【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京10R・ダービー
・ヒストリカル
前走毎日杯1着後すぐに放牧に出すことを決めた音無秀孝調教師。これについて「レース後も体が減っていたので、正解だった」と振り返っているが、現在の馬体重は450キロ台。体を戻したことで、しっかりと調教を積むことができる状態で栗東へ入厩した。1週前追い切りが坂路4F50.8秒と自己ベストを更新する時計だったが、今週はそれをさらに縮めた4F50.7秒。併せたクランモンタナも十分に動いているが、それ以上に脚の回転の速さが目につき、とにかく機敏な走りが印象的な最終追い切りとなった。師が「心配は長距離輸送」と話すように、関東圏への輸送が初めてだという点だけが気にはなるが、それ以外の状態としては文句ない。
・ディープブリランテ
普段の調教から岩田康誠騎手が跨って、馬とのコンタクトをとっての調整。1週前追い切りはCWで行われたが、その動きは非常に機敏で、調教の時点では折り合いにまったく心配ないといった感じの走りだ。最終追い切りは坂路で行われたが、ゲンテンを追走しての内容。抑え切れない手応えで相手を交わすと、その勢いは増してゴールまで駆け抜けた。4F51.4秒はもちろん速いが、それ以上に持ったままで1F12.0秒が圧巻。とにかくスピード能力は桁違い。心配するなら、これだけの気合乗りで当日のレースはしっかり折り合えるのかという点。そこは馬とジョッキーの呼吸で乗り越えることができるのではないだろうか。
・ゴールドシップ
内田博幸騎手が栗東に駆け付けて行われた1週前追い切り。坂路でマコトリヴァーサルを追走したが、最後は迫力満点の脚力で先着し、たとえ調教でも追われたら伸びるというこの馬の長所をしっかりと見せてくれた。最終追い切りは坂路でジャスタウェイとの併せ馬。道中のラップはさほど速くならなかったが、ゴール前で相手が失速気味になって先着。4F54.2〜1F13.0秒でフィニッシュした。全体の時計が54秒台なのは、ある程度想定していたが、ラスト1Fが12秒台でなかった点だけが気になるところ。ちなみに皐月賞1着時の最終追い切りは坂路4F55.3〜1F12.5秒だった。
◆日曜東京12R・目黒記念
・トレイルブレイザー
2月の京都記念以来となる今回。間隔が空いたことを心配していたが、5月上旬から坂路でしっかり乗り込まれており、その本数はCWを含めて10本を超えている。1週前追い切りでは、CWでトゥザグローリーと併せて同入、ラスト1Fは11秒台の伸びを見せた。今週もCWでリルダヴァルとの併せ馬。外を回ったこと、相手が攻め駆けすることを考慮すれば、同入が精一杯かと思いきや、直線追われてからの反応が素晴らしく、一気に相手を突き放した。その時が逆手前だったので、その点を気にしたが、しばらくすると正手前に替えて再度伸び。少し頭の高い走法だが、そんなことよりも、しっかりと伸びた点を評価しなければいけないだろう。
◆土曜京都10R・白百合S
・マウントシャスタ
前走は直線でシゲルスダチの進路を妨害して降着。実力を発揮できないままとなってしまったが、毎日杯ではダービーで人気が予想されるヒストリカルの2着。正直、オープン特別では格の違いを見せつけてほしいところ。前走のダメージも特になく、この中間は入念な坂路での乗り込み。そして最終追い切りは新馬戦以来のCWを選択している。先行するミレニアムゴールドを追走し、直線は内から追い抜く形。相手の手応えも悪くなかったため、ゴール板では頭ひとつ出るのがやっとという感じだったが、ラスト1F12.2秒という数字なら特に問題ない。むしろ中間の調教量を評価すべきで、ここはスカッと決めて、再び重賞戦線へ戻ってきてほしい。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京10R・ダービー
・フェノーメノ
青葉賞を制した後のレース間隔が中3週だが、中間は時計5本も追い切りを消化。タップリと乗り込んでいる。17日の1週前で古馬1000万条件ラッキーバニラを子供扱い。そして23日の最終追い切りも再びラッキーバニラをパートナーに再び軽く仕掛けて先着。23日の時計は6F83.4-5F67.1-3F38.6秒で1Fを13.0秒かかっているものの、気合いを付けてからの反応は機敏そのもの。馬体は青鹿毛の毛色がピカピカに光り、追い切った後のクールダウンも落ち着きはらって堂々とした素振り。弥生賞6着時とは比べものにならないほど、すべてが成長。文句なしに仕上がった。青葉賞で見せつけた距離適性の高さ、そして3戦3勝の絶対的に得意な東京コースを考えると、皐月賞上位組との力量差は皆無。末脚勝負の展開で一気の差し切りに期待。
◆日曜東京9R・むらさき賞
・エチゴイチエ
ダービー出走予定のアルフレードと併せ、1馬身ほど先行する形。G前で多少仕掛けぎみになったが、1F11.5秒という鋭い伸び脚で併入。中間熱心に乗り込み、馬体、気合も良好。前走時以上の状態と思える。折り合いを欠いたり、まだまだ若さが残るレースぶりだが、潜在能力は間違いなく一級品。広い東京コースで、モマれず決め手勝負に徹すれば、この相手関係でも好勝負できる。
◆日曜東京8R・青嵐賞
・ヴァルナビスティー
負傷がらみで、手綱をとるはずだった吉田豊騎手から石橋騎手へと急遽乗り替わった前走。やはり出負けをしてしまい、後方からの追走。全体としてスムーズさに欠ける内容となってしまった。とはいえ、直線だけの競馬でコンマ3秒差の5着まで押し上げたのだから、能力の高さは見せた形。主戦に戻る今回は、さらなる前進を期待していい。スタミナ兼備で2400メートルの適性は十分。少しでも前半が速くなる流れなら、定量戦でも十分に好勝負できるはずだ。この中間も北馬場と坂路併用でしっかり乗り込み、体調も高値で安定している。
・ホッコーブレーヴ
前々走の箱根特別は昇級戦のうえ、2か月半ぶりと間隔が開いて緩めの馬体。さらにスタートで出遅れ。それでも終いしっかり伸びて0.4秒差の5着。3か月ぶりで臨んだ前走の陣馬特別は直前の稽古では一応の時計が出たものの、明らかに急仕上げ。最後で伸びきれず0.4秒差の7着も内容は上々。今回は中間順調に乗られ、直前の追い切りは5F66.9-上がり38.6秒。時計馬平凡でも筋肉が締まり張りがガラッと変わった。狙い目。
◆土曜東京10R・薫風S
・パワースポット
気性の激しい馬で、前走は好スタートから前に馬を置けずに、早めに動いてしまったのが敗因。それでも昇級初戦でコンマ7秒差の7着と、大負けしたわけではなく、このクラスにしっかり目処を立ててきた。今週はウッドチップで85.9-69.2-39.4秒、折り合いを欠くことなく、追ってからも力強い伸び脚を披露。この中間も意欲的に乗り込み、ここに来ての成長度が目立っている。じっくり溜めれば爆発的な末脚を持つ馬、充実度が目立つ今なら、このクラスが壁になる馬ではなく、改めて狙い撃ちしたい。