スプリングS、阪神大賞典、ファルコンS、フラワーC追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山11R・スプリングS
・ディープブリランテ
前走共同通信杯は休養明けで調教本数が不足。「それでも結果を出してくれると思っていた」というのは矢作芳人調教師のレース後のコメントだが、負けこそしたものの、引っ掛かって逃げたレースで2着は確保しているのだから、個人的にはあらためて能力の高さに脱帽させられた。今回も短期放牧を挟んでいるが、調教量がまったく違う。坂路とCWを併用してしっかり本数乗られており、最終追い切りは初めてCWで行われた。先行するショウナンラムジに内から並びかけると直線は突き放す一方。追われてぐんぐん伸びる様子には惚れ惚れした。6F85.3秒は馬場状態を考えると遅いが、ラスト1F12.2秒の伸びなら問題なし。今回はしっかりと結果を出してくれるだろう。
◆日曜阪神11R・阪神大賞典
・オルフェーヴル
2月24日のノーザンFしがらきから帰厩し、26日には坂路4F58.0秒をマーク。当時は馬場の重い状態だったので、帰厩最初の時計としては速い部類の数字だった。そこから調教を積み重ねて、最終追いを含めて8本。3か月ぶりのレースとしては十分な調教本数をこなしている。そのあたりは最終追い切りの動きにも表れている。先行していたダノンウィスラーの脚色がラスト1F手前で怪しくなると一気に抜き去って大きく先着。とにかく力強いフットワークが目についたが、それ以上に坂路4F50.7秒が強烈。この日の一番時計であり、自己ベスト。仕上がっていなければ、この時計が出ることはないだろう。
・ヒルノダムール
最終追い切りの坂路で併せ馬遅れという、これまでの最終追いでは見せたことのない動きだった前走京都記念は3着。個人的にはやはり良化途上、そんなイメージとレース結果が連動したと考えている。それに比べて今回は内容が充実。最終追い切りを含めて、3度行われた併せ馬ではすべて先着を見せている。特に最終追いはCWで前走遅れた相手オーシャンフリートを追走してのものだったが、一瞬にして抜き去る瞬発力。6F82.2〜1F12.5秒とラップのバランスもよく、仕上がりはほぼ100%に近付いているように思えるだけに、そのレース内容には期待してみたい。
◆土曜中京11R・ファルコンS
・トウケイヘイロー
シンザン記念4着以来ということで中9週。間隔の割には調教が4本というのは本数的に少し物足りない。ただ同じような調教本数だった朝日杯FSが見せ場十分のレース内容だっただけに、この馬にとって本数はさほど重要ではないかも知れない。それよりも気になるのが最終追い切りの動き。今週の栗東CWは決して時計の出にくい状態ではなかったが、それでも6F81.5秒は速い部類。全体はいいのだが、ラスト1F13.8秒は決して褒められた数字ではない。最後は脚が上がらない感じでフィニッシュしており、これではレースで好走するイメージが沸かない。
◆土曜中山11R・フラワーC
・メイショウスザンナ
ここ2戦は中山、東京への長距離輸送が続いているが、調教を緩めることなく馬体重を440キロ台でキープ。このあたりが前走牡馬相手に逃げ切りを決めたポテンシャルの高さなのだろう。しかし中3週の今回は調教内容に少し不満な点がある。前走、前々走となかったプール調整が復活しており、その分、中間の調教本数が少ない。最終追い切りはいつも通りCWでしっかりと追われたが、2走続けて遠征した影響がここにきて出たような調教内容となっている。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・スプリングS
・マイネルロブスト
1週前追いで武豊騎手が跨り、実戦さながらの4頭併せを消化しているため、14日の最終追いは単走で抑えた内容に終始。5Fからスピードを上げたが、折り合いもしっかりつけて最後まで余力十分の脚どり。5F68.8-3F38.4秒と時計は平凡でも、最後まで素軽い走りは好仕上がりを裏付ける証。GI・GIIIと2着続きで、惜しいチャンスを逃しているが、逆に安定味に関しては再上位の存在確か。差し脚質不向きの中山戦も苦にせず、内回り1800m戦も心配なし。残り1Fで馬群を上手くさばければビッグチャンス。
◆土曜中山9R・鎌ケ谷特別
・ダイヤモンドアスク
前走は果敢に格上に挑戦したが、東京特有のスローペース(おまけに出遅れて再後方からの追走)にはまってしまい、手も足も出ずにしんがり負け。しかし、メンバー最速の上がりをマークして、勝ち馬とはコンマ6秒差。まったくの力負けという内容ではなかった。今回は良績を残す右回りの中山に加えて、距離延長(1600m→1800m)も大きなプラス。自己条件なら変わって当然だろう。スタートを決めて、前半スムーズに流れに乗れるようなら、チャンスは十分にある。
・ラークキャロル
東京開催を見送り、全3勝を挙げているこの中山開催まで待機。先週使う予定もあったが、1週延ばして万全の態勢を整えてきた。今週はダートコースで67.5-38.6秒。馬場の外々を回り、直線は目一杯に追われてきたが、最後まで脚どりが乱れることなくゴールイン。410キロ台の小柄馬だが、体をふっくら見せ、好気配をアピールしている。追い込み一手で展開に左右されるが、今回はマクリも打てる少頭数。人気は落ちているが、好走しても不思議のない条件が整っている。
◆日曜中山9R・汐留特別
・ハングリージャック
前走の1000万下。サッと好位につけて少しでも馬場のいい外目に出す。しかし、4角から追い上げ態勢に入ったもののバランスをくずした走りで大きく失速。道悪はカラッ下手で参考外のレース。今回の追い切りは500万のアサクサポイントを5Fから1.3秒追走して69.1-上がり39.4秒。全体の時計は速いとはいえないが、ゴール前ビシッと追うと鋭く反応。気性の難しさを出して遊ぶことがないように集中力を鍛えての出走だ。
◆日曜中山8R・下総S
・トウカイライフ
かかる気性で、稽古駆けするタイプだが、スピード感ある動きが目立っている。馬体減りしなくなり続けて使えるのが好材料で、ようやく本格化してきた感がある。前走で鋭い決め手を見せたように、渋った脚抜きのいいダートで持ち味が生きる馬。今週も土曜が雨予報で、同馬向きの馬場になりそうだ。状態面がよくなった今なら、ここに入っても通用する能力を持った馬。穴の可能性十分。