【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・安田記念(GI)
・サダムパテック
前走京王杯SCで久々の勝利を挙げたが、ここを勝たなければ安田記念への出走も危うかったという陣営の意気込みがあったことも確か。その点で、今回へ向けての上積みがどの程度なのかという点が気になっていた。しかし1週前追い切りをきっちりこなして反動の心配は消えた。また最終追い切りにはC.ウィリアムズ騎手が騎乗。鞍上の拳は終始動かないままゴール。それも「馬が自ら走ってくれた」とジョッキー。無理に追うより、馬の気に任せた追い切りだったということ。それで坂路4F52.6秒なら言うことはない。
・エイシンアポロン
昨年のマイルCSの覇者。今年緒戦のマイラーズCは14着に惨敗しているが、ドバイ遠征を考慮したローテーションが白紙になるアクシデントがあってのレースだっただけに、状態面がG1制覇時と違っていたのは明らか。それに比べれば、至極順調な今回だろう。最終追い切りは転厩初戦の毎日王冠以来の坂路での併せ馬となったが、実に見事な動き。ゴールへ向けてぐんぐん加速するラップを踏み、4F52.1-1F12.1秒。攻め駆けするタイプとはいえ、同じ速い時計だった前走時とは動きの迫力が違う。また本数をこなした調教量によって馬体も引き締まっており、これならG1馬としては威厳を見せることができそうだ。
◆土曜阪神11R・鳴尾記念(GIII)
・アーネストリー
完調ひと息だった大阪杯は6着。そこから在厩のまま、調整が続けられてきたが、この中間、佐々木晶三調教師の口からは「良くなってきてる、仕上がってしまうわ」という言葉が何度も出たくらい。それを象徴するような追い切りが1週前の坂路。4F50.7秒と速い時計をマークしながら、ラスト1F12.6秒と13秒を切る鋭い伸びを見せた。真っ直ぐ駆け上がり、とにかく最近の追い切りの中では一番と思える動きだった。それと比較すれば、今週の追い切りはラスト1F地点でヨレるシーンがあったので、見栄えしなかったが、1週前の時点できっちりと仕上がっていることは間違いない。
・ショウナンマイティ
1週前追い切りには浜中俊騎手が跨って、CWでの目一杯の追い切り。単走ながら6F81.8-4F50.6-1F11.4秒と速い時計をマークし、抜群の動きを見せた。そして最終追い切りは近2走と同じ坂路。4F54.2秒と全体の時計は抑えられたが、2F24.5-1F12.4秒は非常に速い数字。その動きも機敏で、大阪杯から間隔が空いたことを感じさせない。調教本数も十分なだけに、重賞連勝のシーンも十分に考えられる好仕上がりではないだろうか。
◆日曜東京12R・ユニコーンS(GIII)
・オースミイチバン
前走兵庫チャンピオンSは力で捻じ伏せるようなレースぶりで初重賞制覇。3連勝中とその勢いは止まりそうにない。今週の追い切りでも坂路4Fで自己ベストを0.2秒更新する54.3秒をマーク。その充実ぶりは時計にも表れていると言いたいところだが、併せ馬の内容が気掛かり。未勝利1着時、そして前走時と併せ馬では先着していたところを、今回は1馬身の遅れ。しかも持ったままの相手に馬体を合わせることもできなかった点が気になる。攻め動かないタイプとはいえ、これまで結果が出ていた併せ先着から遅れになった点は減点材料であることは間違いない。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・安田記念(GI)
・ガルボ
前走後は3週間ほどの短期放牧を経て、5月1日より追い切りを再開。その後、中間は計8本の調教タイムを計示し、特にここ3週はポリトラックで好時計を連発。普段はあまり強く追わない1週前の日曜日(27日)も、ラスト1Fビシッと追って11.1秒と抜群の瞬発力。そして、30日は大外を回っただけに、多少時計がかかったものの、5F69.0-3F38.5-1F12.4秒で駆け抜ける文句なしの内容。1か月間タップリと乗り込んで息もちも充実。今までになく鍛えた感じが強い調教ぶりで、昨冬からの勢いを維持するどころか、さらに成長している姿は確か。以前の線の細さも完全に一掃し、よりパワー、スピードアップは明白。どんなペースにも対応できるレースセンス、決定力は今回のメンバーでも上位の存在。一瞬の切れ味が生かせれればビッグチャンス。
◆土曜阪神11R・鳴尾記念(GIII)
・ナカヤマナイト
前走の大阪杯。仕上がり悪く見えなかったが、2か月半ぶりと、馬場が悪かったことで道中力みが感じられ少し折り合いを欠いてしまった。そのぶん終いの伸びを欠き5着。まだ成長段階で無理をさせなかった内容。この中間は入念過ぎるほどに調教を積まれ、直前の追い切りは同格アクシオンを5Fから1.5秒追走。それでも抜群の手ごたえで66.1-上がり37.9秒のタイムで圧倒した。叩かれて気迫一変。
◆日曜東京10R・ホンコンJCT(1000万下)
・ラヴェルソナタ
乗り始めは多少重い感じもあったが、追い日ごとに時計を出して入念な乗り込み。先週あたりから動きに素軽さが出てきた。今週はミステリーコード、ロックバルーンを大きく追走して、並ぶ間もなく先着。結果、単走の形になったが、鋭い伸び脚を見せた。ギュスターヴクライと差のない競馬をした馬だし、雄大な馬体で、上のクラスでも十分戦える器。このクラスでモタついていられない。
◆日曜東京9R・青梅特別(1000万下)
・ラヴィアンクレール
昨年の5月以来と1年以上の休み明けになるが、ここまで豊富な乗り込み量を消化。今年の5月の初めから調教を再開して、7本の時計をマーク。先週、ウッドチップで長めから目一杯に追われて、83.5-67.8秒。今週は3歳馬を3馬身追走からの併入で、68.4-39.9。息づかいに乱れはなく、余力十分の走りを被露。牡馬にしては小柄なほうで、もともとが仕上がり早。馬体・動きともに久々感のない状態を整えている。オープン特別のヒヤシンスSで破った2頭(同着の2着)は、すでにオープン馬。 1000万クラスでは素質断然。1年ぶりだからこそ狙い目になる。
◆土曜東京12R・3歳上500万下
・オヤシオ
1000万に昇級してからは結果を出せなかったが、寒い時期は馬体が絞れなかったのも敗因のひとつ。ということで、500万にクラスが落ちるこの開催を待って、じっくりと立て直してきた。火曜の大雨の影響で北のダートコースが水びたしになったため、直前は予定を変更して坂路で追うことになったが、持ったままで好タイム(52.4-37.7秒)。明らかに復調気配がうかがえた。東京のダート1300メートルで500万を勝った馬で、条件的にはほぼベスト。鞍上には追える田辺騎手を配して、「―発」を狙ってきた。