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デビューすればトントン拍子の出世が可能サーストンリンク

  • 2012年04月04日(水) 12時00分
【2歳】
●ブルーキューピット(牡 栗東・武宏平 父ネオユニヴァース、母オギブルービーナス)
 半兄ブルーショットガン(父サクラバクシンオー)は阪急杯(GIII)の勝ち馬。父がサクラバクシンオーからネオユニヴァースに替わったので同じようなスピードタイプは期待できないが、「ネオユニ×スーパークリーク」という組み合わせは重厚なヨーロッパ血脈を細かく継続した配合なので、中距離のダート戦でいいものを見せる可能性がある。素軽さがあれば芝でもやれる。

●ユキノレイア(牝 美浦・和田正道 父フサイチホウオー、母ユキノレイコ)
 07年の日本ダービーで1番人気に推されたフサイチホウオーが早くも産駒をデビューさせる。全妹にトールポピー(07年阪神JF-GI、08年オークス-GI)、アヴェンチュラ(11年秋華賞-GI)がおり、配合的にもよくできているので、スピード面に問題がなければおもしろい存在になりそうだ。本馬は2代母の父にMr.Prospectorを抱えているので好感が持てる。フサイチホウオーの2代母ムーンインディゴはTom Fool 4×3で、本馬の母の父ラムタラにはこれとニックスの関係にあるFlaming Page、Red God を抱えているのでおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

【3歳】
●ガスライト(牝 美浦・勢司和浩 父アグネスタキオン、母ナムラバーグマン)
 父アグネスタキオンは素軽いスピードと切れ味に恵まれたサンデー系らしい特徴を備えている。やや線の細いところがあるので母方に重厚なヨーロッパ血統を持ってくる配合が合っており、本馬は2代母の父が Ribot 系のダービー馬バンブーアトラスなので好ましい。バンブーアトラスの父ジムフレンチはHail to Reasonの母の父Blue Swordsの近親で、本馬にはBlue Swords=Bluehaze 6×6という全きょうだいクロスが生じる。これはダンスインザダーク、ダンスパートナー、ダンスインザムードの3きょうだいと同じパターン。また、「アグネスタキオン×バンブーアトラス」といえばホッコータキオン(08年デイリー杯2歳S-GII・2着)が出ているのも心強い。芝向きのマイラー。

●サーストンリンク(牡 美浦・戸田博文 父スペシャルウィーク、母シアトルスペシャル)
 全兄アドマイヤバーラムは現4戦2勝。体質が弱く順調に使えない弱みはあるが、雄大で垢抜けた馬体を誇り、1年の長期休養明けをものともせず勝ったところに非凡な素質がうかがえる。母方にSeattle Slewを持つスペシャルウィーク産駒といえばリーチザクラウンと同じ。筋力量が豊富なNureyevが母の父に入り、優れた馬格を伝えるNijinskyのクロスを持つなど、父の長所であるフィジカル面を十分に活かした配合構成。仕上がりは遅れたがデビューを果たせばトントン拍子に出世可能。

●ゼロディフェクト(牝 美浦・本間忍 父サクラバクシンオー、母コリンシアン)
 「母の父スペシャルウィーク」は総じて素軽さに乏しく、鈍重さを伝えるところが見られるので、父方からスピードを補う配合が必須。本馬の父はサクラバクシンオーなので悪くない。バクシンオーはNijinskyを含んだ繁殖牝馬と相性良好。スペシャルウィークの母の父はマルゼンスキー(その父Nijinsky)なのでセオリーどおりだ、「サクラバクシンオー×スペシャルウィーク」の組み合わせはまだ2例しかないが、3月の中山新馬戦(ダ1200m)でナムラハヤテが快勝しているので相性は上々だろう。芝・ダート兼用のスピードタイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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