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ダイオライト記念

  • 2012年03月13日(火) 18時00分
ダイオライト記念(3月14日 船橋 サラ4歳以上 定量 jpnII 2400m)

「ダイオライト記念」は平成8年から交流G移行。船橋では「日本テレビ盃」と並ぶ看板レースで、その交流第1回をホクトベガ優勝、以後もアブクマポーロ、カネツフルーヴ、ヴァーミリアン、フリオーソ、錚々たるダート王者が圧倒的な強さ、存在感をみせてきた。不幸な震災があった昨年は、施行時季3月→5月に延期。しかし今思えば“行なわれてよかった…”そんな感慨がやはり浮かぶ。日本競馬史上(ダート部門)、見方一つで最強といってもいいスマートファルコンの圧勝劇。5月2日、Gウィークのまっただ中で場内がにぎわい、同馬と武豊Jに送られた声援、どよめき、ため息、そして拍手、何とも感動的だったとふり返る。いずれにせよ「ダイオライト記念」は、船橋競馬場の“名刺”と呼ぶべき一戦。今年は地元の雄フリオーソ復活、JRA勢の顔ぶれにも満足できる。記者的には、3月14日が“平日”であることが少し惜しい。

(1)…おおむね順当。1人気[6-1-0-3]、2人気[2-3-2-3]、3人気[2-1-4-3]。言い換えれば優勝馬すべて1〜3番人気だった。ただ昨年カキツバタロイヤル(8人気)2着で、馬単8580円。狂い目もある。

(2)…JRA優勢。JRA=6勝、2着9。連対率も含め断然といってよく、以下、船橋=3勝、2着1、東海(笠松)=1勝。東海1勝は16年ミツアキタービン。ただその年はJRA、南関東とも手薄だったことは否めない。

(3)…成長株。4歳=6勝は驚異的な数字だが、今年は同世代なぜか不振で、出走馬自体が今回ない。グレーププランデー、ボレアスはどうしたことか。6歳=2勝、2着3、5歳=1勝、2着4、7歳=1勝、2着2。

(4)…実績重視。最も関連が深いのは川崎記念で、その2着馬は5頭出走し2、2、1、1、4着。GI経験馬がやはり強い。逃げ=4、先行=8、差し=7、追込=1。4コーナー6番手以降からの連対は20年ボンネビルレコード1頭だけ。

※データ推奨馬
◎ワンダーアキュート…東京大賞典、スマートファルコンに鼻差2着は、おそらく後世“歴史的名勝負”になるだろう。ダイオライト記念、JRA6勝すべて関西馬(栗東所属)。鞍上・和田竜二騎手も、19年クーリンガーで2着がある。本来追い込み型だが、今の戦力、状態なら流れに応じて自在。

       ☆       ☆

◎ランフォルセ     56横山典
○ワンダーアキュート   56和田竜
▲フリオーソ      56戸崎
△シビルウォー     56吉田豊
△ピイラニハイウェイ  56川田
△トーセンルーチェ   56張田
△スターシップ     56石崎駿
 タートルベイ     56酒井

 絞り込めば◎○▲、3頭の勝負とみた。格とホームの利でフリオーソ、ここ一連のGI実績でワンダーアキュート、勢いと素質でランフォルセ。 ただ、シビルウォー、ピイラニハイウェイら伏兵陣も決定的な能力差はなく(しかも大半が自在型)、道中緊張感のある流れが予想される。どれが勝つにしても最後は接戦。人気も微妙に割れそうだ。

 ◎ランフォルセは、前走川崎記念時から次走の狙いと決めていた。当時放牧明け3か月半ぶり20kg増。多分に余裕残し(いわゆる立派すぎる)の馬体ながら、いざレース内容は素晴らしかった。スタートひと息をスムーズに巻き返し好位追走。直線GOサインとともにフリオーソを並ぶところなく捕えてみせた。怪物スマートファルコンには離されたものの、自身も大レコードといえる二千百2分11秒5(一昨年ヴァーミリアン=12秒7)。6歳馬ながらキャリア20戦(8勝)だけに、さらにパワーアップが期待できる。対ワンダーアキュートも、昨春「東海S=千九百」、3/4馬身差2着からはまだ勝負付けが終わっていない。中〜長距離適性、フレッシュさが大きな魅力だ。

 そのワンダーアキュートは、前述通り東京大賞典でファルコンと鼻差接戦。その前JCダートもトランセンドの2着だから、すでに堂々たる横綱級といえるだろう。今回二千四百も守備範囲。あえて死角を探せば、GI連戦(3か月間に3戦消化)のステップだが、現実に前走フェブラリーSなど12kg増。心身とも以前とは見違えるほど逞しい。フリオーソの場合、前走長休明け3着は確かに貫禄と底力。ただ昇り目となるとさすがに疑問で、過去このレース2勝時とは相手のレベルもかなり違う。同馬のベスト。さまざま戦歴をふり返って、記者個人的には千八〜二千とイメージしている。

 以下△をつけた4頭は、3着候補と考えた。最も無難にみえるのは末脚堅実シビルウォーだが、戦力自体平行線のうらみがあり、ソコソコ人気になっては妙味が薄い。佐賀記念レコード勝ちのピイラニハイウェイも当時インを捌いた鞍上の好騎乗。さらに距離延長、力勝負になってはたしてどうか。それなら地方勢トーセンルーチェ、スターシップ。中でも前者は前走大井「金盃」を、これまでにない鋭さで勝ち切った。父マリエンバードで、半兄フリオーソよりスタミナ色が濃いタイプ。流れに乗れれば善戦も浮かぶ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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