●アファーブル(牝 美浦・久保田貴士 父ブライアンズタイム、母マジカルウーマン)
ユニコーンS(GIII)を勝ったナイキアースワーク、シリウスS(GIII)を勝ったドラゴンファイヤーの全妹。この兄弟が出てから4年間、母マジカルウーマンには別の種牡馬が交配されてきたが、活躍を目の当たりにしてブライアンズタイムに回帰した。正しい判断だろう。ナイキアースワークが馬名登録された7年前に当欄で取り上げて褒めたように、母方にブレイヴェストローマンを持つブライアンズタイム産駒は、ブライアンズロマン(地方競馬で重賞19勝)、スリーローマン(01年の府中牝馬S-GIII・3着馬で、菊花賞馬スリーロールスの母)、エミネントシチー(ダート王エスポワールシチーの母)などが出ており成功している。本馬は牝馬に出たので将来繁殖牝馬として楽しみな存在だ。もちろん、現役馬としても兄同様の活躍を期待したい。
●イシュタルキャスト(牝 栗東・石坂正 父アグネスタキオン、母リターンキャスト)
全兄オーシャンエイプスはきさらぎ賞(GIII)4着、東京新聞杯(GIII)5着などの成績がある。母リターンキャストの半弟にはセントウルS(GIII)を勝ったゴールデンキャストがいる。「アグネスタキオン×ノーザンテースト」は成功しており、GIを4勝した女傑ダイワスカーレット、ワイドサファイア(09年フローラS-GII・2着)、ワイキューブ(07年北九州記念-GIII・3着)などコンスタントに活躍馬が出ている。2代母リターンバンダムはRibot 4×4だが、父フジキセキはRibot系の血と相性がいいので好感が持てる。芝向きのマイラー。
●カレンジーニー(牝 美浦・栗田博憲 父フジキセキ、母コンクラーベ)
コンコルディア(03年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI・3着)の全妹、ピエナファンタスト(12年ステイヤーズS-GII・4着)の半妹にあたる。母コンクラーベは小倉記念(GIII)で5着となった活躍馬だが、繁殖牝馬としても、これまでに送り出した7頭中、6頭が勝ち上がるという優れた能力を発揮している。2代母コンカロは「Caro×Cornish Prince」というスピード値の高い配合でNasrullah 4×4。こういうタイプの繁殖牝馬はフジキセキと合う。堅実に走ってくるだろう。
●グランキュヴェ(牝 美浦・小桧山悟 父マヤノトップガン、母アルカディア)
母アルカディアはNijinskyとBlushing Groomのニックスと、Quill 3×4という名牝のクロスを持つ狙いすました配合。本馬は前者をアルプミープリーズ≒コンテッサIIを2×3で継続発展させた意欲的な配合。生産者の川上牧場(川上悦夫氏)はNijinskyとBlushing Groomのニックスを高く評価されているので、もちろん意図的にデザインされた配合であることは疑いようがない。アルプミープリーズとコンテッサIIの組み合わせクロスには重厚なVaguely Nobleが含まれているので、スマートファルコン(Vaguely Noble 5×3)のようにダートの中距離がいいタイプだろう。
●サトノラミア(牝 栗東・池江泰寿 父ブライアンズタイム、母ホームスイートホーム)
兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)とユニコーンS(GIII)を勝ち、東京大賞典(Jpn1)やフェブラリーS(GI)でも3着と健闘したバーディバーディの全妹。母の父にMr.Prospector系を入れるというブライアンズタイムのダートマイラー配合の典型で、Graustark=His Majesty 3×4という重厚な全兄弟クロスが底力の源泉。こちらは牝馬なので兄に比べてスピードタイプに出そうだ。
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