東京スプリントはまたまた中央からお馴染みの強力馬がそろいました。「相手は強いよぉ」という声が、南関東のメンバーを取材していると至る所から聞こえてきましたが、レースは終わってみたいとわからない！　南関東にかかわるひとりとしても、最後まであきらめずに応援したいと思います!!!

　地方競馬の至宝フジノウェーブ(大井・高橋厩舎)が出走してきます。07年JBCスプリントや08年東京盃を優勝して2年連続でNARグランプリ最優秀短距離馬に輝いた地方競馬を代表する短距離王。

　今年10歳になりましたが、前走の東京スプリング盃を優勝して3連覇(同一重賞3連覇は大井初)、6年連続重賞制覇、南関東最高齢重賞制覇と数々の偉業を達成しました。さらには、芦毛ながらも神々しいほどの白さを強調したルックス。フジノウェーブをまだナマで見たことがないという方はぜひともじっくり見ていただきたいです。

　前走後も順調に調整を続けてきたそうで、高橋調教師も担当の金成厩務員も「いい意味で変わらない」と言っていました。今の最大の誉め言葉だと思いますよ。何より、前走は59キロを背負いながらも他馬を圧倒した訳ですから……。

「内でためた方が直線では確実に弾けてくれる」とコンビを組む坂井英光騎手は言っていますが、今回の1枠1番は絶好の枠に入ったと言ってもいいでしょう。最近はズブさも懸念されていますが「レースに行くとそういう面は感じさせない」(坂井騎手)とのことで、普段からメリハリをしっかりつけられるところは年を重ねても変わりません。長きに渡って活躍できる要因でもあるでしょう。

　キャリアの豊富さはNO.1と言っても過言ではなく、10歳馬がどれだけ走れるのかひじょうに楽しみです。

　南関東の10歳トリオと言えば、このフジノウェーブ＆ボンネビルレコード(大井・庄子厩舎)＆マズルブラスト(船橋・川島正厩舎)がいます。ボンネビルレコードは5月2日のかしわ記念から5月23日の大井記念、マズルブラストは大井記念というローテーションが組まれていますよ。

　ナイキマドリード(船橋・川島正厩舎)は10JBCスプリント2着や11さきたま杯優勝などの実績で2年連続NARグランプリ最優秀短距離馬を受賞。前走は中央のフェブラリーSに駒を進めました。1枠1番から中団前の内目につけていきましたが、徐々に後退して16着。

　そもそもが砂をかぶるのが好きではないお坊ちゃまですが、それでも最近は多少良化してきたと思わせていたんですが…。「砂をかぶってあんなに目をショボショボさせて帰ってきたのは初めてですね」と担当の舟山厩務員は言っていて、それだけ今まで味わったことのない大量の砂をかぶってしまったんでしょう。

　打って変わって、今回は8枠15番。「真ん中から外枠に入りたかったので良かったです！相手は強くなりますが一発狙ってがんばります」(川島正太郎騎手)

　自分の競馬ができたときは、これまでも中央馬たちと対等に戦ってきた実力馬だけに、スムーズな競馬に期待です。

　ナイキマドリードと同厩のスターボード(船橋・川島正厩舎)。中央4勝馬で、10年ユニコーンSはバーディバーディの4着。南関東に転厩後は緒戦を2着、2戦目で優勝と勢いに乗っています。

　担当はクラーベセクレタの野田厩務員。スターボードの、いいところを聞いてみました。「装鞍所では元気いっぱいなのにパドックに行くと落ち着いて周回していて、そういう集中力はすごいなぁと思う。最初の頃は体がゆるかったから、今では緒戦とは比べものにならないくらい完成度は違うし、数を使っていないから若々しいよ」とのこと。

　中央競馬で走ってきた馬だけにペース慣れしているところは強み。叩き3戦目で一番の状態で挑めるだけに未知の魅力にあふれています。「本追い切りの動きからもいい走りはできると思うぞ。楽しみだ」(川島調教師)

　ダイワディライト(大井・立花厩舎)は気負って走ってることから今回はブリンカーを取る予定。距離短縮は歓迎で、調整過程の順調さは転厩後いちばん。

　グランドラッチ(小林・鈴木厩舎)は中央から転厩後叩き2戦目。かかわる人たちが「動きが変わったし気持ちも出てきて、変わり身抜群」と状態の良さには太鼓判。重賞好走実績もある馬だけに、厩舎サイドも一発狙ってますよー！

　さて、南関東では4名の新人騎手がデビューしますが、先陣切って、大井の江里口裕輝(えりぐちゆうき)騎手がこの大井開催でデビューしました。福岡県出身の17歳。目標は戸崎圭太騎手。「上位にいけるような騎手になるのが目標です。頑張りますので応援よろしくお願いします」(江里口騎手)。

　応援よろしくお願いします！