【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・エプソムC(GIII)
・ダノンシャーク
中10週でも坂路での調教本数を十分に積んだ結果、2着だったのが前走のマイラーズC。今回も中6週と少し間隔が空いたが、坂路での調教本数はすでに二桁を超えており、量に関する問題はまったくない。最終追い切りの動きだが、3馬身ほど先行するエーシンパナギアを追走する坂路での調教。じわじわ差を詰めていくと、最後は軽く仕掛けられた程度で、3馬身の差をつけた。ラスト1F12.6秒で、このラップが最速でなかった点だけが気になるが、4F52.5秒は自己ベストを更新する速い時計。高速馬場の東京芝に最適な追い切りが出来たと考えてよいだろう。
・トーセンレーヴ
前走2番人気8着に終わったマイラーズC後はノーザンFしがらきへ放牧。5月15日に栗東へ帰厩してからはバリバリ調教されており、その本数は十分すぎるくらい。また前走時の当コラムでも記したように、水、日というリズムでの追い切りがこの馬のパターン。前走時はそれが崩れていたので、軽視したが、今回はそういった点は一切ない。1週前追い切りは単走だったということもあり、目立った動きではなかったが、今週の最終追い切りはCWで併せ馬。バーディバーディを追走する形だったが、内から交わすと追われて伸びた。最後は3馬身近く先着しており、ゴール板を過ぎてからもしっかり。ここを勝って放牧に出して、秋は大舞台へ、そんなイメージの沸く目一杯の仕上げに映った。
・レッドデイヴィス
中山記念ほどではなかったにせよ、雨馬場だった前走マイラーズCでメンバー最速の推定上がりを使えたことを考慮すると、渋馬場で極端にパフォーマンスを落とすわけではないのだろう。むしろ6キロ絞れていた馬体重の要素が切れに繋がったと考えた方がよい。この中間は在厩のまま調教が続けられたこともあり、本数は十分な仕上げ。1週前には坂路でサンライズベガと併せて4F51.5秒で先着。この動きで力が出せると判断した音無秀孝調教師は、今週の最終追い切りを単走に。坂路4F52.9秒とこの馬にとっては決して速い時計ではないが、レース週に速い追い切りで結果が出ないタイプだけに、このパターンは好走に繋がりそうだ。
◆土曜東京11R・アハルテケS(OP)
・ナムラタイタン
前走は58.5キロの斤量よりも、1400mの距離に戸惑いがあったような感じ。今回は3戦3勝の東京ダート1600mに戻って、本領発揮といったところだろう。中3週で2本という調教本数は基本的に少ないのだが、それでも勝利経験があり、本数には特に問題はない。むしろ、最終追い切りをしっかり追って、速い時計を出しているかという点がポイントになる。今回の最終追いは前走時とほぼ同じ時計でのDP追い。しっかり追われて伸びていたし、今回の状態で負けるようなことがあれば、斤量に敗因を求めることになるだろう。
◆日曜阪神11R・天保山S(OP)
・ファリダット
ダートに転戦してからの3走。不良馬場だったコーラルS以外は、中身の濃いレースぶりとなっている。今回のメンバーなら、必然的に上位人気になるが、不安な点がある。それが調教本数。中3週でDPでの2本の調教というのが今回だが、ダートでの2着、1着時には標準の調教本数をこなしていた。それが今回は少なくなっており、芝好走時代にも調教本数が多かったことを考慮すると、今回の調教内容が万全だとは言えない。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・エプソムC(GIII)
・モンテエン
6日の最終追い切りは3歳未勝利ウエスタンスマイルと古馬サイクロンフォースを6Fで1.6秒追走から、直線で内に入りラスト1Fビシッと追い切った。外のウエスタンスマイルを突き放すことはできなかったが、中のサイクロンフォースには1秒先着し、6F79.2-3F37.8-1F13.0秒の好タイムをマーク。先週の時点では多少重さが残ったものの、このひと追いでキッチリ仕上がってくれるはずで、休み明けを叩いて3戦目の上積みは十分に期待できる。距離はベストの1800m、東京コースも好相性だけに、強敵が揃った今回も好戦は必至。好位から巧く立ち回れれば、初の重賞勝ちのビッグチャンス。
◆日曜東京10R・ジューンS(1600万下)
・サクラクローバー
前走は京都へ遠征してのパールS。昇級戦でペースが上がった3角で反応できずスッと離されてしまった。そのぶん差を挽回できず0.3秒差の6着。ペースに慣れればすぐに通用を感じさせた内容。この中間も順調に乗り込まれ1週前に4F51.5-上がり37.5秒を目一杯追われ、さらに直前も格下を1.6秒追走して51.8-上がり38.2秒を一杯に追われた。牝馬が馬体を減らすことなくハードに追えるのは充実の証。ベストのマイル戦で勝機。
◆日曜函館11R・UHB杯(1000万下)
・ラインアンジュ
叩き2戦目の前走。間違いなく体調は上がっていたのだが、やはリスタートが悪く直線だけの競馬。それでもコンマ5秒差(8着)まで追いあげたように、能力は文句なく、すべては「ゲートの出」にかかっているといっていい。その後は早めに函館に移動して、2週続けて軽快な動きを披露。滞在効果で落ち着きを保てているのが何よりの好材料で、これなら一変があって当然だろう。しかも4歳馬なので、今回は一千万からの再スタート。再び手綱をとる四位騎手が、発馬には細心の注意を払うはずで、出足さえつけば勝ち負け必至とみる。
◆土曜東京9R・稲村ヶ崎特別(500万下)
・ストーンヘンジ
昨年の秋以来の競馬になるが、5月から調教を再開。今週のウッドチップは雨の影響でバテやすい馬場だったため、69.2-40.3秒と時計自体は平凡だったが、最後までビッシリ追われても、脚どりは乱れずにゴールイン。稽古ではそれほど動くタイプではなく、これだけ追えれば心配なし。500キロを超える大型馬だが、動き・馬体に重苦しさはなく、9分以上の仕上がりを見せている。東京開催8週目で差しやすい馬場になっているもの好材料。足踏みせず、降級戦は一戦で決める。
・トウショウバラード
格下レッドアヴァロンに合わせた程度だが、好気合で素軽さ満点の動き。入念に乗り込んで前走時の状態をキープしている。未勝利脱出に時間を要したが、好馬体の持ち主で、トウショウシロッコ、トウショウウェイヴといった兄弟に近づいてもおかしくない器。スロー→決め手勝負の競馬が続いたぶん、時計は出ていないが、流れが速くなっても十分対応できる能力の持ち主。ここでも通用する。