大井記念(5月23日 大井 サラ4歳以上 別定 南関東SII 2600m重)
◎(1)トーセンルーチェ 2分48秒1
○(2)ピサノエミレーツ 1.3/4
△(3)ナムラブレット 2
△(4)ボンネビルレコード 2.1/2
(5)ケイアイライジン 1
…………………
(6)ラストキング
△(7)マズルブラスト
▲(8)ビービーガザリアス
△(12)トーセンゴライアス
単150円 馬複1150円 馬単1490円 3連複4920円 3連単14290円
トーセンルーチェが期待通りの強さをみせた。ドモナラズ、ケイアイライジンの先行で超スロー(千通過64秒1)。出遅れたトーセンゴライアスがスタンド前カカリ気味に先頭に立つなど、ややゴチャついた流れになったが、トーセンルーチェは5~6番手、好位のインをスムーズに確保して、そこからどっしり動かない。そして勝負どころの3~4コーナー、一歩早めに仕掛けたマズルブラストに合わせる形で追撃開始。直線中ほど、先団を一瞬のうちに抜き去り、フィニッシュは流す余裕があった。
「返し馬のときから感触が素晴らしく、その時点で自信が持てた。長距離が合っているし、何より馬が成長している」(張田J)
二千六百=2分48秒1は平凡に過ぎないが(昨年マズルブラスト=45秒0)、長丁場の場合、時計はおおむねペースしだい。勝ちっぷりのインパクトで相殺できる。
トーセンルーチェはフリオーソの半弟。父がブライアンズタイム→マリエンバードと変わり、そのぶんステイヤー色が濃いタイプと判断できる。例えばパドック。常に闘志を前面に漂わせる兄に較べ、弟は頼りないくらいおっとりしている。JRA3勝(千八~二千五百)、そのわりにふっ切れなかったのは気性の違いが大きいだろう。ともあれルーチェは今季精神面で飛躍的に充実した。競馬に勝つ、真っ先にゴールに飛び込む、馬自身がその快感を覚えたといえるかもしれない。
「元より能力は相当高い。スタートを五分に出て好位につける、それをテーマに調教も積んできた。今日は百点満点です」(川島正一調教師)
次走はむろん帝王賞。今さらの話だが、“距離二千”が正直惜しい。黎明期、創始期の「帝王賞=二千八百」なら、よりチャンスが広がった。
ピサノエミレーツ2着。超スローを中団よりやや後ろは厳しかったが、結局上がり39秒4はメンバー中最速で、しかも直線大外を回っただけに価値がある。追って達者な町田Jと呼吸が合うか。気ムラでも爆発力のあるステイヤーと評価したい。
ナムラブレット3着も好内容。道中終始もまれる展開ながらいい脚を長く使った。人気にならない(つかみどころがないイメージ?)穴馬タイプで、この日も3連単好配当をもたらした。
マズルブラストは前述通り、絶好の位置取り、絶好のスパートで7着に沈んでしまった。感傷はともかくさすがに10歳。自ら勝ちに行けなくなったボンネビルレコードとともに、今後馬券の対象には考えづらい。ビービーガザリアスはじっくりタメる競馬をしたものの末脚不発。本格的な長距離はまだ未知数というしかない。