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ブリーズアップセール一番時計メイケイペガムーン

  • 2012年06月06日(水) 12時00分
●サンブルエミューズ(牝 美浦・加藤征弘 父ダイワメジャー、母ヴィートマルシェ)
 母ヴィートマルシェは1勝馬だが、トライアンフマーチ(09年皐月賞-GI・2着)、インペリアルマーチ(10年きさらぎ賞-GIII・4着)の半姉にあたる。2代母キョウエイマーチは桜花賞(GI)など5つの重賞を制した名牝。サンデーサイレンスとダンシングブレーヴのニックスを持ち、父ダイワメジャーは確実性の高い種牡馬なのでしっかり走ってきそうだ。2代母キョウエイマーチはブレイヴェストローマンを含んでいるのでダート適性が高かった。本馬の母の父フレンチデピュティもパワーを伝える。したがって本馬は、ダート向きと芝向き、どちらに出る可能性もある。距離はマイル前後がよさそうだ。

●ジューヌフルール(牝 栗東・今野貞一 父フジキセキ、母ロジカルクィーン)
 全姉ユリスオブデイジーは1勝馬。父フジキセキとDeputy Ministerはニックスの関係にあり、これらを併せ持つ馬にはカネヒキリ、ミラクルジレジェンド、デグラーティア、ホーマンフリップ、ゴーハンティングなどがいる。本馬は母の父がDeputy Ministerなのでこのパターンに当てはまる。Seattle SlewやDamascusを併せ持つので、緩急のあるレースは得意ではなく、ダートのマイル前後を先行して押し切るようなレースが合っている。目標はミラクルレジェンド。

●ベルライン(牝 栗東・羽月友彦 父ダイワメジャー、母カリズマティックゴールド)
 母の父カリズマティックはStorm BirdとDroneを近い世代に併せ持っている。これはNHKマイルC(GI)を勝ったカレンブラックヒルの母チャールストンハーバーとよく似ている。とくにDroneは、父ダイワメジャーとニックスの関係にあるダンシングブレーヴの主要構成要素で、この血こそがニックスの核心部分だと思われるので、この血を持つ本馬はそれなりの成績を残せるのではないかと思われる。サンデー系と相性抜群のCreme dela Cremeが入るのも好ましい。上2頭、コーンビスティー(父Cozzene)とソードブレイカー(父ディープインパクト)がもうひとつ走っていない点が気になるが、配合的には申し分ないので注目したい。

●メイケイペガムーン(牝 栗東・木原一良 父アドマイヤムーン、母ベラミロード)
 母ベラミロードは宇都宮競馬が生んだ歴史的名牝。地元で北関東ダービーなど数々の重賞を制覇したほか、南関東に遠征して東京盃(Jpn2)、TCK女王盃(Jpn3)を快勝、中央でもユニコーンS(GIII)2着、根岸S(GIII)4着などの成績を残した。血統も素晴らしく、その母ベラミスキー、半兄イヴニングスキー、半弟ベラミチケット、同ブリッジクリアーも宇都宮の主要重賞を勝っている。本馬の父は仕上がり早のアドマイヤムーン。今年のJRAブリーズアップセールで一番時計を叩き出した脚力は信頼できる。芝・ダート兼用で早い時期の2歳戦を賑わすはず。

●リルチャン(牝 栗東・宮徹 父ディープインパクト、母ゲーリックキャット)
 半兄ウィルビーキング(父グラスワンダー)はOPクラスまで出世した。父がディープインパクトに替わった本馬は配合的に見どころがある。母方に入るVaguely Nobleは、2代父がAureoleで、Aureoleはディープの5代母Hypericumと4分の3同血の関係にある。したがってディープと相性がいい。ボレアスとマウントシャスタの兄弟、トーセンラーとスピルバーグの兄弟はいずれもVaguely Nobleを持っている。「ディープ×Storm Cat」もジョングルール、ミッキーオーラ、サクセスシルエットなどが出ており悪くない。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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