さきたま杯(5月30日 浦和 サラ4歳以上 別定 jpnII 1400m良)
○(1)セイクリムズン 1分25秒8
◎(2)ナイキマドリード 8
▲(3)トウショウカズン 首
△(4)トーセンピングス 3/4
△(5)スーニ 4
………………
(6)グランシュバリエ
△(9)スターボード
△ ダイショウジェット 競走除外
単150円 馬複1390円 馬単1800円 3連複610円 3連単3760円
セイクリムズンが圧勝した。好スタートからごく自然流の先行策。道中緩みのないラップ(36.5-48.7-60.3秒)を快調に刻み、直線GOサインとともに後続を大きくちぎった。交流G、それも短距離での“8馬身差”は珍しい。
同時に、黒船賞→東京スプリント→かきつばた記念→さきたま杯、およそ3か月で4競馬場を完全征服。何よりそのタフさ、逞しさに、改めて驚かされる。
「馬の気持ちにまかせてレースをした。(ハナを切ったのは)状態がよかったこと、力があること。終始余裕を感じたし、今から秋のGI(川崎・JBCスプリント)が楽しみです」(岩田康成騎手)
セイクリムズンは、前述通り今季短距離G4連破。少なくともこの日「さきたま杯」に限っていえば、21〜22年連勝スマートファルコンをはっきり凌ぐ強さとみえた。
36戦14勝、内地方G5勝。父エイシンサンディ(未出走)はサンデーサイレンス直仔としては異色のタイプで、ここまでミツアキサイレンス、マルヨフェニックス、ブライズメイトら地方ダート活躍馬を次々と送っている。
「使い詰めなのに今日もいい結果を出してくれた。夏場はゆっくり充電させます。距離、コースなど、さまざま対応できるよう調教してきたつもりだし、まだまだ昇り目があると思う」(服部利之調教師)
10月3日大井「東京盃」→11月5日川崎「JBCスプリント」が予定のローテ。最終目標GI・川崎千四は、いかにも完全燃焼のイメージが浮かぶ。
2着ナイキマドリード。前走(東京スプリント)後、やや反動が出たと聞いたが、結果的に地力とコース適性で連対を確保した。今回8馬身差は大きいものの、状態と展開を総合すればそのまま力量差とも思えない。むろん同馬も最終目標は川崎GI。そこまで体調をどう整えるか。
トウショウカズンはスタート1完歩目で大きく躓き、結果それが最後の詰めに響いてしまった。パドックなど、のびやかかつ悠揚とした雰囲気で、ダート強者の風格十分。クロフネ×フジキセキの背景からも、今後地方Gの主役になりえる。
トーセンピングスは2番手追走からあわやの粘り。南関東転入、水が合ったことは間違いなく、もう少し距離があれば(千六〜千八)交流Gでも通用する。一方スターボードはいい感じで外め3番手から失速した。まだ断定はできないが、同馬は本質JRA仕様、軽い馬場向きの感もある。スーニは向正面いったん追い上げて直線ジリ貧。
「(行き脚は)いい感じになってきた。あとは気持ちの問題でしょう」(川田騎手)
昨秋の強烈な鬼脚が、どこでどう甦るか。川田Jが言う“気持ち”が、結局競馬のミステリー的な面白さなのだとはひとまず思う。