ロジユニヴァースとよく似た配合構成のクライナーヘルツ
●ガルム(牝 栗東・松田国英 父シンボリクリスエス、母ライラプス)
母ライラプスはクイーンC(GIII)の勝ち馬で、フサイチリシャール(JRA賞最優秀2歳牡馬)とサイオン(現OP)の半姉にあたる。2代母フサイチエアデールは重賞4勝の名牝。父シンボリクリスエスはDeputy Ministerと相性がよく、この組み合わせを持つ馬にはサクセスブロッケン(09年フェブラリーS-GI、08年ジャパンダートダービー-Jpn1、09年東京大賞典-Jpn1)、マチカネニホンバレ(09年エルムS-GIII)などがいる。芝で実績を残してきたファミリーだが、ダートで大成する可能性がある。
●クライナーヘルツ(牡 栗東・池江泰寿 父ネオユニヴァース、母ライジングクロス)
母ライジングクロスは現役時代にパークヒルS(英G2・芝13f197yds)を勝ち、英オークス(G1・芝12f10yds)2着、愛オークス(G1・芝12f)3着などの成績を残した実力馬。「ネオユニヴァース×ケープクロス」はダービー馬ロジユニヴァースと同じで、父と相性のいいBustedも入る。ロジユニヴァースもBustedを持つので配合構成がよく似ている。芝向きのスピードがあればクラシックまで楽しめそうだ。
●サンセットスカイ(牡 栗東・宮本博 父ネオユニヴァース、母ヴァーチュ)
母ヴァーチュはタイキシャトル産駒らしい仕上がり早のスピードタイプで、1200〜1600mを守備範囲として6歳まで地道に走った頑張り屋。2代母サンタムールはノーリーズン(02年皐月賞-GI)、グレイトジャーニー(04年シンザン記念-GIII、06年ダービー卿CT-GIII)の半姉にあたる良血。母方にDanzigを持つネオユニヴァース産駒は走っており、さらにMr.Prospectorを併せ持つパターンはダービー馬ロジユニヴァースと同じ。全体的に素軽さのある配合なので芝中距離で手堅く走ってきそうだ。
●ダイワフェーム(牡 美浦・池上昌弘 父ダイワメジャー、母ダイワパッション)
母ダイワパッションはフィリーズレビュー(GII)とフェアリーS(GIII)の勝ち馬。その父フォーティナイナーの影響が強かったようで早熟タイプのスピード馬だった。これにダイワメジャーを交配して誕生したのが本馬。全兄ダイワインスパイアも母に似て仕上がりが早く新馬戦を快勝した。本馬にもそうした特長が受け継がれているはず。母方の奥にあるシェイディハイツあたりが強く出ているようなら成長力のある中距離馬になる可能性がある。とりあえず新馬戦には注目したい。
●ドラゴントーク(牝 美浦・田村康仁 父ホワイトマズル、母カラフルトーク)
母カラフルトークはセイレーンズソング(03年フラワーC-GIII・3着)の全姉で、現役時代に3勝を挙げた。「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」はアサクサキングス、シャドウゲイト、シルポート、シンゲンなど高確率で活躍馬が出現しているニックス。全兄アサクサマジックは新馬戦を見事勝った(現在1戦1勝)。芝向きの中距離タイプとして期待できる。
●ハーマンミュート(牡 栗東・藤原英昭 父Oasis Dream、母ジャズプリンセス)
母ジャズプリンセスはC.L.ウェルドパークS(愛G3・芝7f)、アサシS(愛G3・芝7f)の勝ち馬。父Oasis Dreamはここ10年ほど盛んに勢力を伸ばしてきているGreen Desert系に属し、そのエース格ともいえる活躍ぶりで注目を集めている。現役時代はナンソープS(英G1・芝5f)、ジュライC(英G1・芝6f)、ミドルパークS(英G1・芝6f)などを勝ったスプリンターだった。当然、産駒はスピードタイプが多い。本馬も1200〜1400mあたりを得意とするスピードタイプだろう。母方にCadeaux Genereuxを持つOasis Dream産駒にはMisheer(09年チェリーヒントンS-英G2)がいる。小回りコースや洋芝の短距離では特に強そうだ。