『結果も父似であれ、ワールドエース』
池江師にとってワールドエースの父・ディープインパクトはやはり“特別な馬”だ。

ディープインパクト・菊花賞優勝時
「ディープインパクトは父が手掛けた馬ですし、僕自身もよく見てきましたからね。ディープのように4コーナーをまわってくるときに『あ、勝ったかな』と思わせる馬はそうそう現れないでしょう」
そのディープインパクトと似ていると評価されるのがこのワールドエース。
「ディープインパクト産駒らしく手足が軽い。走るフォームも似ているし、抜け出すときの足も速い」とベタ誉めだ。
父・ディープインパクトは3歳12月19日の新馬戦を勝ったあと、1月22日の若駒S、3月6日の弥生賞を連勝し4月17日の皐月賞へ駒を進めた。初GIまでにステップは3戦。レース間隔はいずれも1か月以上あけるなど、ゆったりとしたローテーションで駒を進めた。

父似のワールドエース
ワールドエースも父ほどではないが、12月17日の新馬戦を勝ったあと、1月21日の若駒S(2着)、2月5日のきさらぎ賞(1着)、3月17日の若葉S(1着)と比較的余裕を持ったローテーションを組まれている。きさらぎ賞優勝のあとは皐月賞直行の可能性もあったが、あえて「折り合いについて確かめたい部分がある」ために若葉Sに参戦した。
「皐月賞と似ているコーナー4つのコースで上手に競馬ができるか」という課題を課したのだ。その結果は周知のとおり。この課題は無事クリアしたが、ゲートで潜ろうとして新たな問題が露呈した。だが、これについて池江師はあまり悲観していない。
「ゲートの練習はこの中間、何度か行っています。先日(4月4日)は福永くんにも確認してもらいました」

目指すは「日本ダービー」
皐月賞の当週にゲート練習を行うか、については「未定」としながらも「あまり(練習を)やりすぎるのもよくないと思います。やりすぎて変なクセがつく可能性もありますからね」と、積極的にはゲート練習は行わない構えだ。
池江師は管理馬に対して常に大きな目標を掲げて調整することで知られている。三冠馬オルフェーヴルにとっての大目標は周知のとおり「凱旋門賞制覇」だが、ワールドエースにとってのそれは「日本ダービー」だ。池江師は現状のワールドエースに対して「まだまだ幼くて、自由奔放なところがある」と辛い評価をつけているが、一方で日頃から「学習能力の高い馬」とも話している。父似のワールドエースなら、初GIという新たな課題もポンポンとクリアしてくれるのではないか。