マイラーとして手堅い活躍が期待できるファインスカイ
●オクターブユニゾン(牝 栗東・高野友和 父メイショウサムソン、母インディスユニゾン)
母インディスユニゾンには出走歴はないが、フサイチエアデール(99年報知杯4歳牝馬特別-GIIなど重賞4勝)の全妹にあたる良血。これにメイショウサムソンを交配して本馬が誕生した。半姉リーチコンセンサスは準OP馬。父メイショウサムソンはダンシングブレーヴを抱えているのでサンデー牝馬と相性が良いはず。2代母ラスティックベルはRaise a Native 2×3というスピード配合なので、父メイショウサムソンの重さを緩和する働きがあるだろう。メイショウサムソン産駒の配合としてはよくできている。芝中距離路線でいいところがありそうだ。
●スギノミラグロス(牡 栗東・浅見秀一 父フジキセキ、母プラチナローズ)
母プラチナローズは福島2歳S(OP)の勝ち馬で、2代母スギノキューティーはフラワーC(GIII)の勝ち馬。母方に入るDeputy Ministerと父フジキセキは相性がよく、この組み合わせからカネヒキリ(ダートG1を7勝)、ミラクルレジェンド(10年クイーン賞-GIII、12年マリーンC-GIII)をはじめ多数の活躍馬が出ている。「フジキセキ×クロフネ」はカラフルデイズ(11年関東オークス-GII)と同じ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●ディアデラマドレ(牝 栗東・角居勝彦 父キングカメハメハ、母ディアデラノビア)
母ディアデラノビアはフローラS(GII)など3つの重賞を制覇。その母ポトリザリスはアルゼンチンダービー(G1)、アルゼンチンオークス(G1)を制した女傑で、母の兄弟姉妹には3頭のG1ウィナーがいる(うち1頭は亜2歳牝馬チャンピオン)。キングカメハメハとの組み合わせに問題となるような点はなく、普通に力を発揮できれば上級クラスに出世できるはず。芝向きの中距離タイプ。
●ニューキングダム(牡 美浦・加藤征弘 父Mr.Greeley、母ダリシア)
母ダリシアはドイツ産馬で、現役時代に同国で芝10ハロンのG3を勝った。父Mr.GreeleyはMr.Prospector系で、現役時代はアメリカでG3を3勝。BCスプリント(米G1)では2着と健闘している。仕上がりの早いマイラー型の種牡馬として成功しており、日本ではこれといった大物は出ていないが、2歳戦で安定して好成績を残している。快速タイプのGone West系にドイツ血統、という配合はノーブルジュエリー(現準OP)を連想させる。芝向きのマイラーだろう。
●ファインスカイ(牝 栗東・角田晃一 父アグネスタキオン、母アサカフジ)
半兄にキョウワロアリング(父サンデーサイレンス/07年北九州記念-GIII)、半姉にキョウワジャンヌ(父ハーツクライ/11年秋華賞-GI・2着)、ヘイローフジ(父キングヘイロー/09年京阪杯-GIII・3着)がいる。名繁殖牝馬は強いクロスを持つものが珍しくないが、母アサカフジはBuckpasser 3×3。これが安定した活力を提供しているのだとしたら、一定以上の能力を持つ種牡馬を掛けた場合、だいたい走ってくる可能性が高い。本馬の父はアグネスタキオンなので素軽いマイラーだろう。
●ポイントキセキ(牝 栗東・須貝尚介 父フジキセキ、母ポイントフラッグ)
皐月賞馬ゴールドシップ(父ステイゴールド)の半妹。兄は「ステイゴールド×メジロマックイーン」という驚異のニックスによって走った。父がフジキセキに替わってどんな産駒が出てくるのか興味深い。「フジキセキ×メジロマックイーン」も案外悪くなく、デビューした3頭はすべて勝ち上がり、そのなかの1頭ウイングシチーはダート路線ながらOPクラスまで出世している。フジキセキ産駒のPrincely Giftが入るパターンは悪くない。いいところがありそうだ。
●ミエノハートハート(牡 美浦・尾関知人 父チチカステナンゴ、母ニフティハート)
シンゲン(父ホワイトマズル/10年オールカマー-GII、09年エプソムC-GIII、09年新潟大賞典-GIII)、ヤングアットハート(父フレンチデピュティ/11年目黒記念-GIII・3着)の半弟。父チチカステナンゴは新種牡馬で、2歳馬は1頭しかデビューしていない。日本向きなのかどうかといった手掛かりはまだ見えない。とりあえず母が優れた繁殖牝馬であるに越したことはないので、ニフティハートの息子であるこの馬には期待が持てる。父のスピード能力がやや不安だけに近い世代にRaise a Nativeが入るのもいいだろう。芝向きの中距離タイプ。