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仏1000ギニー馬と同じ組み合わせのタイセイドリーム

  • 2012年05月30日(水) 12時00分
●エーシントップ(牡 栗東・西園正都 父Tale of the Cat、母Ecology)
 半兄General Quarters(Sky Mesa)はブルーグラスS(米G1)、ターフクラシック(米G1)などを勝ち、今年の春から種牡馬入りしている。父がSky MesaからTale of the Catに替わったが、じつはこの2頭は系統は違えども血統構成はほとんど同じなので、本馬は兄と血統構成が非常によく似ている。兄は芝G1を勝ち、本馬の父Tale of the CatもGio Pontiのような芝馬を出しているので、芝でもそこそこやれるのではないかと思われる。仮に芝がダメでもダートで活躍できるだけの十分なポテンシャルを秘めている。

●タイセイドリーム(牡 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母モアザンベスト)
 母モアザンベストは芝短距離で4勝を挙げた。父ディープインパクトは基本的にスプリントタイプの繁殖牝馬と相性がいい。ディープ産駒はしなやかで華奢なタイプが多く、スプリンターが往々にして備えている雄大な馬格、発達した筋肉などが足りないものを補うからではないかと思われる。じっさい、この母は500kg前後の大型馬だ。「ディープインパクト×Giant's Causeway」の組み合わせは仏1000ギニーを勝ったBeauty Parlourと同じ。Seattle SlewやPrivate Accountといった前向きなスピード血統も入るので、2000m以下でスピードを活かす競馬が合っているだろう。

●バルトロメオ(牡 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母フォルテピアノ)
 母は現役時代に3勝を挙げ、クラフティワイフにさかのぼる名牝系の出なので繁殖牝馬としての期待は十分。2代母キョウエイフォルテはブリリアントベリー(ヒストリカルの母)、エヴリウィスパー(トーセンホマレボシの母)と全姉妹の関係にあり、この両馬はディープインパクト産駒なので、本馬はヒストリカル、トーセンホマレボシときわめて血統構成が似ている。母の父フレンチデピュティもディープインパクトとの相性の良さには定評がある。マイルから中距離でいい仕事をしそう。

●ブライダルドレス(牝 栗東・松田博資 父クロフネ、母マサコチャン)
 全姉ベストクルーズはファンタジーS(GIII)2着、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)3着などの成績がある。同牝系で同じ父を持つ馬にホエールキャプチャ(12年ヴィクトリアマイル-GI、11年ローズS-GII、11年クイーンC-GIII)とは血統構成がきわめて近い。両馬はBlue Moon=Blue Grottoの全きょうだいクロスを持っており、これが配合の決め手ではないかと思われる。チヨダマサコの牝系にクロフネを交配すると、自動的にこの全きょうだいクロスが生じるので、今後とも注目していきたい配合だ。芝向きのマイラーで仕上がりは早い。

●ルミナスウイング(牡 栗東・安田隆行 父クロフネ、母ルミナスポイント)
 母ルミナスポイントはOP馬で、その兄弟にはランフォルセ(12年ダイオライト記念-Jpn2、11年エルムS-GIII)、ノットアローン(08年若葉S-OP)、ノーザンリバー(11年アーリントンC-GIII)、モンローブロンド(04年ファンタジーS-GIII・2着)など活躍馬多数。「母の父アグネスタキオン」はいまのところもうひとつの成績だが、この良血なら期待できる。母はHalo 3×4で、Mr.Prospectorが入る。いかにもクロフネと合いそうな血統構成だ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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