2011年、ブレイクした騎手といえば、そう、川須栄彦騎手。デビュー2年目にして91勝を挙げ、全国6位、関西4位。一気に若手No.1の座に躍り出ました。『あいうえおトーク!』第1回目は、「憧れのジョッキー」から「小倉ターフ賞」まで全10問。大躍進につながった、川須騎手の“強さ”に迫ります!
あ憧れのジョッキーは誰ですか?
川須 先輩方は、みなさん憧れの存在です。僕が生まれる前から騎手をやってらっしゃる方もいますからね。
──デビュー当時の取材では、必ず目標のジョッキーを聞かれると思うんですが、そのときはどなたの名前を挙げられたんですか?
川須 内田博幸さんです。ああいう風に、豪快に追える騎手になりたいと思っていたので。デビュー前は、ほとんどお話をしたことはなかったんですが、デビューしてからは、気さくに話しかけてくださったりして、人としても、内田さんのようになりたいなぁと思いますね。それに内田さんて、意外とおちゃめなところがあったりするんですよ(笑)。
い1年目の暮れにフリーに転向されましたが、当初、一番不安だったのはなんでしたか?
川須 不安ももちろんあったんですけど、それより、結果を求められる世界なので、どうやったら乗せてもらえるか、どうやったら勝てるかっていうことを、まず第一に考えましたね。不安があるなかでも、気持ちを切り替えました。
──当時、エージェントの方はいらしたんですか?
川須 いえ、1年間は自分でやってました。厩舎に所属していたときに、何人かのエージェントの方が声をかけてくださったんですけど、本田先生に『自分でやりなさい』とご指導いただいて。夏頃に、僕からも『もっと乗りたいので、エージェントを依頼してもいいですか?』って先生にお聞きしたんですけど、『まだ早い』と。昔はみなさん、自分で乗り馬を取りまとめていたわけですから、僕にもそういうところからしっかりやらせるというのが先生の考え方でしたね。
──1年間、ご自分で管理されたことが、今、生きているのでは?
川須 そうですね。最初からエージェントがいるのが当たり前になってしまうと、いい馬が集まらなかったりしたら、ちゃんとやってくれてないんじゃないかとか思ってしまうんでしょうけど、1年間、自分でやったことで、そうではないこともわかりますからね。
う“馬に乗る”ということについて、一番重要視しているのは、どんなところですか?
川須 馬の気持ちを理解してあげること。努力はしているんですけど、なかなか難しいですね。
えAKBの推しメンはいますか?
川須 大島優子さんです。
──そのほかに、好きな芸能人はいますか?
川須 吉高由里子さんです。面白そうだし、なんかあの…、不思議な感じが好きです。僕は、変わった人というか、個性的な人が好きみたいです。
アルコールよりジュース派
おお酒は好きですか?
川須 飲めますけど、好きではないです。みんなでワイワイ飲むような場では飲みますけど、積極的に飲みに行くことはないです。まずいとは思いませんが、ジュースのほうが好き(笑)。
──ちなみに、酔っ払うとどうなりますか?
川須 口数が増えます。楽しい気分にはなりますね。
か“川須栄彦”とは、どんなタイプのジョッキーだと思いますか?
川須 ん〜、まだ勝ちたい一心で、がむしゃらに頑張っている感じですかね。
──ご自分では、考えて乗るタイプではないと分析されているようですが。
川須 そうですね。でも、少しずつですけど視野が広がっている部分もあるので、考えて乗ることも増えました。でも、たいがいは、ゲートを出てから一度リセットする感じですね。レース前に、それぞれのジョッキーの癖を踏まえて、この馬にこの人が乗っていれば、こういう動きをするだろうなぁとか考えるんですけど、実際、考えた通りにはなりませんから。ただ、人気の馬に誰が乗っているかによって全然違ってきますから、一応、念頭には置いておきます。
き厩舎を回ったりなど、営業活動は積極的にするほうですか?
川須 そうですね。競馬が終わったら、お世話になっている厩舎にご挨拶に行ったり、勝たせてもらった馬を見に行ったり。3時から4時の1時間は、厩舎を回るようにはしてます。
く悔しかった出来事を教えてください。
川須 接戦で負けたときなどは悔しいですねぇ。経験を積んでいけば、パッと切り替えられるんでしょうけど…。引きずりはしませんが、“悔しい!”っていう気持ちでいっぱいになります。
け競馬学校時代の一番の思い出はなんですか?
川須 競馬学校に噴水があるんですけど、その噴水の縁に正座をさせられました(笑)。寒いなか、菅原とふたりで…。
──ちなみに、それは何の罰だったんですか?
川須 集合時間に遅れたんです。とにかく、みんなマイペースというか、我が強い期でしたね(笑)。
12年小倉大賞典で重賞初制覇
こ小倉ターフ賞、おめでとうございます。昨年の小倉では、騎乗数、勝利数ともトップだったわけですが、やはり、こういった賞は自信になりますか?
川須 自信になるというより、素直にうれしいです。デビューした頃、浜中さんが小倉ターフ賞を受賞されているのを見て、自分もいつかは…と思っていました。だから、実際いただけるようになって、自分も少しずつステップアップしてるのかなぁと。
──福岡は地元ですよね。
川須 はい。地元は競馬場から1時間くらいかかるんですけどね。両親も応援に来てくれますし、小倉競馬場だけは僕の横断幕がたくさんあります(笑)。5つも6つも出ているので、パドックで厩務員さんが『お前、地元か!』って、すぐに気づくほどです。うれしいですね。
【次回のキシュトーーク! は?】
次回は、「さ」〜「ぬ」まで全13問。つらかった出来事から、『高須くん』と呼ばれ続けたデビュー当時の話まで、川須騎手の素顔をたっぷりとお届けします。