先週の阪神競馬場は土曜にアーリントンC、日曜に阪急杯が行われました。それぞれのレースについて振り返りたいと思いますが、その前に前提条件として、馬場が重かったことを挙げておかなければなりません。金曜や土曜日の雨で阪神競馬場の芝は時計が掛かって力が要る状態でした。ただ、遅いパワータイプが好走するわけではなく、開幕週で馬場状態がいい分、ある程度の切れは要求されました。
なので、全体的にはダイワメジャーやハーツクライなど、ある程度筋肉量や骨量がありつつ、切れのある大きな走りができる馬が圧倒的に有利でした。このような馬場では、ディープインパクト産駒のように華奢なタイプ、軽い切れ味で勝負する馬は基本的に飛びますので、このような馬たちが実力で負けたわけではないことを把握しておくべきでしょう。これらの馬は次走など条件が合うところで一気に巻き返し、好配当をプレゼントしてくれるはずです。
【アーリントンC】
勝ったジャスタウェイはトモの充実振りが目立ちました。ハーツクライ産駒は父親の若い頃と違って腰が安定しているので、緩い馬場もこなせる馬が多いです。それにしても強烈な決め手でしたね。まだ崩れる不安定な面はありますが、ハマった時の瞬発力には目を見張るものがあります。暖かくなるとまだ良くなってくると思いますので、今後も注目したい一頭です。
2着のオリービンは飛節にひ弱いところはありますが、トモが充実していい体付きになっていました。内目を縫って勝ちパターンでしたが、勝ち馬の決め手が激しすぎました。今後も合う条件では堅実に走れる馬でしょう。
3着のアルキメデスは悪くはなかったですが、初戦時の迫力を考えると物足りない印象。もっとトモなどが充実してくれば、さらに上にいけるだけのものを持っていると思います。
4着のローレルブレットは個人的にあまり良く映らない馬。阪神のマイルは合いますし、この条件では警戒したいと思います。
5着のヴィンテージイヤーは初芝となりましたが、馬体は良く、ここでも通用すると判断して○を打ちました。結果は5着でしたが、なかなかの健闘振り。ただ、本質的にはダートのマイル位までがいいと思います。芝は今回のように力の要る馬場で。
7着のブライトラインは良い体付きになっていました。もっとやれる馬だと思います。人気が落ちてきたら買いたいですね。
8着のダイワマッジョーレは初戦よりも素軽い体付きになっていましたし、馬場も合うと思いましたが案外の結果。ただ、キャリアは少ないので、これで良くなってくるかもしれません。長い目で見たい馬です。
9着のダローネガはいい時のトモの張りやまとまり感が無いです。もっと引き締まった見えるようになれば。
【阪急杯】
勝ったマジンプロスパーは筋肉量豊富で、締まりもあって馬体を良く見せました。馬場も合ったと思いますが、この条件は合っています。力の要る馬場なら引き続きチャンスは十分です。
2着のスプリングサンダーは母父キングマンボだけにこういう馬場もこなせた感じですが、本質的には軽い馬場の方が向いています。
3着のサンカルロはいい体付きでしたが、やや右前脚を気にした感じの歩様が気になりました。ちょっと痛いところがあったのかも。
4着のオセアニアボスは素晴らしいデキでしたが、内枠が仇になって捌き切れませんでした。力の要る馬場の1400mなら一線級とも戦えるところまできました。
5着のガルボはいつもよりトモが流れている感じで、連戦の疲れがあったのかも。返し馬も良かったのは良かったですが、いい時ほどの動きではありませんでした。一度立て直したほうがいいかも。
11着に敗れたマルカフェニックスは思ったよりできていました。休み明けで大事に乗ったのかもしれませんが、もっとしっかりと追ってほしかったところです。次は変わりそうな感じ。
【次走の注目馬】
・
エンリルグンと馬は良くなってきていたが、スタートでトモを流す痛恨の不利。ハナ切れば勝てそうだっただけに。次走は巻き返し。
・
ローザボニータ肉付きが良くなり良化。ただ、今回は力の要る馬場が合わなかった。軽い馬場ならあっさりまで。
・
ダノンキャスケード今回の馬場にはちょっと華奢だった。馬は良いので、パンパンの良馬場ならすぐに勝てる。
・
アグネスダリムツナギが短くて短いところ向き。1600m以下の距離で見直し。
・
ワイドバッハ馬は良くなっていた。ただ、芝はこなせなかった。軽いダートがベスト。
(*)サイトからのお知らせ
お気に入り馬へのメモ機能はnetkeiba.com(PC)でご利用いただけます。スマホ版「競馬総合チャンネル by netkeiba.com」、携帯版・競馬総合チャンネルへのメモ機能導入は現在準備中です。リリース日が決まり次第、サイト上でお知らせいたします。
|
▼古澤秀和氏の新刊「馬体深化論」が発売中! 10年以上1レースも欠かすことなく中央競馬をパドックから見続けている古澤氏が、難解な馬体論を誰でもわかるように簡略化し、これだけ押さえれば『馬の適性』が一目瞭然になるポイントを伝授した内容です。
当サイトの連載コラム「先週のパドックプレイバック」と併せて読むと、効率の良い馬券テクニックが身につくこと間違いなし! 他人と差が付く馬券選びの一手として、是非ご活用ください。 |
▼古澤秀和氏の活動、理論の詳細などは「
古澤秀和の競馬予想」へ