スマートフォン版へ

羽田盃

  • 2012年05月08日(火) 18時00分
  • 6
 南関東クラシック一冠目・羽田盃がいよいよ迫ってきました。去年の南関東クラシックは牝馬のクラーベセクレタが大活躍して2冠を奪取しましたが、今年は打って変わって大混戦。「展開次第で何が勝ってもおかしくない」と取材をしていると至るところから聞こえてきましたが、12頭とフルゲート割れしていても軸になる馬を決めるのは難しそう。ここでは枠の若いほうからド~ンと全頭の話題をお伝えしていきましょう。

距離延長歓迎、キタサンツバサ

距離延長歓迎キタサンツバサ

 クラウンCの勝ち馬キタサンツバサ(船橋・佐藤賢厩舎)。前走は砂をかぶるのを克服し、今後に向けて大きな収穫をつかんだ一戦になりました。並んだら負けない勝負根性はセールスポイントですが、1頭になるとフワフワ走る余裕もあってまだ底を見せていません。前走後から自分でハミを取るようになって気合い乗りは上昇中とのことですよ。距離延長は歓迎。

 ビービーアフェット(大井・村上厩舎)は使うたびに良くなっているそうで、前走は7着に敗れましたが、これは道中不利があってのものだそう。牝馬ですがドシッとしていてカイバ食いもいいそうです。ゲートがあまり得意じゃないので、普通に出てくれれば。

 プレティオラス(大井・森下厩舎)はハイペースからの持ち前の末脚発揮を目指します。そもそもこの路線に乗せたかったそうですが、賞金面を考えても出走は難しいと思われていました。フルゲート割れになって出走できた運も、勝負の世界では大切ですねぇ。

 ベルモントレーサー(川崎・山崎厩舎)は放牧休養明けで転厩緒戦となった前走の京浜盃を3着に入り、厩舎サイドも今後に向けて大きな手応えをつかんだ様子。一度使った効果は抜群だそうで、馬っぷりや追い切りの動きなど上積み十分だそうですよ。どんな競馬でも対応できるセンスの高さも魅力で、ひじょうに楽しみな1頭です。

ゴールドメダル、雪辱なるか

ゴールドメダル、雪辱なるか

4連勝を狙うロンドンアイ

4連勝を狙うロンドンアイ

 潜在能力は一級品もなかなか真面目に走れなかったジャルディーノ(小林・荒山厩舎)。前走(優勝)からブリンカーとリングハミを着用したことで集中して走れるようになったのが功を奏したそうです。自分の力を出し切れれば……。

 右回りで改めて見直しなのが、牝馬のゴールドキャヴィア(船橋・川島正厩舎)です。大井の準重賞雲取賞(優勝)は圧倒的な走りを見せるも、前走の桜花賞は初めての左回りでスタート直後に一気に外に張るアクシデントで5着に敗れました。川島調教師自身もこの馬の素質の高さには一目置いていますよ。

 昨年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬に輝き、強い相手と戦ってきた強みがあるゴールドメダル(大井・鷹見厩舎)。前走の京浜盃は2着に敗れましたが、スタートでダッシュがつかず、直線でも窮屈になる場面も見られてスムーズさに欠く内容だったので、厩舎サイドも改めてこの馬の強さを実感したそうです。

「今回の本追い切りは今まででいちばん動いたと思うし、京浜盃でつけられた差は悲観していません」と鷹見調教師も気合いが入ります。

 3戦3勝のロンドンアイ(川崎・長谷茂厩舎)はメジロ牧場の血が刻み込まれています。茨城県ミッドウェイファームの外厩調整馬。3戦とも直線での伸び脚はモノの違いを感じずにはいられません。

 しかし、今回は重賞レースも大井コースもすべてが初物、さらにはもまれる競馬は一度もしていません。それでも、あっさりがあってもおかしくないほどここまでの走りは抜けています。5カ月前に、のちの京浜盃馬パンタレイに5馬身差をつけて圧勝しているくらいですから……。「内心は大いに期待しているよ」と長谷川調教師。

南関希望の星、パンタレイ

南関希望の星、パンタレイ

 一方で、京浜盃馬パンタレイ(川崎・林厩舎)はロンドンアイに敗れたときと今では成長度合いが雲泥の差と厩舎サイドも胸を張ります。京浜盃は逃げ馬天国の高速馬場決着で有利に働いたという見方もありますが、「枠順や展開などこの馬にとって理想的になったと思いますが、自分でリズム良く走って、そのスピードにみんながついてこれなかったのは強みでしょう」と林調教師。

 展開面はひじょうに気になりますが、「基本は積極策のイメージですが、それを超えるような馬がいれば行かせてもいいし、逃げなくても競馬はできます」(林調教師)とのことでしたが、パンタレイのスピード能力は群を抜いています。南関東生え抜き希望の星が、どんな走りを見せてくれるでしょう。

重賞初挑戦アートサハラ

重賞初挑戦アートサハラ

 重賞初挑戦ですが、未知の魅力にあふれているアートサハラ(小林・荒山厩舎)。まだゲートの中でいなないたり子供の面は否めずに、競馬もやっと覚え始めたという感じだそう。しかし、この馬の潜在能力の高さには関係者たちも惚れ込んでいます。距離延長は歓迎で、この馬が力を出したとき……どのくらい走れるかがひじょうに楽しみです。

 南関東所属として初めて中央のクラシック桜花賞に駒を進めたエミーズスマイルの初仔、牝馬のエミーズパラダイス(船橋・川島正厩舎)。母に続いて中央の芝に挑戦し、前走のマリーンカップは一線級の先輩牝馬たちと対戦して4着に入るなど、ここまで異色のローテーションを進んできました。ハードなペースを体感してきたという意味ではメンバー中ナンバー1と言っても過言ではないでしょう。

「競馬が上手でどんな展開にも対応できるので乗りやすいです。この馬のレースセンスを生かして自信を持って騎乗します」とコンビを組む戸崎圭太騎手。

 最強の未勝利馬という異名もついてきた感のあるダイヤモンドダンス(小林・堀厩舎)。能力は高い馬ですが気分屋の所があり、真面目に走れれば一発を秘めています。前走、折り合いがついたことも強調材料。

 12頭みんな無事に後悔のないように!ちなみに、5着馬までに東京ダービーの優先出走権が与えられます。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

南関東競馬を拠点に活動中。仙台生まれの山形育ち。NHK山形放送局キャスター後、競走馬のことを伝える仕事に就きたく上京。東京シティ競馬中継(MXTV)を経て、南関魂、TCKホームページ、競馬総合チャンネル地方競馬コース、楽天競馬、ウェブハロンなどで活動中。今の一番の喜びは、拠点にしている南関東所属馬が大舞台で頂点に立ったとき。

※当コラムは南関東重賞の前日更新となります。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング