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桜花賞パドック回顧、ディープの中の馬場適性

  • 2012年04月10日(火) 18時00分
 先週の桜花賞はディープインパクト産駒がワンツーを決め、1番人気を背負ったディープ産駒のジョワドヴィーヴルが敗れました。この差の大部分は馬場適性の差でしょう。この日も朝から時計の掛かる馬場状態。ただし、ディープ産駒が全滅というような極端な馬場ではありませんでした。しかし、ジョワドヴィーヴルのように軽さで走るタイプは、馬場状態が良い時には凄まじいパフォーマンスを発揮しますが、逆に悪い時には全く駄目だったりします。

 勝ったジェンティルドンナや2着のヴィルシーナのような馬は、ディープインパクト産駒にしては筋肉にボリューム感と強さがあります。逆にジョワドヴィーヴルのように軽さで走るタイプは非力にも映るくらいの造りで、飛節やツナギに緩さがあります。このようなディープインパクト産駒の中の微調整ができるようになれば、これからのディープインパクト産駒が多くなってくる時代には大きなアドバンテージが獲れるでしょう。

 では、主な馬のパドックプレイバックです。

 1着のジェンティルドンナは前走時が全く駄目な状態でしたが、今回は目論見通り良化してきていました。ただ、パドックではトモの辺りに少し寂しさを感じました。返し馬に行くと後肢の引き付けがしっかりしていて、その不安は無さそうでしたが、今後この辺りがしっかりしてくれば更なるパフォーマンスを見せてくれると思います。

 2着のヴィルシーナは久々に見ましたが、背丈が伸びた印象で、筋肉の張りも素晴らしくなっていました。造り的にはオークスの方が向いていそうで、そちらでは逆転まで十分ありそうです。

 3着のアイムユアーズはいつも良く見せない馬ですが、縦の比較で良くなっていたので、今回は拾い損ねませんでした。無駄の無い造りで3歳牝馬同士なら距離もこなせるかもしれませんが、ピッチ走法なのでマイルから2400mに距離が延びて良いことは無さそうです。ベストは1400mくらいですね。

 4着のサウンドオブハートはもう少し造れる感じでしたが、馬っぷりの良さは目立ちました。ビシッとやってくれば次も怖いと思います。

 5着のメイショウスザンナは思ったよりも走った印象です。自分の力分はキッチリと走れる馬なので、次回も注意は必要です。

 6着のジョワドヴィーヴルは、少しトモに甘さを感じました。ただ、総合点でいくと好素材で、今回の敗因は馬場に求めたいところです。返し馬でも、レベルの高いフットワークを見せながらも、首を下げて変な格好で走っていました。前走時でも同じだったように、このような走りの時は駄目なのかも。距離は延びても問題ないですし、次は時計が早い良い馬場状態なら期待したいと思います。

 9着のパララサルーはパドックでは平凡でしたが、返し馬に行くと素晴らしいフットワークを見せました。造り的にも距離延長はプラスで、オークスでは警戒が必要だと思います。

 10着のサンシャインは大分良くなっていましたが、直線で不利を受けました。1200m〜マイルくらいなら巻き返します。

 15着に敗れたエピセアロームは大分良くなっていましたし、返し馬のフットワークも良い頃の感じに戻っていました。レースでもスムーズで勝ったかと思いましたが、直線で前をカットされてしまったのが痛かったです。飛びが大きいだけにああいう不利を受けると厳しいですね。もっとやれる馬ですし、巻き返しを期待したいと思います。

【次走の注目馬】
ナガラオリオン
出遅れて競馬にならず。京都の馬場の方が合うし、京都で巻き返しを期待。

エアラーテル
今回は太め残りで距離も少し長かった。1400mなら勝てる。

オウケンサクラ
大分良い頃の感じに戻っていた。マイルから2000mくらいで一発ある。

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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

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