東京ダービー(6月6日 大井 サラ3歳 定量 南関東SI 2000m)
東京ダービーは、南関東クラシック第2弾、今年58回目の歴史を刻む。平成に入り、三冠システムはさまざま変遷を繰り返したが、その13年、トーシンブリザードが当時あった東京王冠賞を含む四冠達成。
以後、現在の羽田盃→東京ダービー→ジャパンダートダービーと路線がすっきり確定した。同時にそう考えると東京ダービーの今昔というもの。位置付け、意味合いが大きく変わった感もある。
かつては3歳馬頂点を極める最終決戦、今はJRA・ユニコーンSと並ぶ本番・JDダービー=GI」への準決勝――。いずれにせよ南関東勢は、ここで“レベル”を示す必要があるだろう。
昨年覇者クラーベセクレタは本番3着(入線)。有力どころの故障(パンタレイ、ゴールドメダルなど)が目立つ今年だが、反面クラシックへ近づくだび、これは…という新星も出つつある。ひとまず準決勝らしい濃密なレースを期待したい。
(1)…波乱含み。1番人気[4-1-1-4]は微妙と思える数字だが、現実に4着以下が1度もない。対して2人気[1-1-4-4]、3人気[1-2-2-6]と低調。1人気から薄目がセオリー。
(2)…川崎VS船橋。川崎=5勝、2着5回は他重賞と比較して驚異的な記録といえる。もっとも船橋=4勝、2着2回もイメージ通り(素質馬揃い)悪くはない。ホーム大井=1勝、2着3回がむしろ問題。
(3)…実績微妙。羽田盃優勝馬=3、1、8、1、3、8、10、3、4、1着、同2着馬=10、2、2、2、8、1、4、不、1、10着と微妙な数字。最も実績があるのは京浜盃好走馬だが、今年はパンタレイ、ゴールドメダルとも故障回避。
(4)…自在脚質。逃げ=2、先行=3、差し=10、追込=5。好位から息の長い末脚が要求される。牝馬[1-0-0-7]。近年快挙は昨年クラーベだけだが、かつてロジータ圧勝からも大きな減点はない。
※データ推奨馬
◎エミーズパラダイス…道営→船橋・川島正行厩舎トレードで本格化は、昨年クラーベと同パターン。同調教師は東京ダービー5勝(歴代1位)、戸崎圭太騎手は4勝(歴代2位タイ)と抜群の成績を残している。前走羽田盃2着はもちろん、前々走古馬GIII・マリーンC4着が絶対能力の証明だろう。流れなりに動くレース巧者。父フサイチコンコルド(日本ダービー)なら距離二千も不安はない。
☆ ☆
◎プレティオラス 56本橋
○アートサハラ 56今野
▲エミーズパラダイス 54戸崎
△ジャルディーノ 56真島
△プーラヴィーダ 56吉原
△スカイインテンス 56張田
△ダイヤモンドダンス 56的場文
ゴールドキャヴィア 54武豊
キタサンツバサ 56石崎駿
ベルモントレーサー 56山崎誠
ブルーソング 56町田
キョウエイロブスト 56柏木
最近あまり聞かなくなったフレーズだが、“戦国ダービー”、今年はそんな言葉が連想される。羽田盃が波乱の結果(8→3→9→11番人気)に終わったこと、京浜盃1〜2着馬が直前故障リタイアしたこと。出走16頭、その大半が流れひとつで脈ありだろう。人気とオッズがどうなるか、正直それ自体が読みにくい。
プレティオラスの逆転に賭けた。道営通算13戦2勝、キャリア自体はいかにも地味だが、現実に前走羽田盃3着(同着)。4コーナー大きく離れた11番手から1頭別次元の脚を使った。上がり37.5秒はむろんメンバー中最速で、例えば勝者アートサハラ=40.5秒と比較してもケタ外れ。仮に3〜4コーナー、10馬身圏内に位置していれば、一気に突き抜けさらにちぎった計算になる。
父フィガロは、アンパサンド、ハーミア、パンタレイを送り、南関東クラシック向きを実証済み。追って達者な本橋J、着々と実績をあげる新進・森下調教師、同スタッフにも期待感がある。
とはいえ羽田盃上位組、勝者アートサハラ、2着エミーズパラダイスには十分な地力を感じる。両者とも好機に動くセンスがあり、最後競り合いでもうひと脚使うしぶとさ。とりわけ前者は父マンハッタンカフェの奥手血統。今回レースぶりしだいで、JRA相手JDダービー=GIでも大きな夢が浮かんでくる。
プーラヴィーダは評価に迷う。一昨年マカニビスティー(優勝)と同パターンの転入で、実際JRAダート千八2勝。ただ前走兵庫CS3着を含めレースぶりはジリっぽく(記者印象)、イメージ(JRA上位)ほどの能力ははたしてどうか。それなら、ジャルディーノ、スカイインテンスの充実度も差がない気がする。
もう1頭、悲願のダービー制覇に挑む的場文Jは今回ダイヤモンドダンス。羽田盃5着、渋い末脚があるリンカーン産駒で、混戦ならの望みは残す。