弥生賞、チューリップ賞、オーシャンS、中日新聞杯追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山11R・弥生賞
・アダムスピーク
2月1日にノーザンFしがらきから帰厩しているが、日程に余裕があった割には調教本数は多くない。トライアルという位置づけから目一杯の調教は必要ないだろうが、牡馬にしてこの本数は少々気になるところ。最終追い切りは坂路でジェンティルドンナとの併せ馬。攻め駆けする相手によく食い下がったという見解もあるだろうが、こちらは牡馬の重賞ウイナー。力のいる馬場なら、よりこちらが手応え優勢でもおかしくないはずだが、ゴール寸前の脚色は完全に相手が上。騎乗した内田博幸騎手との相性は良さそうだが、肝心の中身がひと息といったところだろう。
◆土曜阪神11R・チューリップ賞
・ジョワドヴィーヴル
1月18日にノーザンFしがらきから帰厩し、CWでの普通キャンターを乗っている様子を見ていると「今年もこの馬しかいない」と思わされるほど、きれいでダイナミックなフットワークを見せていた。ところが、1週前追い切りのCWでトリップに遅れ。そして最終追い切りもCWで同じ相手に遅れてしまった。そもそも馬体を並べるところまでいかずに遅れているので、精神的に走る気がないとか、そういう類でないのは確か。やはり馬場が重いということが最大の要因だろう。ただ仕上がり状態として隙がないというほどの入念さもないため、土がつくなら今回だろう。
・エピセアローム
前走阪神ジュベナイルFは休養明けで調教本数が少ない仕上げで8着。決して悪い内容ではなかったが、やはりメンバー強化になれば、ある程度しっかりと調教されている必要があるということだろう。今回も同じ休養明けだが、その内容はまったく違う。2月1日には坂路で時計を出し始めており、じっくりとペースを上げていく感じ。1週前の坂路での追い切りはアダムスピークを完封する併せ先着。この内容でほぼ出来上がっていることは確信したが、馬場の重い今週の坂路で4F54.0-1F13.6秒。ラストは前を走る他馬が邪魔になったため、ほとんど追っておらず、スムーズなら13秒前半では上がっていたはず。今の状態なら阪神ジュベナイルFの着差を詰めるどころか、逆転まで可能だろう。
◆土曜中山11R・オーシャンS
・ダッシャーゴーゴー
1月25日に宇治田原から帰厩した際「今までの放牧帰りで一番馬体がいいですよ」と安田隆行調教師の声は弾んでいた。それを裏付けるように、入念に調教が積まれており、思惑通りに仕上がっているという中間の状態だった。最終追い切りは坂路で単走。時計は4F56.3-1F13.4秒と遅くなってしまったが、時計の出にくい後半のハロー明けの馬場なら仕方ないかも知れない。1週前には4F52.3秒をマークしているので、それほど心配する内容ではないが、飛びついて馬券を買いたくなる最終追いとはいかなかった。
◆土曜中山11R・中日新聞杯
・ダノンバラード
前走後はグリーンウッドに放牧へ出され、帰厩したのは2月21日。中6週と間隔が空いているにも関わらず、調教本数が少ないのはこのあたりに理由があるのだろう。本数の少なさは気になるが、最終追い切りの動きは軽快。DPで先行するゴールスキーを内から追走して、最後は大きく先着。池江泰寿厩舎へ転厩してから、最終追い切りは坂路だったので、今回が初めてのトラック追い。馬がしっかりしてくれば、トラックで追い切るという厩舎の方針を重視すれば、今回の調教変化を無視することはできない。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・弥生賞
・ブリスアウト
22日の1週前追い切りが圧巻。格下相手とはいえ、4馬身追走から、直線抜群の手応えで逆に1馬身先着。5F67.7-3F39.0秒は平凡でも、動きにスピード感が増し、ひと叩きの効果が明らかに出ていた。そして、26日も古馬相手に追走から余力十分に併入。さらに29日の最終追いも古馬1600万キャプテンルビーを1.3秒追走から、再び持った切りでアオる文句なしの内容。とにかく中間は迫力満点の調教を繰り返しており、一度使っての上積みが素晴らしい。キャリア2戦目でいきなりの強豪相手となる今回でも、その資質、スピード能力が全開できれば十分に通用するはず。揉まれず一瞬の決め手勝負となればビッグチャンス。
◆日曜中山10R・上総S
・マイネルオベリスク
前走のアレキサンドライトS。直前の調教は坂路で4F53.9秒と控え目だったが、馬体は着実に絞れてきていた。終始外から1番人気馬にマークされ、被せられる苦しい形。それでも3着馬に3馬身差をつけて2着確保。1600万では地力上位を示した内容。この中間も入念に調整され、1週前にウッドで6F83.8秒を目一杯追われた。さらに直前は坂路で4F54.9を計示したうえにウッドでも6F83.5秒を楽々マーク。今回は前走時とは鍛え方が違う。
・デンコウヤマト
前走後も、水曜と日曜には必ず時計を出し、入念な乗り込み。今週もキチンと追われて力強い伸び脚。気合いも乗って状態面は文句なしと思える。ここ2走も、0.3〜0.4秒差と着順ほどは負けておらず、このクラスなら十分勝ち負けできる能力を持った馬。3走前のレースぶりなら小回りの中山コースもまったく不安はないし、中間の降雨で時計が速いダートになるのは望むところ。今回が絶好の狙い目。
◆土曜中山9R・黄梅賞
・マイネルコランダム
前走は出遅れが敗因ではなく、超のつくスローペースで直線馬込みがさばけず、仕掛けが遅れただけ。前2走、連続で上がり33.8秒、特に前走のゴール前の伸び脚は目立っていた。中間の気配も良く、今週はウッドチップで70.1-38.8秒。終い重点に直線気合をつけられると、ラスト1ハロンを12.4秒。競馬と同じく追っての反応が良く、鋭い伸び脚を見せてきた。状態の良さは間違いなく、ここ2戦は不完全燃焼な競馬が続いただけ。人気が落ちる今回は絶好の狙い目、単勝から狙っていきたい。
◆土曜中山12R・4歳上1000万下
・エアイグアス
先行集団につけた前走の東京戦だったが、早めに外からプレッシャーをかけられる競馬でハミを噛んでしまって失速。自分のペースで行けないとモロい面が出てしまった。やはりこの馬は、すんなりとハナに立って、後続になし崩しに脚を使わせる競馬が理想。そういう意味では、コーナー4回の中山ダート1800mが一番合っている。水曜には雪の中で実戦同様の3頭併せを消化して、体調面では復帰後一番。注文どおりの逃げが打てれば、今度こそ結果を出せる。