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競う馬、でも馬自身は…?

  • 2012年03月09日(金) 12時00分
 ジョワドヴィーヴル、負けてしまいましたね〜。最後の直線、前が開いていたにも関わらず、伸びようとしなかったジョワド…。

 考えてみれば、新馬戦・2戦目ともが外をまわってのスムーズな競馬。ジョワドにとって馬群に包まれる競馬は始めてだった点、そして新馬戦を叩かれてからの2戦目の変わり身が大きかったことを考えると、一度叩かれてからの方がいいタイプなのかもしれません。

 実際、担当される山口さんにお聞きしたところ、この一族は基本的にレース当日も大人しい仔が多いのだそう。そしてその中でもこのジョワドは特にオットリさんで、闘争心という面において、あまりガツガツしたところがない様子。

 たぶん馬自身が、競走するということに対して、現時点ではあまり興味がないのかもしれません。とは言え、まだキャリア3戦目でしかも休み明け。1戦目から2戦目のノビシロが大きかったことを考えても、次への変わり身に期待が持てるのではないでしょうか…。

 考えてみれば、馬を競走させたいと思うのは人間。馬自身が、(○○より私の方が強いのよ、それを証明したいわ)と思っているかどうかは、微妙な話。

 馬によっては、サンデーサイレンスのように、隣の馬に噛み付きにいくほど、闘争心を向き出しにするタイプもいますが、全ての馬がそうと限らないですし、馬によっては、並ぶとそのまま一緒に走ろうとするタイプも…。

 競走馬は心身のバランスが大事だと言われますが、その心の部分は、気持ちが乗りすぎていてもダメですし、乗らなさ過ぎてもダメなわけで…。しかも個々の性格もそれぞれなわけで…。改めて考えさせられる部分が、今回の結果から感じました。

 さて一方、グランドオープンをして中京競馬場で行われた中日新聞杯は、スマートギアが勝利し、松山弘平騎手にとっても嬉しい初重賞制覇となりましたぁ。

 今週中、とにかく嬉しそうな笑顔が絶えなかった松山騎手。スマートギアの脚質転換を心がけ、それを実戦した勇気、そしてその中で折り合いもつけての道中の騎乗振り、実に見事でしたぁ。

 そして中山で行われた弥生賞は、同期の柴田大知騎手のコスモオオゾラが勝利。ここ最近の大知君の活躍というのは、力強さを周囲に与えるばかりでなく、彼自身の生き方から、見習うべきことが多くあるようにも感じます。

 つい先日も土曜日の最終レース後、東京競馬場の地下道を黙々と走る大知君の姿が…。苦労をした分、ひと鞍ひと鞍にかける思いの強さを感じるものでした。この積み重ねが、こうした結果を生むのでしょうね。

 それでは皆さん、週末は競馬場でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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