【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・フィリーズレビュー
・アンチュラス
前走後は早々にこのレースを目標に定めて、2月19日には坂路で15-15程度の調教を開始。そこから順調に本数を重ねて、CWでの最終追い切りを迎えた。馬場開場一番の状態とはいえ、時計の出にくい馬場。それを考慮すれば、時計が掛かることは仕方ないが、併せたフレデフォートが馬なりだったのに対して、こちらは一杯。それでいながら遅れた内容は評価できない。時計的にもラスト1Fで13.4秒も要しており、久しぶりの印象が拭えない。
・ファインチョイス
前走阪神ジュベナイルFの惨敗から休養明け。中12週という間隔は決して長い期間ではないが、調教本数としては6本程度ほしいところ。それが最終追いを含めて5本というのは、あとひと追い足りないという印象が残る。最終追い切りはDPで単走で行われたが、ゴール直前で逆手前になり、バランスが悪くなるような走り。そのあたりはやはり休養明けなのかも知れない。また函館2歳S最終追い時には直線を左手前で走り抜いたのだから、その動きの比較でも物足りない。ただ近2走のように目一杯に追わずに馬なりでソフトに仕上げたのは函館2歳S時と同じなので、その点には好走の余地がありそうだ。
・レッドクラウディア
新馬戦の1週前追い切りで坂路4F52.1秒と、当時2歳新馬としてはトップクラスのスピード能力を見せていたが、その後の追い切りでも馬なりの坂路4F52秒台は当たり前という追い切りでは抜群の動きを見せるタイプ。しかし、この中間は馬場が重いことが影響し、52秒台どころか55秒を切るのがやっとといったところ。最終追い切りも4F54.9秒でラスト1F13.7秒。一杯に追われての数字だが、馬場を考慮すれば、よく出た時計だろう。ただそもそもが速い時計の追い切りをこなして好調を維持するタイプだけに、完調とはいかないだろうが、1週前にはドナウブルーに大きく先着する動きを見せたので、ある程度の力は発揮できそう。
◆日曜中山11R・中山牝馬S
・ドナウブルー
前走1着後はノーザンFしがらきに放牧へ出されて、帰厩したのは2月11日。その5日後には坂路で時計を出し始めており、空いた間隔を上手に使って調整が進められてきた。1週前追い切りとなる29日の坂路では併せたレッドクラウディアに大きく遅れてしまう形となったが、もともと追い切りでは動き良く見せないタイプ。それを思えば、最終追い切りの坂路4F56.2-1F13.3秒は悪い動きではなかった。坂路調教馬だけに、これまで経験したことのないコーナー4つのレースでどのような走りになるか不安な点はあるものの、状態は前走以上とも思える仕上がりにある。
・イタリアンレッド
2月16日から出している調教時計は最終追い切りを含めて4本。昨年11月以来のレースという間隔を考えれば、非常に少ない調教本数だが、もともと本数は少ない方が好走するタイプ。そのあたりに関しては心配入らないかも知れない。ただ1週前追い切りの時点で併せ馬で遅れていたため、やはり久しぶりの本数不足は減点かと思ったが、最終追いがなかなかパワフルな動き。併せた相手が早々に脱落するところを力強く駆け上がって4F55.5秒。決して速い数字ではないが、馬場状態を考えれば上等。久しぶりだと侮ることはできない仕上がりだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・フィリーズレビュー
・ビウイッチアス
稽古駆けする馬とはいえ、2週連続49秒台をマーク。特に今週は稽古駆けの古馬アルデュールを子供扱いする動きでアッサリ先着。美浦に駆けつけた武豊騎手が余裕の手応えで、スピード感満点の動きを見せた。以前は輸送→馬体減りに不安のあった馬だが、気性面の成長で馬体がしっかりした今なら、まったく心配なし。前走は折り合いを欠いたぶん伸び切れなかったが、ペースが上がれば差し込める。
◆日曜中山11R・中山牝馬S
・エオリアンハープ
前走白富士S6着後は、中6週のレース間隔を取るが、2月8日に坂路で時計を出し始めて以来、計6本の追い切りを消化。いずれも坂路を中心に乗り込んでいたが、1週前追いだけはポリトラックに入って1000万ディアブラスト相手に併せ馬。5Fで7馬身追走から直線では内に併せ、終始余裕十分の内容。5F67.5-3F38.7-1F12.1秒の時計は平凡だったが、ゴール前はキッチリ重心が沈んで文句ない走り。元来がビシビシ追ってくるタイプでなく、この内容で心配なし。得意の中山戦、小回りでも意外と差し脚が台頭可の1800、恵量53キロで一気の差し脚に期待。
◆土曜中山9R・館山特別
・ラッキーバニラ
前走は京都に遠征して11着と惨敗してしまったが、その反動はまったくなく、この中間も絶好調をアピールしている。今週はポリトラックで82.7-67.5-38.2-秒、併せたシビルウォーから4馬身先行する形でスタートしたが、1馬身先着してゴールイン。シビルウォーは稽古駆けする馬ではないが、馬なりのままこの相手に胸を貸す内容は特筆の動き。休養後3戦目で体も締まり、ピークの状態が整っている。無理な競りはない組み合わせ、単騎で行けばしぶとく、前走度外視で改めて狙いたい。
◆土曜阪神10R・うずしおS
・カトルズリップス
前走の初音S。3か月ぶりで+6キロの体重だったが、太くは映らず仕上がりは悪くなかった。ハナを主張しての逃げで道中も自分のペースで走れたが、ゴール前で甘くなりクビ差の2着。1600は1F長いように感じた。今回は中3週の競馬で、1週前に5F68.1-上がり37.0秒。そして直前も5F68.0-上がり38.0秒と終い重視の調教。しかし4肢のさばきが格段に大きくなり前走とは体の切れが違ってきた。ベストの1400で必勝を期す。
◆日曜阪神12R・4歳上1000万下
・スガノメダリスト
前走も後方待機策から直線だけの競馬をしたが、最後はジリジリとしか伸びずに7着止まり。平均ペースで先行型が残る流れとなってしまっては仕方のない結果だった(差した2着馬は終始インを突く好騎乗)。今回は珍しく北Cコースで追い切ったが、仕掛けるとシャープに反応して69.7-54.2-40.2秒をマーク。状態が下がっているということは絶対にない。ここも流れがカギになるが、少しでも前半が速くなれば自慢の末脚を生かせるはず。評価下げは禁物というものだろう。