スマートフォン版へ

エプソムC、ダノンスパシーバ・佐々木師の作戦は!?

  • 2012年06月07日(木) 18時00分
 先週で「東京競馬場、5週連続GI」の最後を飾る安田記念が終わり、いよいよ今週から夏競馬に突入です!

 張り切ってトレセン内を取材していると、ダービージョッキー・岩田康誠騎手を発見!「おめでとうございます!」とお祝いを言うと、「ありがとう!」と笑顔で応えてくれました。

 涙のダービー制覇までの道のりを「レースまでは、ホントに自分を追い込んで馬と向き合っていたね」と振り返り、さらに「でも、(勝ったからといって)これで答えが出たというわけじゃない。(勝ったことで)ますます、競馬の奥深さを知ることができたよ」と話してくれました。

岩田騎手

ダービージョッキー・岩田騎手

 で、その岩田騎手。今週さっそく話題の新馬に跨ります。その馬は、ディアマイベイビー。07年朝日杯FSの勝ち馬、ゴスホークケンの半妹です。もちろん、水曜の追い切りにも岩田さんが乗り「動きもいいね。いい意味で我が強いタイプ。タガノラルフとともに、よく乗り込まれているよ」と、好感触を得た様子でした。

 ディアマイベイビーの新馬戦は、今週6月10日阪神、芝1400の予定。また、岩田さんの話しに出てきたタガノラルフも松田博厩舎期待の1頭です。こちらは、6月9日(土)阪神芝1200mで初陣。このほかにも、ドリームパスポートの半弟ラウンドワールドなど松田博厩舎には良血2歳馬が目白押し。今年の夏競馬は、マツパク厩舎から目が離せませんね。

 さて、今週のエプソムCは安田記念除外組と、今年から新設されたサマーマイルシリーズを狙ってくる次世代の中距離巧者が集う一戦です。

 好メンバーで争われますが、そのなかで僕が注目しているのはダノンスパシーバで。佐々木先生は「能力はあるんだよ。でも、少し注文がつく馬でね…」と意味深な発言。その「注文」の内容について聞いてみると「内側に馬がいるぶんにはいいんだ。でも、外から並びかけられると、走る気をなくしちゃう」んだそうです。

 なので「今回はロスを承知で外から競馬をするよ!」と佐々木先生。

ダノンスパシーバ

ダノンスパシーバ体調良好

「追い切りでは、坂路で53.5-12.5秒を出した。これで気合いが入ったはず。東京コースでは2着にきたこともあるし、体調はいい。ここらでタイトルがほしいね!」と先生が強気のコメントをすると、担当の田重田厩務員も「体調は万全」と、やはり勢いのある話しをしてくれました。

「ほら、この脚元を見てごらん。真っ直ぐだし、体つきも丈夫そうだろ〜。この馬は、飼い葉食いもいいし、レースに向けての体を自分で作っていくんだよ」と田重田さん。ほとんど手のかからない、いい子なんだそうです。もう、べた褒めでしたよ。

 ちなみに、田重田さんは厩舎の看板馬・アーネストリーも担当する腕利き。こちらも宝塚に向けて、万全とのことでした。

 さて、同じく初タイトルを狙っているのは、池添厩舎のシルクアーネスト。前走の湘南S(5/6、東京芝1600m)を勝って、ここへ駒を進めてきました。

シルクアーネスト

シルクアーネスト精神面成長

 担当の坂井助手は「最近、馬が大人になってきたよ。これは、調教パターンを日によって替えるとか、工夫してきたのがよかったのかもね。以前はムキになるところがあったけど、今は落ち着きがある」と愛馬の成長に目を細めます。

「前走は7〜8分のデキだったけど、今回は上積みありだからね。最後は確実に伸びる馬だし、ここでいい結果を出して、サマーシリーズに行きたいよ」と坂井さん。

 ちなみに東京コースは、これまで4戦して3連対。唯一連を外した昨年の安田記念は、調教本数が圧倒的に少ない状態での出走でした。しっかり乗り込んで臨む今回は期待大です。

 レッドデイヴィスは安田記念に賞金不足で出走できなかった悔しさを、ここにぶつけます。今回は浜中騎手とのコンビが復活。気性が激しく、セン馬になったデイヴィスを、浜中騎手は「レースでは素直で乗りやすい」と評します。

 自身が乗って勝利したシンザン記念、毎日杯を「強い相手に、爆発するほどの力を発揮してくれました。あの時の気持ちが今回戻って来てくれれば…、秋も楽しみになるんですけどね」と早くも秋の大舞台を意識した発言。

 また、今回のレースに関しては「東京コースは、コーナーが2つあるんで、外枠は避けたいですね」とのことでした。

 このほか、ダノンシャークには、ただいま絶好調のユーイチが騎乗。この後はアメリカ遠征が決まっており、アメリカで「自分の技術を試したい。もっと、巧くなって一番人気を一番に持ってこられるようにする!」と張り切っています。それだけに、ここは是非とも勝っておきたいところでしょう。

 今週のレースは、重賞では秋のGIでの活躍馬が、新馬戦では来年のダービー馬が出てくる…そんな貴重なレースが展開されるかも。これは、競馬場で観戦したいですね!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング