羽田盃(5月9日 大井 サラ3歳 定量 南関東SI 1800m)
南関東クラシック第1弾・羽田盃。今年はひとつ節目の年といえそうだ。羽田盃(千八)→東京ダービー(二千)→JDダービー(交流二千)、距離と条件が確定して、いよいよ11年目に達すること。記者個人的にはホッとしている。
これまで南関東三冠は、レース順が入れ替わったり、距離が動いたり(平成11〜13年は羽田盃を千六で実施)、その少し昔は東京王冠賞を加えた四冠であったり、ビギナーの方にたずねられたときなど、なんとも説明が難しかった。
そして、当欄で毎回記す過去データも、10年間の歴史があってこそ、はじめて説得力を持つものだろう。現三冠、ほぼ理想形といえるだけにしばらく変えてほしくない。競馬の魅力、楽しさとは、やはり“積み重ね”が、前提であり絶対条件。そう思う。
(1)…近年堅め。1番人気[3-4-1-2]。ここ7年間はすべて馬券にからんでいる。2番人気[3-3-1-3]も優秀で、馬複ワンツーが3度ある。ただ3番人気は[0-0-3-7]とやや低調。
(2)…船橋優勢。船橋=6勝、2着3回、3着3回と大きくリード。次いで、大井=3勝、2着5回、3着2回。川崎は1勝、2着2回、3着5回ともうひと息で、浦和は過去10年、馬券の対象になっていない。
(3)…京浜盃。京浜盃優勝馬=3、1、不、1、7、1、2、1、不、1クラシック登竜門らしく信頼度が高い。同2着=4、8、6、7、2、2、5、2、1、6着も一応の合格点か。道営出身馬4勝、2着4回。牝馬は[1-0-1-5]。
(4)…好位差し。逃げ=3、先行=5、差し=9、追込=3。好〜中位からの差しが主流で、単調な逃げ馬、置かれる追込み馬は、ひとつ抜けた能力を要求される。戸崎J[2-2-0-2]は近年の流れ通り。
※データ推奨馬
◎パンタレイ…このレース、圧倒的に強い京浜盃優勝馬。2歳王者ゴールドメダルに5馬身差だから重みがある。近年ひと息の川崎所属馬だが、同じフィガロ産駒アンパサンドが19年2着。大井千八ベストとしていい。
☆ ☆
◎ロンドンアイ 56吉原
○パンタレイ 56森
▲ゴールドキャヴィア 54横山典
△エミーズパラダイス 54戸崎
△ゴールドメダル 56岩田
△アートサハラ 56今野
△ベルモントレーサー 56山崎誠
キタサンツバサ 56繁田
ダイヤモンドダンス 56的場文
ジャルディーノ 56真島
ロンドンアイの素質に賭けた。デビューから3戦3勝、ことごとく自然流の先行でワンサイド。初コース、初距離、初重賞…なるほど今回ハードルはきわめて高く、実際こうしたケースのクラシック制覇は、過去南関東史上例がない。
がしかし同馬の場合、前々走パンタレイを直接対決で5馬身差下しており、そう考えると、同世代3歳馬、ただ1頭“別次元”という可能性も十分浮かぶ。雄大な馬格(520キロ台)、豪快なストライド。父フサイチコンコルドは、交流GI7勝ブルーコンコルドを輩出、自身キャリア3戦目で日本ダービーを制した天才型だ。前走好位から差す競馬も経験済み。南関東生え抜き、若きスーパホースの誕生に期待したい。
パンタレイは対ロンドンアイ、順調さと充実度で上回る。NAR最優秀2歳馬・ゴールドメダルを5馬身ちぎった京浜盃。好枠から単騎逃げ、先行有利の馬場にせよ、千七1分45秒9の時計自体、歴NO.2だから胸が張れる。南関東クラシック血統としていいフィガロ産駒。安定感、計算がつくという意味では、同馬◎でももちろん妥当だ。
ゴールドメダルは、その京浜盃で少なからずイメージダウン。完成度が高く逞しいことは確かだが、反面ややジリっぽく、決定打に乏しい印象も正直出てきた。それならゴールドキャヴィア、エミーズパラダイスの牝馬勢。とりわけGキャヴィアは右回り向き、広い大井コース向きのパワーがあり(雲取賞V)、脚を余した前走浦和桜花賞を度外視して注目したい。
以下、昨夏門別GIII2着、南関東転厩2戦目になるベルモントレーサー、川崎・クラウンC勝ちで勢いがついたキタサンツバサ。近年では珍しくフルゲートに満たなかった(12頭立て)羽田盃だが、レベル、メンバーの質といえばかなり高い。