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大阪杯、ダービー卿CT追い切り診断

  • 2012年03月29日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・大阪杯
・トーセンジョーダン
 ノーザンFしがらきから帰厩したのが3月9日。その翌々日に坂路で15-15をこなしているように、休養したとはいえ動ける態勢で戻ってきているのだろう。ただ全体的な調教量を見ても、やっぱり休み明けというのが正直な印象。最終追い切りも含めて7本の調教は決して少なくないが、1週前追い切りのもたついた動きを見てもまだまだ本領発揮というわけではない。最終追い切りはCWでリルダヴァルを追走したが、追いつくのがやっとという感じ。気合が乗ってキビキビした動きが好結果に繋がるタイプだけに、少し割り引いて考えるべきだろう。

・アーネストリー
 体調不良で京都記念を見送り、このレースに目標を定め直してからは順調に調整されており、使わなかったということに対するマイナスはさほどないように思う。ただ間隔が空いたことで、調教の質が心配になるところ。ウッドチップ馬場の悪い時期ということもあったが、この中間の追い切りで坂路1F13秒を切った時計は1本もない。かといって全体の時計が速いわけではなく、1週前追い切りも4F53秒がやっと。最終追い切りはラスト2F地点で加速し、このまま終いまで鋭い伸びを見せるかと思ったが、ゴール100m手前で脚色は衰え、1F13.3秒を要した。昨年宝塚記念時に程遠い状態であるのはもちろんだが、昨年の金鯱賞よりもパフォーマンスが落ちる可能性もある。

・ローズキングダム
 昨秋4戦目の有馬記念は8キロ減の馬体重で余力のない状態。12着も原因がはっきりしているだけに、橋口弘次郎調教師も休養してからの復帰に期待していた。そして思惑通り、馬体重は戻ってきた今回。それだけに調教もしっかりと行われている。3月に入ってから時計を出し始め、最終追い切りを含めて8本。休養明けとしては十分な調教本数を積めた。最終追い切りはラスト1F13.4秒掛かってしまったが「テンから速いラップだったので仕方ない」と気にしていない様子。実際、ラスト1Fで時計の掛かった京都大賞典は鮮やかな勝利を挙げているだけに、その点は心配ない。

◆日曜中山11R・ダービー卿CT
・ミッキードリーム
 前走大阪城S後、すぐにこのレースを目標に定めて調整されたこの中間。その割には時計を出したのは1週前の3月21日だったので、そのあたりは気になる。最終追い切りは坂路でヒーローとの併せ馬。相手は攻め駆けするだけに、どこまで食い下がる動きを見せるか注目していたが、ラスト1Fでは完全に相手優勢。4F53.8-1F13.0秒は決して悪い数字ではないが、朝日CCを勝った時が4F53.7-1F12.5秒だったことを考えれば、終いの動きは物足りない。昨年は6月から連勝街道を走ったように、暖かくなって調子を上げるタイプではないだろうか。

・ベルシャザール
 菊花賞以来のレースになるが、栗東へ帰厩したのは3月8日。しかも放牧先ではDDSPの手術を行われ、社台F山元トレセンで調教を積んだという経緯。通常の休養明けよりは割り引いて考えたほうがよいと思っていた。しかし中間の追い切り内容を見ると、決して割引だけではなさそう。坂路での併せ馬では常に先着する前向きさを見せており、最終追い切りでも追走したスマートロビンに先着してみせた。調教の動きを見る限りは問題ないが、中間にトラック(CW)で時計を出していないというのは気になるところ。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・ダービー卿CT
・アプリコットフィズ
 前走は、絶好の手応えで弾けそうな手応えから、終いは意外と伸び切れずという内容。久々、道悪、距離と、いろいろな敗因が考えられるが、同馬にしてはフックラした馬体で、次回への期待を思わせた。稽古駆けタイプとはいえ、今週も動き、気合乗りは文句なし。距離短縮と馬場回復が何よりの好材料で、輸送による極端な馬体減りさえなければ、間違いなく好勝負できる。

・ガルボ
 28日の最終追いはポリトラックに入って単走追い。5Fから巧く折り合いがつき、馬場の大外9分どころを回って、ラスト1Fだけビシッと追い切った。前半ややペースを落としただけに5F65.1-3F37.1秒と時計自体は平凡だったが、1Fを強めに追うと一気に末脚を伸ばし11.5秒と抜群の切れ味。いくら速い時計が出やすいポリトラックの馬場とはいえ、11.5秒で駆け抜ける馬はそういない。この辺りか今のデキの良さを示す走りで昨暮から使い詰めの反動はまったく見られない。ハンデ57.5キロは厳しい感もあるが、ベストの1600戦。力が要る今の馬場も向くはずで、早めに抜け出す策がハマりそうだ。

◆日曜中山10R・伏竜S
・アメリカンウィナー
 ダートに路線を変えて本領を発揮。稽古の動きも一戦ごとに良くなり、グングンと力をつけている。今週はポリトラックで66.8-37.1秒。2馬身先行させたアセントが目一杯に追っているの横目に、軽く気合をつけると、後は馬に任せて楽々と併入。追えば間違いなく突き放せた勢いで、鋭さ満点の走りっぷりだった。稍重馬場で千通過65.3秒と超のつくスローペースを差し切った前走は、着差以上の圧勝劇。状態はさらに良化、オープン戦でも力の違いを見せてくる。

◆土曜中山10R・千葉日報杯
・マイネルグート
 前走の館山特別。得意の渋った馬場でチャンスと思われたが、4角で前が詰まってブレーキをかける不利。そこからもう一度盛り返していただけに不完全燃焼のレース。この中間はレース後、中1週で5F66.6-上がり37.7秒を計示したようにハードに攻め、そして直前の追い切りは終いの反応を確かめるように5F67.7-上がり36.6秒。ゴール前で仕掛けた前走時と違い、今回は凄い手応えで最後の1Fを12.3秒で弾けた。今週も土曜日は雨予報。56キロのハンデで狙い目。

◆土曜中山12R・4歳上1000万下
・エアイグアス
 ここ2戦が案外の結果だったが、もともとがモマれ弱い単調な先行馬。やはリハナを奪えなければ能力を出し切れない。ということで、今回はあえて2400mに距離を延ばして、何が何でも逃げる作戦。この長丁場なら前半競りかけてくる馬もいないはずで、久々に自分の型に持ち込めそうだ。スタミナはあるので、変にペースを落とさずに、後続になし崩しに脚を使わせる戦法で結果を求めたい。

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