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皐月賞、アンタレスS追い切り診断

  • 2012年04月12日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山11R・皐月賞
・グランデッツァ
 休養明けで少し本数不足と思ったスプリングSが強いレースぶりでの勝利。あらためて素質の高さを感じさせる結果となった。この中間は順当に調教量を強化。その効果なのか、1週前追い切りのCWでは重い馬場を楽な手応えで駆け抜けて6F83.2秒。トラック馬場でこれだけの動きが出来たことには正直驚いた。そして最終追い切り。坂路だったが、併せたメトロファルコンの脚色が衰えるのと対照的に持ったままで豪快なフットワーク。追われることなく楽に先着しており、その動きはとにかく文句のつけようがない。あえて心配するなら、激流のG1で一杯に追って仕上げられていない点だけだろう。

・ワールドエース
 中5週だった若葉Sは坂路オンリーでの仕上げだったが、後方から一気に差し切る強いレース内容。立ち回りの巧さというよりはパワーで捻じ伏せた感じ。今回も前走時同様、坂路での調教になっている。1週前の動きは決して目立ったものではなかったが、今週のジャポニズムとの併せ馬では終始手応えが優勢。鞍上が追い出すような格好をすると、しっかり反応してラスト2Fは12.7-12.7秒のラップ。このラップの踏み方も前走時と同じなので、仕上がりに関しては全く問題なし。あとは強い相手に前走のような捻じ伏せる競馬ができるかどうかだけ。

・ゴールドシップ
 前走共同通信杯で初重賞制覇。その後は短期間放牧に出されて、すぐに栗東へ帰厩。2月下旬から坂路で時計を出し始めて、その間、緩められることなく、しっかりと調教が積まれている。1週前追い切りはD芝でジャスタウェイとの併せ馬。追われてからの反応も良く、久しぶりという印象はまったくなかった。そして最終追い切り。坂路でシルクシュナイダーとの併せ馬だったが、その動きは機敏。4F55.3秒は決して速くないが、ラスト2F25.3-1F12.5秒はゴールに向かって加速するラップを踏めており、その迫力は抜群。間隔が空いたとはいえ、十分前走と同じ力は発揮できるだろう。

・ディープブリランテ
 デビューから4戦目にして初めて最終追い切りをCWで敢行。その効果もあってか、コーナー4つの中山芝1800mをうまく立ち回り、完全に勝ちパターンのレースができた。あの内容を評価すれば、最終追いCWというのは好走パターンと見ていいかも知れない。今回は中間を坂路でじっくりと調整。1週前追い切りは馬場が悪かったこともあり、坂路4F56.8秒だったが、決して悪い内容ではなかった。そして最終追い切り。前走と同じCWで行われ、先行するアルユニバースを追走する形。直線で仕掛けられると即座に反応して3馬身の先着。6F84.6-1F12.3秒と時計が悪くないのはもちろんだが、なにより道中折り合って走れていた点が優秀。前走を使って、さらにガス抜きができたような印象すらあるだけに、ここ2走で評価を落とすわけにはいかない。

◆土曜阪神11R・アンタレスS
・ゴルトブリッツ
 中5週とそれほど間隔が空いたわけではないが、入念に乗り込まれたこの中間。レース10日後には坂路で15-15程度の時計を出しており、このレースへ向けての調整には意欲を感じる。最終追い切りはCWで単走となったが、馬場が重いところをなんとか我慢しながらの伸び。6F85.2-1F13.1秒と時計が遅くなったのは仕方ないところだろう。バランスを崩さずに走れていた点を評価したい。ただ気になるのは1週前追い切りの時計がない点。同じパターンでみやこSを凡走した過去の履歴があるだけに、それだけが気になる。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・皐月賞
・マイネルロブスト
 4日の1週前追いが出色の動き。そして、時計を出しているためか、11日の最終追い切りはいつも通りWコースに入って単走追い。5Fから徐々にペースを上げ、折り合い面の不安もまったく見せず直線へ。馬場の真ん中を通り、最後まで手綱を絞ったままでゴールイン。5F67.7-3F38.5-1F12.7秒を余力残しで走り抜けることは当初の予定していた稽古内容とピタリ。中間から落ち着き具合も素晴らしく、デビュー以来一番のデキは確か。前走は直線へ向くまで手応え良くきていたが、坂下で前が壁になり外へ持ち出したらノメってしまい競馬にならなかっただけに度外視。大混戦は必至で、今の馬場コンディションから時計がかかる一戦となるだけに、坂上からひと伸びするタイプの同馬に絶好の条件。ベストの距離で大金星に期待。

◆日曜阪神11R・淀屋橋S
・ダイメイザクラ
 除外で間隔があいたが、その分入念な乗り込み。毎週、唸るような勢いで迫力ある動きを連発。馬体がしっかりして、状態面は目下絶好調と思える。以前のモマれ弱さがなくなり、馬群に入れるようになって成績が安定。相手なりに走れるタイプで、格上戦でもいきなり通用しそうだ。中京への輸送をこなしたように、阪神でも大きな馬体減りはなさそう。今回は穴の魅力十分だ。

◆日曜福島11R・奥の細道特別
・シンボリボルドー
 前々走の中京プロローグCは、輸送もあって-10キロの馬体。それでも好位からと積極的なレースで3着。そして馬体が戻った前走の安房特別は後方で脚をタメ、直線は長く脚を使い2着。苦手と思われていた坂を克服しての好走は本格化を思わせた内容。今回の調教は中2週の輸送競馬で5F68.4-上がり39.3秒とセーブしたが、馬体のハリ、気合いともにピークを感じさせるほどの動きを見せた。平坦に近い長距離戦で必勝。

◆土曜中山12R・鹿島特別
・ケイアイヘルメス
 少し間隔があいていた前走は、調教の動きにまだ硬さが残っていたが、その状態でも2着を確保。今回はポリトラックで65.7-36.8秒、鞍上の手は最後まで動かないままだったが、それでもグイグイと直線で加速。まだギアを残した状態でラスト1ハロンを12.3秒。前走時とは気合のり、動きともに一変の内容だった。このクラスの1200にしてはゆったりした流れだった前走は、良く差して来ての2着。状態面の上積みも大きい今は、人気でも外せない中心馬になる。

◆土曜福島12R・川俣特別
・セブンライターズ
 順調に使えずにきた馬だが、今回は過去の休み明けとは雲泥の差といえる仕上がり。3月11日から坂路と北馬場併用でしっかり乗り込み、直前には格上のシンボリローレンスを相手に脚いろ断然に併入。動きに重さなどまったくなく、いきなり動けそうなムードが漂う。実績どおりの平坦巧者で、追走に手間取らない2000mもベストに近い条件。長く脚を使える馬で、鉄砲も苦にしない気性。「福島再開」で張り切る木幡騎手を背に、一発大駆けがあっても驚かない。

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