名古屋競馬場で騎手をしていた吉本隆記さんの騎手復帰というニュースが飛び込んできましたね。騎手試験に合格し、今度は浦和競馬場所属(小久保厩舎)の騎手として再出発することになりました。
2007年に騎手免許を返上し、サラリーマンとして働いていたそうですが、馬の世界にもう一度戻りたいという思いが募り……南関東では船橋と浦和で調教専門厩務員として馬たちの調教をつけ、空いている時間は取り寄せた教科書で猛勉強をして騎手の筆記試験に備えていたそうです。

吉本隆記騎手
「小久保厩舎のスタッフとして馬作りにかかわれて幸せなことだなぁと感じてきたので、騎手になってもその延長線だと思っています。みんなでいちばんを目指しているので、足を引っ張らないように頑張ります。乗せてもらえる限りは一生現役を目指したいです。小久保先生や応援してくださっている皆さんに感謝しています」(吉本さん)
勝負服は新しいデザインを考えているそうで、7月からレース騎乗を開始予定とのことです。35歳での再出発、今後も目が離せませんね。
さぁ、さきたま杯(浦和1400m)が行われます。ダートグレードレースは毎度そうですが、今回も豪華な中央馬たちがそろいました(汗)。相手はかなり強くなりますが、昨年はナイキマドリードが優勝しているレース、南関東勢にも頑張って欲しいと思います。

ナイキマドリード
ナイキマドリード(船橋・川島正厩舎)は浦和コースの相性抜群。これまで重賞4勝していますが、浦和3勝&船橋1勝。大井の重賞レース(右回り)では好走しているものの、より左回りのほうが最後の伸び具合いもしっかりしているような気がします。
東京スプリント(5着)後は4日のんびりして5日目から調教を開始。この中間は2本の追い切りをかけて予定通りの調整を行ってきたそうです。「毛づやは一年を通していい馬だし、回復力も早いですよ。いい意味で平行線なので期待しています」(舟山厩務員)
南関東生え抜きのこの馬も早いもので6歳になりましたが、川島調教師と舟山厩務員に聞いても去年と比べて変わりはないそうです。この年齢になり、『変わらない』というのは何よりでしょう。
「1200mよりも距離は延びたほうがこの馬の追走は楽になるだろうし、1400mは合う。あとは相手関係だな」(川島調教師)スムーズな競馬は必須です。

スターボード
中央4勝で10年ユニコーンS4着の実績があるスターボード(船橋・川島正厩舎)が、南関東に転厩して4戦目を迎えます。前走の東京スプリントはスタートしてからの二の脚が速くハナを奪い、最後はセイクリムズンとフジノウェーブにねじ伏せられる形になりましたが3着に踏ん張りました。今後に向けてもひじょうに楽しめる存在として注目を集めています。
「調教を積んでさらに良くなっていて中央馬たちともやれる力は持っていると思う。フットワークの大きい馬だし、今回は浦和コースをこなせるかどうかだな」と川島調教師。クラーベセクレタでもお馴染みの野田厩務員は「(スターボードの)走る気持ちが出てきているよ。持っているスピードはすごいし、JBCスプリントに向けてもいい走りをして欲しいね。あとは浦和コースとの相性」と。
トーセンピングス(浦和・小久保厩舎)は中央4勝の実績で南関東入りし、その後は一度もワイド圏内を外さない安定した走りを見せています。今回は重賞初挑戦!

トーセンピングス
「使いながら良くなっているよ。カイバはすごく食べるけど絞りやすい体質で、今回も560キロ台では走らせたいね」(橋本厩務員)と、クレイアートビュンやキスミープリンスを手掛けてきた橋本厩務員が担当です。
これまではスピードの違いで先行してきましたが、特にハナにこだわってきた訳ではないそう。重賞初挑戦とは言っても中央時代にきついペースは味わってきているだけに、今回どんな走りを見せてくれるか楽しみです。まだ底を見せていませんし……時計は掛かってくれたほうがいいでしょう。
意外にも浦和コースは初めてで、巨漢馬だけに対応できるかどうかが気になります。「追い切りをかけたときは特に気にしないで走っていた。今まででいちばん動いていたし、遜色のない力があると思って送り出す」(小久保調教師)