南関東地方競馬はクラシック真っただなか。クラシック一冠目・羽田盃馬アートサハラと牝馬クラシック二冠目・東京プリンセス賞の覇者アスカリーブルがそろって東京ダービーに向かうことになりました。
京浜盃馬パンタレイは両膝の剥離骨折が判明し放牧休養に入ります。本当に残念ですが軽度だったそうなので、ゆっくり休んでパワーアップして帰ってきてほしいと思います。もともとが晩熟と言われてきた馬なので……。
さぁ、古馬の先輩たちにも頑張ってもらいましょう!
ここ最近の南関東の傾向は、ダートグレードレースに挑戦する馬は少なめなんですが、南関東限定重賞レースにはたくさんの馬たちが集まります。今回の川崎マイラーズもフルゲート14頭、すべてA1馬というハイレベルな一戦。

雪辱なるかディアーウィッシュ
ここまで3つのタイトルを取っているディアーウィッシュ(船橋・出川克厩舎)。川崎マイルという条件は大得意で、一昨年のスパーキングサマーカップと2年連続で多摩川オープン制覇。昨年の川崎マイラーズは同厩だった女王ザッハーマインにねじ伏せられて2着に終わりましたが、この馬自身はとてもいい内容でした。今年8歳になりましたが年齢的な面も感じさせずに引き続き元気いっぱいだそうです。関係者も大きな手応えをつかんで送り出してきますよ。
「この馬にとって取りたいレースのひとつです。間隔が空いた去年よりも、今年のほうが予定通り照準を合わせてこれました」と出川調教師。斉厩務員は「馬体もスッキリさせていい感じだと思います。年齢的な面は見せないし、この条件は相性がいいので期待しています」
スタートダッシュがひじょうに速くてスーッといい位置に取りついていけるのがこの馬の強み。今回はハナを主張する馬たちもいるので、その好位から追走することが予想されます。

リフレッシュしたカキツバタロイヤル
戦ってきた相手が違うという意味ではカキツバタロイヤル(船橋・函館厩舎)がナンバー1でしょう。
前走の金盃(8着)はこれまでの疲れも敗因に挙げられたことから、レース後にササ針をしてリフレッシュを図り、3月中旬から乗り込みを開始。1-15も含めると8本の追い切りを消化していて乗り込み量は豊富です。
調教パートナーの高橋利幸騎手のお話でも、休み明けでも重め感はなく、楽な手応えだったそう。本追い切り後にさらにガラッと変わったそうですよ。
カキツバタロイヤルは本追い切り50秒というのが鍵を握っていて(武川厩務員談)、今回は50秒を切ったそうですが、もう少し……というときは50秒を切れていないそう。ということで、今回は休み明けですがプラス材料とも言えるでしょう。小柄ながらも追ってバテないタフさがあり、レースセンスは抜群。最近ズブさが出てきたことと休み明けなので、今回は南関東では初めてメンコを外して走らせる予定だそうです。

イーグルショウは重馬場OK
2年前の覇者イーグルショウ(大井・山藤厩舎)は南関東生え抜き馬で今年8歳になりました。暑さがあまりお得意ではないので、2月から5月にかけてがもっとも力を出せる時期と言っても過言ではありません。ここにきて連続3着と安定しているのはそれも大きな要因でしょう。
山藤調教師と川瀬厩務員のお話しでは、びちゃびちゃ馬場が大得意ということで、前日の雨がどれだけ馬場に影響するかも要チェックです。終いを生かす展開がベスト。
重賞タイトルまであと一歩のルクレルク(船橋・川島正厩舎)。去年の川崎マイラーズは度外視しても、それ以外の川崎の相性は抜群です。今回はリフレッシュ放牧休養明けですが、鉄砲は利くタイプ。

川崎との相性抜群、ルクレルク
川島調教師のお話しでは、本追い切りではもう少し動いても良かったなぁという印象だったそうですが、その後の心臓面に重め感はなかったそうです(舟山厩務員談)。あとは地力の高さでどんな走りを見せてくれるでしょうか。
マグニフィカ(船橋・川島正厩舎)は引き続きコンディションは良好だそう。今回も積極的な競馬に徹することは厩舎サイドも公言しているので、気持ち良く走ってどこまで逃げ粘れるかがポイント。
ウツミランカスター(船橋・斉藤厩舎)とクレイアートビュン(船橋・玉井昇厩舎)はそれぞれ覇気が出てきてグンと上向いているそう。
羽田盃馬シーズザゴールドもかかわっている人のお話しでは雰囲気は上昇中とのこと。左回りは大敗経験があるので再チャレンジ。外に張るのを防ぐために特殊なハミに変え、集中力を高めさせるためにブリンカーを着用予定とのこと。一発を秘めている馬だけに、どんな走りを見せてくれるか楽しみです。