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オークス、最終追い切り前日レポート

  • 2012年05月15日(火) 18時00分
  • 8
 今週はいよいよオークス。桜花賞組に加えて、フローラSとスイートピーSで優先出走権を獲得した馬が上位人気を形成してのメンバー構成となりそうです。そして忘れてはいけないハナズゴールなど、美浦所属馬にも注目の集まるところですが、ここでは今朝15日の坂路を駆け上がった栗東所属馬を中心にレポートを展開したいと思います。

 まずは桜花賞馬ジェンティルドンナ。1週前追い切りにはレースでも騎乗が予定されている川田将雅騎手が跨りましたが、その動きは絶品。自己ベストを更新した坂路4F51.4秒はもちろんですが、ラスト1F12.2秒が特筆もの。また気迫に満ち溢れた表情も最高で、こんなに動いたジェンティルドンナを見たことない、そんな感じでした。

ジェンティルドンナ、気合い良

ジェンティルドンナ、気合い良

 今朝の登坂の様子はカメラに収めたつもりでしたが、ブレてしまったので、先週撮影したものを掲載しました。ブレたのにはちょっとした理由(言い訳)がありまして、あまりに気合乗り良く駆け上がってきたジェンティルドンナにオドオドしてしまったんです。ゆっくり上がってきてくれるとピントも合わせやすかったんですが、そうではなかったので…言い訳ですよね。でもとにかく先週より一段と気合が乗っている、そんな印象でした。

 桜花賞2着のヴィルシーナは中間、ノーザンFしがらきへ放牧へ出ていたと思えないほど入念な乗り込み。1週前はCWでサイモンロードと併せて、しっかりと負荷を掛ける調教でしたが、その動きはまずまず。正直、物足りない気もしたんですが、2400mを走る上で気合が乗りすぎるのはマイナスと判断すれば、このくらいでちょうどいいのかも知れません。

ヴィルシーナ、力強いフットワーク

ヴィルシーナ、力強いフットワーク

乗り込み豊富、キャトルフィーユ

乗り込み豊富、キャトルフィーユ

 今朝の坂路でも落ち着いた様子で力強いフットワークを見せてくれました。明日の最終追い切りに関しては「追い切り場所は未定」と友道康夫調教師でしたが、個人的には坂路でラスト1Fが最も速くなるようなラップを踏んでくれれば、まず勝ち負けしてくれるだろうと思っています。

 昨年のオークス馬エリンコートと同じ、忘れな草賞を勝ってのローテーションとなるのがキャトルフィーユ。こちらは前走後も在厩のまま調整が続けられており、調教本数は非常に豊富です。画像は1週前追い切り前の様子ですが、その内容はオールザットジャズに遅れるというもの。3頭併せの真ん中に入って、非常に厳しい流れでしたが、なんとか食い下がるといった感じ。見た目には決していい動きに見えないかも知れませんが、1週前追い切りですから、むしろこれくらいやれたことが評価できます。

 今朝は坂路を駆け上がっていましたが、その後の運動の様子を見ていると、非常にキビキビとした感じ。最終追い切り場所は分かりませんが、もしCWで行うなら、3頭併せの大外に入って持ったままで先着できる、そんなイメージの沸く、今朝の様子でした。

◆次走要注意
・5/12 東京7R トルピドトウショウ(14人/15着)
 好発を切って、ハナを奪って、軽快な逃げを見せましたが、直線は全く伸びずの惨敗。スタートセンスの良さ、坂路追い切りで時計が出る点から、平坦の芝1200mなら十分に可能性がありそうです。直線坂のある中京競馬場でも美浦坂路追い切りの調教適性を活かせば、好走できるでしょうから、そのあたりの条件に出走すれば注目したいと思います。

[メモ登録用コメント] 中京、福島芝1200mに出走して坂路4F52秒以下の最終追いなら馬券圏内

・5/13 東京3R サロンドクイーン(13人/8着)
 しっかりとしたトモ、適度な気合乗り、未勝利なら、と感じさせるパドックでの雰囲気でしたが、単勝オッズは200倍を超えていました。「なにか足りないから人気がないんだろうな」と思っていましたが、レースぶりも可もなく不可もなくといった8着に終わりました。次走も厳しい戦いになるかも知れませんが、最終追い切りの坂路でもう少し動くようになれば、未勝利は十分勝てるだけの体だと思います。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが坂路でラスト1F12.5秒前後なら馬券圏内

◆今週末馬券圏内
・5/19 東京10R 丹沢S ニシノヴァンクール
 5月25日に発売する新書に掲載した春開催の東京ダート2100mが鉄板スポットに該当する厩舎が萱野浩二厩舎。その成績はこの開催が始まるまでの2009年以降の成績で[2-2-0-1]と素晴らしい鉄板ぶり。そしてニシノヴァンクールが今開催勝ったことで、その成績は[3-2-0-1]となりました。先週、未勝利戦で該当馬が負け、[3-2-0-2]となってしまいましたが、また成績を上げるのはニシノヴァンクールの仕事。中間の調教本数はしっかりしていますし、昇級も全く関係ないでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが坂路で終い最速の加速ラップなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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