東京ダービー(6月6日 大井 サラ3歳 定量 南関東SI 2000m良)
◎(1)プレティオラス 2分06秒8
△(2)プーラヴィーダ 3/4
▲(3)エミーズパラダイス 首
△(4)ダイヤモンドダンス 2
○(5)アートサハラ 頭
…………………
△(6)スカイインテンス
△(7)ジャルディーノ
(9)キタサンツバサ
(14)ベルモントレーサー
(15)ゴールドキャヴィア
(16)キョウエイロブスト
単1490円 馬複4360円 馬単10880円 3連複5010円 3連単48930円
プレティオラスが豪快に差し切った。道中最後方は羽田盃と同ポジション。しかし今回の場合、3~4コーナー、GOサインからの反応が一転してスムーズだった。直線入口、軽く気合をつけた程度で馬群にとりつき、あと1ハロン、イメージ通り自慢の末脚を爆発させた。
「羽田盃で(好勝負の)感触はつかんでいたし、今日はあまり離されないことを意識した。嬉しい。凄い脚を持った馬です」(本橋孝太騎手)
同Jは23歳、若手のホープ。何度か書いたことだが、度胸の座った乗りっぷり、勝負勘の鋭さがひときわ目立つ。プレッシャーを逆に楽しめる、そんなタイプか。ダービー3度目の騎乗で早くもチャンスをものにした。
さておきプレティオラス自身も、いわゆるシンデレラボーイに近いだろう。この日を含め14戦3勝、エリートとは大きく遠い道を歩み、しかし文字通りピークを迎えた本番で、個性と特徴を100%燃焼させた。
「最高に仕上がった感触はありました。それでもダービーだから半信半疑。本橋くんと厩舎スタッフにとにかく感謝の気持ちです」(森下淳平調教師)
同師は昨年から大きく飛躍した気鋭の若手トレーナー。終わってみれば2着プーラヴィーダとワンツーで、いきなりダービー史上に残る快挙となった。2頭とも、次走はGI「ジャパンダートダービー=7月4日」を予定。今回二千2分06秒8なら平年レベル(昨年クラーベセクレタ=06秒7)といえ、相手と展開しだいでソコソコ好勝負が期待できる。
もうひとつ、フィガロ産駒のワンツーも、今回特筆すべき結果だった。プレティオラス→プーラヴィーダ。現時点では切れ味の前者、パワーの後者、そんな評価か。フィガロ自身はJRAデビュー2連勝、朝日杯3歳S3着だけで引退した(その父フューチャストーム)。数少ない産駒からアンパサンド(東京ダービー)、ハーミア(関東オークス2着)などが現われ、南関東クラシック、隠れた名種牡馬の位置を築いている。
もっともこれは同時に、オーナー・伊達泰明氏、生産・サンシャイン牧場の功績であるだろう。この2頭、プレティオラス=ダンスインザダーク、プーラヴィーダ=アフリートが、それぞれ母方の父。毛色、体形などまったく違う点も興味深い。
エミーズパラダイス3着。羽田盃よりじっくり仕掛け、直線絶妙のタイミングで先頭に立ったものの、結果牡馬に力負けした。切れとセンスが身上で本質マイル向きかもしれない。アートサハラは羽田盃同様3コーナーから動いたが、直線ややフラつき気味で当時ほど弾けなかった。それでもごく客観的にみて1~2着馬とは能力互角。今後も中~長距離部門、いいライバルになるだろう。
以下、後方からしっかり伸びたダイヤモンドダンス、スカイインテンスまで合格点。中途半端な先行で失速したキタサンツバサ、ベルモントレーサーは、今回収穫が薄かった。