前回、晴れてダービージョッキーになった岩田騎手がどんだけ頑張り屋さんでいい人か、というのを書きました。今回はその続き・・・のつもりはないのですが、結果的にそうなってしまうみたい(笑)。
そう、デビュー当時から何度となくこのコラムで追いかけているウインバリアシオンですが、宝塚記念では岩田騎手への騎乗が決まりましたね。6日水曜日、さっそく2週前追い切りに騎乗していました。その翌日、7日木曜日の調教も岩田騎手はウインバリアシオンにつきっきりで稽古をつけていたのです。
「宝塚記念まで2週間。なるべく多く跨って、勝つための調教をしていきたい」と岩田騎手。やる気満々です。
では、具体的にはなにをしているのでしょう? まぁ、早朝4時半からウインバリアシオンの馬房に現れて手入れの手伝いをするのは当たり前。その後、厩舎周辺のウォーミングアップに始まり、コースへ向かう道のり、コースでの周回、そして上がり運動まで。
本当に岩田騎手は熱心
なるべく多くの時間、ウインバリアシオンの背中に跨っているのです。特にコースでは「肺をもっと膨らますようなイメージで、ゆったりと深いかんじで走らせていきたい」とのことでした。
これまで、ウインバリアシオンは多くのレースで最速の上がりを記録してきたものの、勝負では結果的に勝ち味の遅い内容を繰り返してきました。もちろん、これがそれまでの最善の結果でしたが、今回、勝負強い岩田騎手に変わってレースぶりが一変するかもしれませんね。
上がり運動の途中、カメラを向けると岩田騎手は「まだ完成していない。再来週、撮って」と声をかけてきました。その理由を聞くと、前述のような方法で「いまウインバリアシオンを“変えて”いる途中」(岩田騎手)なのだとか。「宝塚記念の週には、きっと体つきも変わっているはず。まぁ見てて」と自信たっぷりでした。
ちなみに来週の水曜は岩田騎手は栗東にいないので追い切りには騎乗できないようですが、実に残念そう。「追い切りどころか、土日もまたがりたい心情」(岩田騎手)というから、この人にはほんとに頭が下がります。
なお、ウインバリアシオンは天皇賞(春)の頃から比べて少々体高が伸びたようです。
「天皇賞・春の頃で完成したと思ったけれど、まだ成長している。こちらが思っている以上にこの馬の奥は深いね」と調教パートナーの中山助手も愛馬のさらなる成長ぶりにニッコリ。
また、栗東も日中はだいぶ暑くなりました。ウインバリアシオンは2番乗りと呼ばれる午前8時くらいの時間帯に調教することが多かったのですが「暑いから明日(8日金曜日)からは調教時間を朝一番(午前6時)に変更するよ」(松永昌師)とのことでした。
シルポートは放牧へ
先週の安田記念は3頭出しだった西園厩舎ですが、サダムパテックとコスモセンサーはいずれも放牧に出ました。最後に残ったシルポートもまもなく放牧に出るとのこと。「残念だったけど、3頭ともよくがんばった。秋もまた応援してね!」と西園師。師の標的はマイルCSに切り替わっているようです。