2月29日、アンミツこと安藤光彰騎手が長い騎手生活にピリオドを打ちました。ご存知のとおり、安藤光騎手にとって笠松競馬は偉大な故郷。偶然にも、2月最後の日にたまたま笠松でJRA交流競走が組まれていたため、エージェントが笠松・中央の厩舎と交渉して騎乗が叶ったそうです。その流れでセレモニーも組まれることになり、中央競馬の所属騎手が古巣の地方・笠松競馬で引退式を行うという、とても珍しく、そして粋なラストを飾ることになりました。

引退式にて兄弟でツーショット

後輩たちが胴上げ
48歳でJRAへ移籍したアンミツさん。JRAの騎手になるには一次試験の学科もパスしなければなりませんでした。
「あのときは毎日8時間勉強してたな。レースとレースのあいだの待ち時間もひとりで勉強した。それまでの人生で勉強なんてしたことなかったけど、あのときだけは“絶対受かる!”という信念でひたすら教科書とにらめっこしていたよ」(安藤光騎手)
見事2度目の試験で合格。その後、58勝をあげました。現在、53歳。とても気持ちが若いアンミツさんですが、騎乗依頼が減ってきたことで“潮時”を感じたそうです。
「若い子には負けないという気持ちは今でもある。でも、ゴールに向かって追っていて“昔ほど追えてないな”と感じるようになった」(安藤光騎手)
ラストランの直線、スエヒロジュピターに騎乗したアンミツさんは前を行く和田騎手を捉えようと必死でムチを入れて追っていました。結果は2着でしたが、懸命にゴールに向かうアンミツさんの姿には心が揺れました。
引退式では弟の安藤勝己騎手からねぎらいの花束贈呈。「最後はかっこよく決められなかったね」と苦笑いしながらも「無事に騎手生活を終えてよかった」と温かい言葉をかけていました。
アンミツさんによれば、安藤勝己騎手はすでに競馬の世界へ入っていた兄・光輝さんの後を追ってこの世界に入ったとのこと。つまり、アンミツさんが騎手を目指さなければアンカツさんもこの世にいなかったのでしょう。「すべてが懐かしい」という笠松で騎手生活を終えたアンミツさん。今後は調教師という新しい夢に向かって進むそうです。その日を楽しみにしています。おつかれさまでした。

三冠馬オルフェーヴルが帰厩
24日、オルフェーヴルが栗東トレセンに戻ってきました。「充電完了。さらに大きく成長しているね」と笑顔の池江師。馬体重は480キロとのことでした。
今年の大目標は凱旋門賞。「それ(凱旋門賞)までは日がある(10月7日)。今はようやく滑走路についた状態かな」どこにピークを持っていくか、いろいろと思案中のようでした。春は阪神大賞典から天皇賞・春へ向かいます。
チューリップ賞の注目はもちろんジョワドヴィーヴル。追い切りでは弥生賞に出走するトリップと2週連続の併せ馬を行っています。先週は3馬身遅れ、今週はトリップが追いかけるかたちで併入していますが、トリップはとても調教駆けする馬なので遅れは問題ないでしょう。

2歳女王ジョワドヴィーヴル始動
「先週より今週のほうが動きはよくなっている。」と松田博師。見ている側の立場では、阪神ジュベナイルFの勝ちっぷりを思うといきなり結果を求めてたくなりますね。でも、当の松田師は「まぁ、無事に帰ってくればいいさ」と笑顔。春のクラシックに向けていいスタートが切れるといいですね。
ちなみに2戦目の未勝利戦を豪快な追い込みで勝ち上がったスピークソフトリーにも注目しています。「前走はパドックでは大人しかったのにレース直後から急にうるさくなった。そんな気持ちの激しさがあの末脚に繋がっているのかもしれないね」と千田師。
担当の白鳥厩務員は「母の父のサンデーサイレンスの血がそうさせるのかもしれないね」と話していました。まだまだ荒削り。大勢のお客さんに見守られながらどんな走りをするのか、注目しています。