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芝中距離タイプの好配合馬オリオンザレヴリ

  • 2012年03月14日(水) 12時00分
【2歳】
●オリオンザペガサス(牡 美浦・小桧山悟 父メイショウサムソン、母フジノツヨシ)
 父メイショウサムソンは皐月賞(GI)、ダービー(GI)、天皇賞・春(GI)、天皇賞・秋(GI)など6つの重賞を制した名馬。今年の夏に初年度産駒がデビューする。同じオペラハウス産駒の名馬テイエムオペラオーが種牡馬としてイマイチだったので警戒する向きもあるが、社台スタリオンステーションに繋養され、初年度産駒69頭のうち25頭が社台系の牧場で生産されており、社台系のバックアップがなかったテイエムオペラオーに比べるとかなり恵まれた環境にある。メイショウサムソンの母の父はダンシングブレーヴで、これがサンデーサイレンスの父ヘイローと相性がいいため、この結びつきでどれだけ走る馬を出せるかがカギだろう。本馬は母の父がサンデー産駒のタヤスツヨシなのでこの組み合わせを持っている。パワーが感じられる配合なのでダート向きの可能性もある。

●オリオンザレヴリ(牡 美浦・小桧山悟 父マンハッタンカフェ、母レヴリ)
 母レヴリは芝短距離路線で地道に走った馬で、最終的には準OPまで出世し、重賞にも出走した。母はDrone≒Sir Ivor 4×4で、これにHalo系のマンハッタンカフェを掛けているため、自身はHalo≒Drone≒Sir Ivor 3×5・5という配合。生産者が川上牧場(川上悦夫氏)なので狙った配合だろう。母はまたNorthern Dancer 4×4でもあり、父マンハッタンカフェが“Northern Dancer の強いクロスを持った牝馬”と好相性を示しているので、この点でも好ましい。芝向きの中距離タイプ。

【3歳】
●ヴァンセンヌ(牡 栗東・松永幹夫 父ディープインパクト、母フラワーパーク)
 母フラワーパークは高松宮記念(GI)、スプリンターズS(GI)を制し、JRA賞最優秀短距離馬に選ばれた快速馬。繁殖牝馬としては毎日杯(GIII)4着のフィレンツェ(父サンデーサイレンス)、マーガレットS(OP)を勝ったクリアンサス(父Redoute's Choice)などを出している。本馬は馬体重が500キロ前後とディープインパクト産駒としてはかなり大型。ディープインパクトはスプリンター牝馬と相性が良好なので、最優秀短距離馬に選ばれた母は血脈としての相性以前に好ましい。母はHyperionが豊富で、自身はHypericum≒Aureole 6×6を持つ。スピードに加えてこの底力が伝わっているようならおもしろい。

●テーオーヴィーナス(牝 栗東・笹田和秀 父ディープインパクト、母シルクチャプター)
 母シルクチャプターはアフリート産駒で、現役時代はダートのみで走り10戦3勝の成績を残した。母方にCaerleonが入る形はディープインパクト産駒の成功パターンで、これまでにジョワドヴィーヴル、ボレアス、トーセンレーヴ、パララサルー、ダノンシャーク、マウントシャスタなどが出ている。父はまたVaguely Nobleとも相性がよく、CaerleonとVaguely Nobleを併せ持つ形はボレアスとマウントシャスタの兄弟と同じ。ダート向きの中距離タイプだろう。

●ミッキーチャド(牡 美浦・藤沢和雄 父ネオユニヴァース、母レディオブチャド)
 母レディオブチャドはフランスで走り、マルセルブサック賞(G1)、アスタルテ賞(G2)、グロット賞(G3)を制した名牝。繁殖牝馬としはジュエルオブナイル(父デュランダル/小倉2歳S)、アフリカンビート(父サンデーサイレンス/準OP)、ボーダレスワールド(父ダンスインザダーク/準OP)などを送り出している。ダンスインザダークを付けてもスピードタイプを出すほどスピード値の高い繁殖牝馬なので、やや鈍重なところのあるネオユニヴァースを交配しても重すぎるということはない。芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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