先週末より地方競馬では「ダービーウィーク」が始まっている。6月1日(金)は「九州ダービー・栄城賞」(佐賀競馬場)、土日を挟み4日(月)は「岩手ダービー・ダイヤモンドカップ」(盛岡競馬場)、そして5日(火)には門別競馬場にて「第40回北海優駿」が行われた。
この日の門別は、今の時期特有の海霧がかかり、やや肌寒い気候だったが天候の心配はなく、良馬場での開催となった。
北海優駿は最終12レース。11頭がエントリーしてきた。メンバー中唯一の重賞勝ち馬であるニシノファイターが1番人気で、ハイタッチ、アベニンプレジャーと続いた。
午後8時35分。4コーナーポケットのゲートから一斉に各馬がスタートし、最初のゴール板を一団となって通過して行く。ハイタッチが先行し、ゲンキ、ニシノファイター、アベニンプレジャー、セーラパシフィックが追う展開である。
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ニシノファイターが勝利
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笑顔の口取り撮影
ハイタッチが先頭で各馬が4コーナーを回ると、2番手につけていたニシノファイターが抜け出しを図るものの、他の各馬も猛然と追走し、なかなか差が開かない。ようやくゴール前わずかのところで4分の3馬身だけニシノファイターがリードし、2着以下はほぼ横一線に並ぶ白熱した戦いとなった。2着はアベニンプレジャー。頭差の3着にハイタッチ。4着、5着もともに頭差でゴールドバージ、ゲンキと入った。
ニシノファイターは堂山芳則厩舎所属。小国博行騎手が騎乗。馬主は西森鶴氏。父フォーティーナイナーズサン、母ローレルセレナーデ(その父サザンヘイロー)という血統の牡3歳馬で、生産は新ひだか町のニシケンファーム。
ニシノファイターは昨年5月に門別でデビュー勝ち(認定)した後、8月に2勝目をマークし、その後南関東に遠征していた。10月5日には大雨の不良馬場で行われた「鎌倉記念」(川崎)を9番人気で制する金星を挙げている。
11月「平和賞」(船橋)、12月「全日本2歳優駿」に出走後、北海道に戻り、5月10日「マイネルラヴ賞」(北海優駿トライアル)を勝って本番に臨んでいた。
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小国騎手は同レース初勝利
なお、鞍上の小国博行騎手は同レース初制覇。また堂山芳則調教師は、09年アラベスクシーズ、10年クラキンコ、11年ピエールタイガーに続いて同レース4連覇の偉業を達成した。また、副賞として、JBC協会・ダーレースタリオンより馬主の西森鶴氏に来年度のディープスカイ号の交配権利が授与された。
勝利騎手インタビューで小国博行騎手は「前回はライバルたちにマークされながらの展開でしたが、今回は自分の方が相手をマークする展開。道中は南関東で揉まれてきているせいか、テンがやや引っ掛かりました。この馬は競られると強いんですが、直線では思っていたよりも早めに先頭に立ってしまった感じです。勝てて本当に嬉しいですね」と笑顔を見せた。
また「先生(堂山調教師)にはいろいろな形で迷惑をおかけしていますので、この馬でもう一花咲かせてもらった気がします」と続け「この馬は今後古馬と対戦させて行きたい」とも語っていた。
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パドックは人がまばら
ところでこの日の門別は入場者が673人と、前年並みだったものの、売り上げは1億6944万円400円と、昨年より1700万円減少した。場内を歩いていても、やや活気に乏しい印象で、3歳馬の頂点を決める記念すべきレースであることを考えればもう少し盛り上がりがほしいところだ。
ホッカイドウ競馬三冠の第一弾は開幕日に行われた「北斗盃」だったが、このレースを制したロクイチスマイルが出走して来なかったのも要因の一つかもしれない。せめて、千人はほしい。
この後、ダービーウィークは、6日「東京ダービー」(大井)、7日「兵庫ダービー」(園田)、8日「東海ダービー」(名古屋)と続く。
現行ではさまざまな制約があり、ダービーウィークと銘打っても馬券発売などの面でこれ以上の連携は難しいのだろうとは思うが、せっかくこの時期に日程を集中させるからには、もう少しインパクトのある企画ができないものか。せめて「ダービーウィーク6重勝馬券」くらいは何とか実現してもらいたいと思う。