【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・宝塚記念(GI)
・オルフェーヴル
前走天皇賞・春11着後はノーザンFしがらきへ放牧。5月31日に栗東へ帰厩し、その後は入念に坂路での調教を積み重ねている。その本数は非常に多く、時計も速く、調教再審査の影響を受けた前走時とは違う。1週前追い切りは坂路4F51.6秒で済まして、今週の最終追い切り。池添謙一騎手が騎乗してエアラフォンを追走する内容だったが、いつも通り最後は一杯に追われて先着。その内容は好走時とも前走時とも変わらない。前走時にはなかった、右へヨレる癖が出たことは評価していいと思うが、その際に手前を替えたのが好走時。今回は右手前のまま駆け上がっており、これは前走時と同じなので、この動きだけを見るとあまり高い評価はできない。
・ウインバリアシオン
前走後はノーザンFしがらきへ放牧へ出て、5月31日に栗東へ帰厩。6月3日に坂路で15-15の時計を出すと、その後は順調に時計を出している。初コンビとなる岩田康誠騎手だが、追い切りだけでなく、普段の調教から馬に跨ることでコミニケーションを図っており、今回の最終追い切り前にもジョッキー自ら馬の手入れをして追い切りに騎乗したとのこと。その動きだが、CWでエーシンテュポーンを追走しての併せ馬。直線に向くとあっさりと前に出て、最後は突き放す一方。ゴール手前でステッキを抜くと、しっかりと反応し、とにかく動きに関しては文句ない。
・エイシンフラッシュ
ドバイWC後から約3か月ぶりのレースとなる今回。間隔が空いたとはいえ、しっかりと調教本数を積むことができている。最終追い切りを含めて、CWの併せ馬は4回行われているが、すべて先着。その中身も濃いものとなっている。最終追い切りは先週に引き続き、内田博幸騎手が騎乗。先行するロードアクレイムを追いかけたが、4コーナー手前では完全に射程圏。並びかける間もなく、あっさりと交わしてからは突き放すだけ。最後はステッキも入ってしっかり追われ、万全の仕上げとなった。気になる点があるとすれば、直線で何度も手前を替えたこと。ここまで回数多く手前を替えることはなかっただけに、指摘するところがあるとすればそれだけ。
・ルーラーシップ
前走のクイーンエリザベスII世C後はノーザンFしがらきに放牧に出されており、栗東へ帰厩したのは5月31日。翌日には坂路で時計を出しており、調教欄からは順調な調整過程に映る。ただC.ウィリアムズ騎手が跨った1週前追い切りでごく平凡な内容。いつもなら気合が乗りすぎて困るくらいの闘争心剥き出しなタイプだが、そのあたりがない点がやや気になっていた。そして最終追い切り。前日の雨で水分を含んだCWの状態が考慮されての芝コース追い切り。先行するリベルタスの内、追走してきたトーセンケイトゥーの外という位置取りで直線は3頭の真ん中。持ったまま先着するかと思われたが、前に出ていたリベルタスも余力十分で、結果的には同入だった。ただゴールを過ぎてからの勢いはかなりのもの。徐々にこの馬らしさが出てきたというところだろう。
◆土曜阪神11R・米子S(OP)
・ショウリュウムーン
京都牝馬S後は春の阪神開催でのレースを予定され、栗東へは入厩したものの、体調が整わず、いったんグリーンウッドへ放牧に出されていた。そして帰厩したのは5月30日。今回はアクシデントもなく、順調に調教が進んでいる。 特に6月7日の追い切りが圧巻。坂路4F51.3-1F12.3秒と速い時計をマークしながら、余力十分の動き。最終追い切りは好走時に見せる、ラスト1F最速のラップが踏めており、調教本数自体は少ないが、最終追い切りのパターンとしては同じ舞台で行われたポートアイランドS1着時によく似ている。体調が整っているだけに、久しぶりに切れのある末脚が見れそうだ。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・宝塚記念(GI)
・ナカヤマナイト
20日の最終追い切りは格下500万キングジャズと6Fから追走の形で、直線入り口から馬体を内に持って行き、ラスト1Fだけ併せたが、相手一杯に対し、持ったままと抜群の手ごたえで併入。6F82.0-3F37.5-1F12.7秒のタイムは平凡でも、スピード感満点の走りは今期一番の内容。昨春のピークだったダービー時を上回るデキになったことは確かで、ベストの2200mなら底力負けすることもないはず。スタートを互角に出て、いつもより前の競馬で積極策になればビッグチャンス到来。
・フェデラリスト
20日の追い切りはめずらしく、本馬場コースに入って単走追い。6Fからゆっくりとしたペースで進み、5Fから一挙に13秒台のラップ。そして、直線に向いてラスト1Fはまさに重心が沈んだ文句なしの走りで6F77.5-5F59.8-4F46.1-3F33.5-1F10.8秒と実戦さながらの時計と瞬発力で駆け抜けた。大阪杯の後3か月近く間隔があいていることを考えると、この時計の追い切りが実戦で生かされる予感は十分。これで輸送を加味すれば、510キロ台で出走できそうだ。GIクラスだと太目の体では通用は不可で、ギリギリの「馬体まで仕上げないとならないことは確か。一瞬の切れ味が発揮できる流れは必至。好位追走から早め抜け出し策も有効かも。
◆日曜阪神12R・加古川特別(1000万下)
・クラブトゥギャザー
前走の是政特別。久々を叩かれて馬体は絞れたが、ズブい面があり勝負どころでペースが上がった時に対応できず。そのぶん上がり35.7秒の脚を使って大外鋭く伸びたが1/2馬身届かず2着。悔しい内容。今回の追い切りは前走以上にハードに追われ坂路で50.8-上がり37.6秒。稽古駆けするタイプではないだけに前走一杯に追って4F52.7秒と比較しても、今回の50.8秒は特筆といえる。自在の脚質で1800も心配なし。
◆日曜阪神9R・皆生特別(1000万下)
・タツミリュウ
先週ビッシリ追い気合がのってきたし、動きも素軽さ満点。3か月ほど間隔があいたが、状態面はむしろ休み前以上と思える。前走は4角の不利も堪えたが、やはりモマれる競馬が敗因。すんなり好位でレースを進めれば、前々走で見せたように、このクラスを突破する力は十分持っている馬。前走が栗東滞在で結果が出なかっただけに、美浦からの長距離輸送も、いい刺激になりそうだ。
◆日曜福島11R・福島テレビオープン(OP)
・トランスワープ
5月末には調教を再開して、7本の時計をマーク。今週はウッドチップで85.3-68.9-40.2秒、馬場の大外を回ったが最後まで脚どりが乱れることなく、ラスト1ハロンを12.6秒。500キロを楽に越える大型馬だが、動きに重苦しさは一切なく、体全体を使った豪快な走りは迫力満点だった。逃げ馬を突っつき、自らも息が入らなかった前走は、敗因も確か。ハナでも2番手でも、自分のリズムで走れば、重賞さえも意識できる実力馬。状態に不安もなく、ここはキッチリと巻き返してくる。
◆日曜福島10R・鶴ヶ城特別(1000万下)
・ウッドシップ
格上げ初戦の前走後は、降級するここまで待機。2週連続でビシビシと追われ、今週はウッドチップで82.7-66.2-38.0秒。単走でも最後まで気合十分に、力強い伸び脚を披露。動きに久々感や重苦しさはまったくなく、不安のない状態を整えている。前走の大敗は昇級戦というより、ハナをあっさり譲り、慣れない馬込みでまったく流れに乗れなかったのが敗因。中舘騎手騎乗なら迷いはなく、降級戦になる今回は一戦で通過する。
・クレバーデステニー
前走はオープンのマイル戦。気性の強いこの馬にはペースが遅く、ハミを噛んで力んでしまい参考外のレース。今回は4か月ぶりの実戦になるが、急ピッチで調整され、直前の追い切りは坂路コースで4F54.1-上がり39.1秒。気性が勝っているので折り合いに気を使い時計こそ平凡になったが、仕上げに手間取らないタイプらしく、抜群のハイペースは望むところ。緒戦が狙い。
◆土曜福島10R・信夫山特別(1000万下)
・マイネルネオハート
プール調教兼用で多少控えぎみだが、素軽さがあって上々の動き。長距離レースを選んで使っているだけに、間隔が開いているが、太目感はまったくなく、好調子をキープしている。ここ2戦は34秒台の脚を使っているように、決め手勝負にも対応できるようになってきた。福島2600mは500万クラスとはいえ、ファーストグロースの僅差2着したコース。道悪になれば、さらによさが出そうだ。
◆日曜函館10R・長万部特別(500万下)
・ダンツミュータント
前走はコンマ2秒差の2着だったが、3コーナーで大きな不利を受けて、位置どりが悪くなってしまったのがなんとも痛かった。「あれがなければ勝っていた」(藤田騎手)ということなら、ここは何が何でも決めたい一戦だろう。まだキャリアが3戦と浅く、完成途上といった印象だが、逆に使いながらの上積みはかなり大きいはず。典型的なスピード型で、現状では芝の1200mがベスト。スタートを決めて、好位で流れに乗れれば確勝級としていい。
◆土曜函館11R・STV杯(1000万下)
・クロワラモー
水曜のウッドは台風の影響で含水率が高く、走りにくいコンディションだったが、そんな状況下でも軽快なフットワークを披露(71.0-56.0-40.5=馬なり)。滞在競馬ということで、高いレベルで体調は安定している。過去にはこの1000万条件を勝っており、準オープンでも3着の記録が光る実力の持ち主。前走のUHB杯(小差3着)で函館の洋芝適性もしっかりと証明しており、ここは力が入る一戦となる。