【3歳】
●ダノンサンデー(牡 栗東・矢作芳人 父ジャングルポケット、母アドマイヤメガミ)
母アドマイヤメガミはチューリップ賞(GIII)2着馬で、フサイチホウオー(重賞3勝)、トールポピー(07年阪神JF-GI、08年オークス-GI)、アヴェンチュラ(11年秋華賞-GI)の半姉にあたる良血。これにジャングルポケットを掛けたので、上記3頭とは4分の3同血の関係となる。母の父にエルコンドルパサーが入る、という点が上記3頭と違う点で、この馬はNureyev≒Sadler's Wells 3×4・5というパワフルなクロスが生じるので、芝の道悪、北海道の洋芝を得意とし、ダートでもいいところがあるだろう。軽い芝への適性があるならかなりの底力を秘めていると思われるので、大きなところを狙えるだろう。
【2歳】
●オリジナルスマイル(牡 美浦・和田正道 父メイショウサムソン、母エミーズスマイル)
母エミーズスマイルはアネモネS(OP)の勝ち馬で、産駒のエミーズパラダイス(父フサイチコンコルド)はクイーンC(GIII)5着、マリーンC(GIII)4着という成績を残している。父メイショウサムソンは皐月賞(GI)、ダービー(GI)、天皇賞・春(GI)、天皇賞・秋(GI)など6つの重賞を制した名馬。今年の2歳世代が初年度産駒となる。同じオペラハウス産駒の名馬テイエムオペラオーが種牡馬としてイマイチだったので警戒する向きもあるが、社台スタリオンステーションに繋養され、初年度産駒69頭のうち25頭が社台系の牧場で生産されており、社台系のバックアップがなかったテイエムオペラオーに比べるとかなり恵まれた環境にある。本馬の場合、半姉エミーズパラダイスが重賞でそこそこ走っていることに加え、ダンシングブレーヴ3×4というクロスを持つ。このクロスは母エミーズスマイルが持つHalo≒Sir Ivor 3×5を継続するものなので吉と出るのではないか。芝2000〜2400mがベストディスタンスだろう。
●ゴーインググレート(牡 栗東・岩本市三 父フレンチデピュティ、母クインネージュ)
半兄ゴーイングパワーはダートで行われた兵庫ジュニアグランプリ(GII)を勝ち、芝の小倉2歳S(GIII)でも5着と健闘している。父がサクラバクシンオーからフレンチデピュティに替わったが、こちらのほうが配合的な好感度は高い。2代父Deputy Ministerと母の父フジキセキは相性がよく、この組み合わせからカネヒキリ(ダートG1を7勝)、ミラクルレジェンド(10年クイーン賞-GIII、12年マリーンC-GIII)、デグラーティア(08年小倉2歳S-GIII)、カラフルデイズ(11年関東オークス-GII)、ホーマンフリップ(10年ファンタジーS-GIII・2着)、エイブルインレース(09年クイーンC-GIII・3着)、トウショウカズン(12年根岸S-GIII・2着)などが出ている。本馬はこのパターン。どちらかといえばダート向きで、マイル以下でスピードを活かす競馬が合っている。
●トーセンレディ(牝 美浦・加藤征弘 父ダイワメジャー、母レディインディ)
2代母FijiはイエローリボンS(米G1)、ゲイムリーH(米G1)など4つの重賞を制した活躍馬。父ダイワメジャーは初年度からカレンブラックヒル(12年NHKマイルC-GI)、エピセアローム(11年小倉2歳S-GIII)、トーセンベニザクラ(12年フェアリーS-GIII)など多くの活躍馬を送り出し、大成功を収めている。「ダイワメジャー×A.P.Indy」は過去1頭だけデビューし、それがクイーンC(GIII)で3着となったエクセラントカーヴなので、この組み合わせは見どころがある。芝向きの中距離タイプで仕上がりも早い。すぐに勝ち上がれそうなタイプだ。
●メイショウアカフジ(牡 栗東・西浦勝一 父メイショウサムソン、母マストビーラヴド)
ラインクラフト(父エンドスウィープ/05年NHKマイルC-GI、05年桜花賞-GI)、アドマイヤロイヤル(父キングカメハメハ/11年武蔵野S-GIII・3着)、Florentino(父スウェプトオーヴァーボード/ジェファースンカップS-米G2)の半弟にあたる。父メイショウサムソンはダンシングブレーヴを持つので、それとニックスの関係にあるサンデー牝馬との交配は好ましい。メイショウサムソン産駒の活躍馬はおそらく高い確率で母方にサンデーの血を含んでいるものと思われる。芝向きの中距離タイプ。