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芝マイル向き、サルジェンツチェリ

  • 2012年04月18日(水) 12時00分
【2歳】
●クラウンビション(牝 栗東・日吉正和 父メジロベイリー、母アンチークショップ)
 母アンチークショップは1戦0勝の競走成績だが、ダート中距離で準OPまで出世したドリーミーペガサスの全妹にあたり、日本ダービー馬アドマイヤベガと同じアンティックヴァリューの牝系に属しているので繁殖牝馬として期待できる。父メジロベイリーは朝日杯3歳S(GI)の優勝馬で父はサンデーサイレンス。産駒数が少なくいまのところこれといった活躍馬は出ていないが、それだけに未知の可能性を残しており、高いポテンシャルを感じさせるアンチークショップとの間に良駒を出す可能性も十ある分だろう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●サルジェンツチェリ(牡 美浦・浅野洋一郎 父フサイチリシャール、母シナノザクラ)
 朝日杯フューチュリティS(GI)を勝ったフサイチリシャールは今年の2歳世代が初年度産駒。クロフネは牝馬の大物が目立ち、芝向きの牡馬の大物はフサイチリシャール以外にこれといった馬が見当たらない。どんな産駒を送り出すのか楽しみだ。母方に入るコマンダーインチーフは、フサイチリシャールの父クロフネとも母の父サンデーサイレンスとも良好な関係なので好ましい。芝向きのマイラー。

●シゲルラシンバンザ(牡 栗東・福島信晴 父ダンスインザダーク、母ハナチルサト)
 ダンスインザダークとフォーテイナイナーは相性がよく、この組み合わせを持つ馬にはダノンヨーヨー、インタータイヨウ、ルナキッズなどがいる。本馬の母の父エンドスウィープはフォーティナイナーの息子。エンドスウィープはわずか11歳で早世してしまったが、種牡馬として成功し、母の父としてもなかなか優秀。この配合なら手堅く走ってくるものと思われる。芝向きのマイラーだろう。

【3歳】
●ウインアンブロシア(牝 美浦・堀宣行 父ゴールドアリュール、母オールピュール)
 母オールピュールは芝中距離で安定した成績を残し、最終的には準OPまで出世した。その父Touch GoldはDeputy Minister産駒なので基本的にはパワータイプだが、日本で走った産駒を見ると芝適性のあるものが少なくなく、オールピュールもその1頭だった。ただ、本馬の父はダート界で実績を誇るゴールドアリュールなので、これを掛け合わせることにより、眠っていたDeputy Ministerの砂適性が目覚める可能性も十分考えられる。6:4でダート向きと考えたい。中距離向きでローカル競馬に強いだろう。

●シアワセノオウジ(牡 栗東・野中賢二 父サクラバクシンオー、母ダンスフォージョーイ)
 3代母は仏愛英米でG1を計9勝した女傑Dahlia。Northern Dancerとの間に誕生した2代母WajdもフランスでG2とG3を勝った。このファミリーはHyperionの影響が強く底力に特長がある。こうしたタイプの血と本馬の父サクラバクシンオーはよくフィットする。また、父はNijinskyとニックスの関係にあるのだが、母の父HallingにはNijinskyが含まれている。配合的に注目してみたい1頭だ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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