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マーメイドS、函館スプリントS、バーデンバーデンC追い切り診断

  • 2012年06月14日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・マーメイドS(GIII)
・グルヴェイグ
 2011年オークスでは3番人気に支持された馬。超良血がようやく軌道に乗ってきた、そんな勢いを感じさせる、ここ2戦の連勝と言えよう。中1週での出走となるだけに、調整の難しいところだが、中間の調教量は決して緩められておらず、坂路での15-15を順調に消化。最終追い切りは前走時と同じCWでトーセンケイトゥーとの併せ馬。先行して内を回っていたことを考えると、同入という結果は決して高い評価はできないが、常に併せ馬では先着しないようなタイプなので、これでいいのかも知れない。

・エリンコート
 オークス優勝後は4戦続けて二桁着順。陣営も立て直しに懸命の調整を続けているが、なかなか結果が出ていない。今回は少し間隔を空けて、調教量も以前のように本数多いものではなく、標準程度にとどめての調整となった。その効果なのだろう、1週前追い切りでは坂路で4F時計の自己ベストを更新。そして最終追い切りでは、ムスタングリーダーの後ろにつけて、横に並びかけると、相手を突き放す豪快な動きを見せた。最後は3馬身ほど先着して、4F52.9-1F12.2秒をマーク。今回の追い切り内容で目処が立つ結果が残せないようであれば、復活への道は険しいのではないだろうか。

・アグネスワルツ
 最終追い切りの調教場所を坂路からDPに変更して、1着となったのが6走前。それからはほとんど最終追いにDPを選択しており、今回も同じくDPでの最終追いとなった。坂路を併用しながらの調整もこれまでと変わりなく、最終追い切りの時計、動きともに前走時と大きな変化はない。ただ3歳以降に挙げた2勝時の中間の調教では本数の多い調教量となっており、今回は標準の本数。調教から好走の鍵を探すとすれば、動きや時計ではなく、本数ということになるので、今回も高い評価はできない。

◆日曜福島11R・バーデンバーデンC(OP)
・ファインチョイス
 前走は少し目先を変えた最終追い切り坂路という内容だったが、レース結果には変化なし。正直、2歳時の勢いがなくなってきたのだが、ハンデ50キロという斤量に魅力を感じるファンは少なくないはず。この中間はいつも通りの併用調教に戻して、最終追い切りはDP。その動きに期待したが、ラスト1Fがやや時計を要すような数字になり、抜群の動きを見せていた函館2歳S時の雰囲気はない。正直、斤量の恩恵でどこまで好走できるか、疑問の方が大きい。

◆土曜阪神11R・水無月S(1600万下)
・エーシンヒットマン
 休養明けとなった前走彦根Sを快勝。この中間はグリーンウッドへ放牧に出ており、再度リセットしての仕上げ。それでも1週前の坂路では4F53.2秒をマーク。絶好調時には少し遠いものの、悪くない仕上げという印象だった。そして最終追い切り。前走時と同じCWで行われたが、先行していたアンビホールドゥンを射程圏に入れると、あとは突き放すだけ。時計自体はほぼ同じ数字だったが、ラスト1Fが前走より少し遅かった。正直、8分程度の仕上がりに映るが、ここは降級戦。余力残しで勝ち上がって、重賞戦線へ送り込みたいというところだろう。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜函館11R・函館スプリントS(GIII)
・ロードカナロア
 高松宮記念3着のあとは放牧に出されていたが、5月1日に栗東に帰厩。その後は今回の函館スプリントSを目標に、熱心に乗り込まれてきた。戻った当時は心身ともに緩んだ状態だったが、函館に移動してからは次第に戦闘モードに。6月1、6日、そして10日にウッドで時計を出して、水曜の追い切りでは馬なりで66.3-51.0-37.6秒をマーク。9分以上の仕上がりといっていい。最内枠を引いた高松宮は終始気を使う走りで1番人気に応えられなかったが、それでも勝ったカレンチャンとはコンマ1秒差。GIIIのここなら能力上位は間違いなく、絶好調=福永騎手がキッチリと結果を出すはずだ。

◆日曜福島11R・バーデンバーデンC(OP)
・テイエムオオタカ
 稽古駆けで定評のある馬とはいえ、ここ2週がスピード感満点で絶好の動き。1戦ごとに馬体も締まり、今回の休み明けでは1番の状態と思える。意外と逃げ馬には苦しい福島1200mだが、2〜3番手で競馬ができる同馬にはピッタリと思えるコース。昨年の函館スプリントでカレンチャンとクビ差の勝負をしたように、小回りの短距離では能力も一枚上。オープン特別では負けられない。

・インプレスウィナー
 長いスランプがあったが、ようやく抜けて本格化気配を見せている。今週はポリトラックで65.5-37.6秒、格下馬に4馬身先行する形を取ったが、最後は抑えるほどの手ごたえで、2馬身差先着したままゴールイン。格下馬をまったく相手にせず、追えば何馬身突き放していたか判らないほど、勢いのある走りだった。重賞3着の後になるが、反動・疲れの心配は一切なく、絶好調をキープ。ハンデも56キロ止まりなら、不安材料にはならず、人気でも信頼度の高い中心馬になる。

・ビウイッチアス
 桜花賞を見送って適距離の1400を選択して臨んだ前走のマーガレットSだったが、悪い馬場に脚を取られ力を出し切れず大敗。参考外のレース。この中間は馬体回復とリフレッシュを図り放牧に出されたが、帰厩後は入念に乗り込み、1週前に4F49.1秒をマーク。そして、直前も終い抜群の手ごたえで鋭く反応し4F51.3-上がり37.3秒。前3走は最後の1Fが13秒台だったが、今回は12.1秒と息使いの確かさをアピール。ベストの1200で巻き返し必至。

◆土曜阪神11R・水無月S(1600万下)
・シルクウェッジ
 フリーウェイS、6着後中3週のレース間隔となるが、中間はプールとウッド調教を交互に入念な調整ぶり。6日の1週前追いで4F54.9-3F39.4-1F12.2をマークしているためか、13日の最終追い切りは4F57.1-3F41.4秒を抑えぎみの内容。これは関西まで輸送すると馬体が減る傾向にあるだけに、それを考慮してのもので、昨年の教訓が必ず生きるはず。東京1400だと今一歩の粘りがない分、右回り1200に替われば本来のしぶとさが発揮のチャンス。降級組は強敵だが、絶好の展開とデキのよさを味方に好位から抜け出す。

◆土曜福島11R・阿武隈S(1600万下)
・ニシノメイゲツ
 先週コースでビッシリ追い、今週も坂路で意欲的な追い切り。終いしっかり伸びたし、このひと追いで馬体も絞れそうだ。東京競馬を全休して、ここに的を絞った感があり、気合いのりが良好。好状態でレースに臨めそうだ。ここ3戦も着順ほどは負けていないし、馬体の良さは、上でも十分通用するもの。コスモラピュタ、ヤマニンエルブが引っ張る流れなら、好位でピッタリ折り合える。

・ケニアブラック
 4月1日の阪神戦後ひと息入れて2か月半ぶりの一戦。中間は5月27日から速い追い切り時計をマークし、それ以降追い日ごとに入念な乗り込み。6日の1週前追いでは格下のアンレヴマンを2馬身追走から、直線の追い比べにしぶとく半馬身先着。5F67.6-3F36.8-1F12.5秒のタイムは多少物足りなさが残ったが、このひと追いで一気に息もちがアップ。それが13日の動きに表れ、単走で6F80.9-3F38.0-1F12.0秒と、本来の切れ味を感じさせる好内容を消化。これでキッチリと仕上がってきた。元来が少しレース間隔を開けた時に良績があるタイプ。55キロの斤量、一瞬の切れ味が生きる絶好の馬場を考えると、ここは好勝負必至。

◆日曜福島9R・雄国沼特別(1000万下)
・エクセリオン
 3か月ぶりで臨んだ前走の赤倉特別。馬体は仕上がっていたが、スローペースを後方から競馬になったうえ、最後は苦しがって斜行したように息も本モノではなかった。それでも勝ち馬から0.4秒差の6着なら内容は悪くない。今回は中間休ませることなく入念に乗り込まれ、直前の追い切りでゴール前で軽く仕掛けて4F50.9-上がり36.9秒。前走時の4F54.0秒と比べても明らかに攻め強化。今度は詰めの甘さ解消へ鍛えた。

◆土曜福島9R・開成山特別(500万下)
・グレートマーシャル
 今週はウッドチップで6ハロンから、馬場の外々を回って85.8-69.6-40.3秒。単走でも気合のり良く、最後まで余力十分にゴールイン。状態の良くない時の重苦しさは一切なく、最後まで鋭い脚さばきを披露。体にムダ肉もなく、絶好調をアピールしてきた。前走クビ差惜敗の相手は同じ降級馬、今回は前走時と比べれば大幅にメンバー弱化。道悪の鬼で雨予報も大歓迎、状態・条件ともに不安材料はなく、負けられない一戦になる。

◆土曜函館12R・臥牛山特別(500万下)
・ククイナッツレイ
 前走の2400メートル戦は、2番手追走から意外なほど伸びずに4着止まり。微妙に距離が長かったと考えるべきだろう。その点、2ハロン短縮される今回は、仕掛けてからの反応が一変するはず。古馬相手とはいえ、54キロで競馬ができる有利さもあり、若葉S、京都新聞杯での好内容からも、巻き返して当然だろう。水曜にはウッドの併せ馬で遅れたが、これは意識して余力を残したもの(70.3-55.1-41.3秒)。気分よく行かせるより、馬群の中で折り合って進めた方がラストは切れる馬。もちろん勝ち負けの期待がかかる。

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