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大阪杯はここを突け!

  • 2012年03月30日(金) 20時00分
 まさに、古馬の王道。GIをにらむ超一流馬、一流馬が集結する舞台だ。ポイントは2000mという距離である。天皇賞・春に照準を定める馬がいれば、中距離路線に的を絞ったタイプも挑む。しかもこの仁川の10F戦は、スタンダードなようで、懐が深い。これが、この一戦を難解にさせている理由だろう。

 内回りで、コーナーが4つ。こう記せば単に前残りが多い、イージーなコースに映る。ところが実際は違う。同じ距離でいえば、中山のそれより切れ味が要求される。京都のように直線入り口のリードがアドバンテージを握る、ということもない。瞬発力勝負型より、スピード持続型に有利な形態であることは、間違いない。ただ逃走して押し切るには、少々骨が折れる。08年の覇者・ダイワスカーレットのように、相当な地力が必要だ。

 前記したように様々な路線の猛者が集結する。各馬の血統もバラエティに富む。それが根底にあることで、レース展開も読みにくい。差し・追い込み型の活躍が目を引くのは、その証明だろう。例年おおむね、上がり3F35秒台前半の決着が多い。明らかに地力上位の先行タイプがいない限り、緩みのない、平均ラップでのぶつかり合いが主流。イメージとしては、スピードとスタミナのバランスがいいタイプをお薦めしたい。

 フェデラリストに期待してみたくなるのは、自然な流れといっていい。前記したレースの特性への対応力を持っており、競走馬としての器が大きい。東京の上がり勝負でもきれいな反応を見せ、中山での持続力比べにもへこたれない。4連勝すべての色合いが違い、それぞれで輝いている。型にはまった強さで戦う強豪が多い現在の競馬においては、異色の存在だろう。型を持たない強さは、レースのクラスが上がるごとに磨かれている。張りのあるボディは光沢を放ち、さらなる体調アップを伝えてくる。母系の切れと、父系の力強さ。血の背景も確かなら、勢いだけではないことがわかる。中心として考えるのが妥当だ。

 対抗格として着目すべき存在がいる。メイショウカンパク。地味だが、地力の強化は著しい。実戦を使われることで、ボルテージを高めていくタイプ。11着という前走の着順にこだわる必要はない。むしろ、内容は久々としては上々だろう。発馬でやや立ち遅れ、外々を回る形。直線も大外を、大きなストライドで差を詰めた。ゴール板を通過する瞬間の、勢いの良さ。あのスピードこそ、今回につながるものと考えている。

 ナカヤマナイトは海外の経験を糧に、急浮上。折り合い面に進境を見せており、自己を抑える術も身につけつつある。ステイゴールド産駒が得意とする、阪神の2000m芝コース。さらに最内枠をゲットしたことで、流れにも乗りやすい。晩成型なのだろう。今年は一気の飛躍が望める。

 ジャングルポケットの産駒らしく、背中と腰に疲労が蓄積しやすいトーセンジョーダン。昨秋の激闘を考慮すれば、今回は相当にリフレッシュしているだろう。ペースに応じて、ポジショニングの融通も利く。あとは、シーズントップで58kg。良化途上という現状で最後のひと伸びがあるか否か。それに尽きる。

 気難しい半面、集中したときのナリタクリスタルを侮ってはいけない。前走は休み明けに加えて、気持ちの入り方もいまひとつ。直線も厳しい態勢を強いられたが、伸びている。実戦を使われることで、心身ともに高まっていくのが持ち味。距離、舞台設定はいずれも合う。

 競馬の幅が広がり、安定してきたダンツホウテイ。チークピーシーズを装着した効果も大きい。ここ2戦は全くことなるコース設定で、スピードを持続している。メンバーはかなり強化されるが、自身の上昇度も相当なもの。追い比べになれば、上位勢と互角の戦いも可能だ。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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