【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイラーズC
・エイシンアポロン
今年の始動戦として予定されていた中山記念を回避し、ドバイ遠征も断念。昨年のマイルCSの覇者ではあるが、現状、順調とは言い難い過程を踏んでいる。この中間の調教量も決して多くない。中21週という間隔が空きながら、坂路で時計を出したのは4本。最終追い切りは池添謙一騎手が跨って、坂路で単走となったが、その動きはさすが。4F51.6-1F12.5秒と前走時にほぼ近い内容の追い切りが消化できた。この点は大きく評価すべきだろうが、実際には太目が残っているように見えるし、中身が伴っているかは疑問。
・トーセンレーヴ
初めての1600mが心配された前走洛陽Sだったが、レースでの勝ちっぷりを見る限り、むしろマイル路線に転戦して正解だろうと感じさせる強い内容だった。間隔は中8週。中間はノーザンFしがらきに放牧に出されており、帰厩してからの調教本数は最終追い切りを含めて4本。レース前日にも時計を出すと思われるので、本数自体の帳尻は合うだろうが、その中身には少々疑問を感じている。まず、池江泰寿厩舎の場合、水曜(もしくは木曜)、日曜(もしくは土曜)と週2本の追い切りは定番。それが今回のトーセンレーヴの場合、週末の追い切り時計のない時期があるのだ。それが最終追いに表れたのか、過去最終追い切りの併せ馬で遅れたことのない馬が大きく遅れてしまった。相手がトーセンジョーダンだと片付ければ簡単だが、どうもそれだけではないような気がする。
・レッドデイヴィス
前走中山記念は重馬場に脚をとられてレースにならなかったことが敗因と分析するのは音無秀孝調教師。ただ前走時の馬体重がデビュー以来最高だったことも惨敗の要因になるのではないだろうか。そのあたりに注目していた今回だが、中間にノーザンFしがらきへ放牧に出されていたことを考えれば、標準的な調教本数をこなしている。ただ馬体重が減るほどの調教量ではないので、そのあたりがどうなのか。また坂路での最終追い切りは相手ミッキードリームが先行したとはいえ、最後は相手が優勢な手応え。ラスト1Fの動きが良かった鳴尾記念時と比較すると、その走りはやはり物足りなく感じられる。
◆日曜東京11R・フローラS
・ラシンティランテ
前走フィリーズR時の最終追い切りはDPで5F64.5秒と比較的速い数字をマークしての実戦。6着は大きく負けたわけではないが、4番人気という支持を受けていた点を考慮すると、やはり走れなかったと解釈すべきだろう。中5週と間隔が空いた今回、中間はノーザンFしがらきに放牧に出されている。ただ調教本数はしっかりしており、1週前には坂路で4F52.7秒と速い時計の追い切りを消化している。そして最終追い切りはDP。5F67.2秒は前記フィリーズR時より3秒近く遅い時計だが、やりすぎるよりも手控えた方が結果が出るタイプかも知れない。動き自体は機敏で近走成績を忘れさせるような内容だったので、今回馬体重が減らないようなら、改めて注目したい。
◆土曜福島11R・福島牝馬S
・オールザットジャズ
前走中山牝馬Sでは後方からのレースになったものの、強烈な決め脚で2着。牝馬限定重賞なら勝ち負けできることを改めて証明したようなレースになった。今回は中5週で中間は宇治田原優駿ステーブルに短期放牧。帰厩してからの調教本数は角居厩舎らしく豊富。十分な量をこなしていることは、最終追い切りにも表れており、CWでの3頭併せを追走して大外から馬なりのままでエキストラエンドに先着。6F87.0秒と遅い時計になってしまったが、数字を忘れてしまうほど、絶好の動きに魅せられた。小回り直線の短い福島競馬場は決して適性の高い舞台とは言えないが、とにかく状態は文句ない。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイラーズC
・フィフスペトル
2月の中山記念以来で2か月レース間隔があいたが、3月下旬から速い時計を出し始め、中間は計5本の追い切りを消化。18日の最終追いは格下馬2頭を1馬身以上の追走から、直線で内に入って残り1Fを併せる形。ゴール寸前で軽く仕掛けると、素早く反応して2頭を1馬身半程度置き去りにする切れ味で先着。5F68.3-3F38.6-1F12.3秒も輸送を考慮したことも含めると好内容と言える。今回は距離短縮でベストのマイル戦。多少馬場が渋っても苦にしないオールマイティ。一瞬の切れ味が生きる京都コースを考えるとチャンスは十分にある。前半から折り合ってリズムに乗り、一気に抜け出す。
◆日曜東京9R・石和特別
・ナンデヤネン
多少先行したとはいえ、余裕の手応えでニシノフェミニンに2馬身ほど先着。動きに素軽さがあるし、黒光りの馬体で気合い乗りも良好。ここ一連の好調子をキープしている。前走は勝ち馬のマイペースにハマったせいもあるが、急坂のある中山では、今いち勝ち切れないレースぶり。東京の芝では3戦してすべて連絡みと、バテずに伸びる脚質が、このコースにピッタリ。今度こそ勝機をつかみそうだ。
◆土曜東京10R・鎌倉S
・サイオン
先週除外でこのレースになったが、追い切りを控える事はなく、ハードな内容を消化。今週は53.2-38.7秒、終い重点にリアルインパクトと直線はビッシリ追い比べ。大きく先行したとはいえ、稽古でそれほど動かない馬が、最後までしぶとく粘り、1馬身遅れでゴールイン。脚さばきが鋭く、引き続き絶好調をアピールしている。ダート戦[4-4-4-3]着外3戦の内、1戦は4着、残る2戦は休養明けと、安定性抜群の実力馬。状態面に不安もなく、中心馬としての絶大な信頼を誇る。
◆土曜東京11R・メトロポリタンS
・スノークラッシャー
前走の日経賞。中団から向正面で徐々にポジションを上げるも、3角で手応えが悪くなり4角ですでに失速し14着惨敗。飛びが大きく道悪はカラッ下手。参考外のレース。今回は2週続けて6Fから長めを追われ、直前は500万のカフェラビリンスを1.1秒追走して79.6-上がり36.7秒をゴール前で軽く仕掛けただけで計示。いつもより時計のかかったポリで外目を回ってのもので価値ある時計。気配落ちは感じられず巻き返し必至。
◆土曜東京12R・4歳上1000万下
・エイブルブラッド
あえて1200→1400m戦使って、馬の闘志に火をつけた格好。この中間は本来の動きを完全に取り戻しており、水曜の追い切りでは単走で67.4-52.8-39.3秒を馬なりでマーク。仕掛ければ弾けそうな勢いがあった。最近は小回リコースに出走することが多かったが、典型的な末脚勝負型で、直線の長い東京コースはプラスに作用するはず。強敵相手の1000万で4、3、4着の実績がある馬。今回は大きく変わって不思議はない。