれ3月21日「桜花賞」も迫ってきた。ここ数年の傾向通り“牝馬優勢”と思えるクラシック(3歳地図)。桜花賞→羽田盃→東京ダービー、3冠ならもちろん凄い。それを平成1年ロジータが達成している。