◆優駿スプリント展望
(6月29日 大井 サラ3歳 別定 南関東SIII 1200m)
優駿スプリントは昨年新設された3歳SIII。距離千二、JRA流でいうならニュージーランドトロフィーに匹敵し、近年の趨勢(スピード志向)がよく表われた番組といえるだろう。なるほど昨年第1回から迫力に満ちた好レースとなり、勝ち時計も想像以上に速かった。
平成23年
1.ミヤサンキューティ 53真島 1分11秒6 2人気 好位抜出
2.セントマーチ 55今野 3/4 4人気 中位鋭伸
3.リバーキンタロー 55森 3 7人気 中位伸も
4.リアライズブラボー 55左海 11/2 5人気 中位差詰
5.ゴーディー 55的場文 3/4 3人気 先行退く
1人気…ロードガバナンス・11着
逃げた馬…ラブビジョン・15着
当然まだ“データ”はない段階だが、予測のつく範囲で今後の傾向をイメージしてみた。
1.波乱含み…昨年は2→4→7番人気の1〜3着で、馬単2390円、3連単26040円。持ち時計通りには決まらず、むしろ素質と上昇度の勝負になった。実績(数字的なもの)はアテにしづらい。
2.牝馬注目…牝馬オープン級は元々ユングフラウ賞→桜花賞と短〜マイル路線が敷かれており、自身スプリンターならここが格好の目標になる。対して牡馬はクラシック大敗組が多く、レベル自体がやや低い。
3.好位差し…前述通り昨年は、逃げた馬15着、2番手の馬5着と失速した。近年の大井コースは仮に道悪でも好位〜中団からの差しが届く。ましてハイペース必至の千二。ズブいくらいのタイプが穴。
☆ ☆
◎コウヨウタレイア 54真島
○チャンピオンヤマト 57戸崎
▲レイモニ 54杉村
△ラブミーファスト 54今野
△ゴールドキャヴィア 55御神本
△オゼキング 56的場文
△カムリ 56坂井
コンテパルティロ 56森
キョウエイロブスト 56山崎誠
コウヨウタレイアは、昨年優勝ミヤサンキューティと同タイプの天才牝馬。さらにそれ以上の素質を感じる。昨暮れ少し遅いデビューとなったが、初戦を持ったまま6馬身差独走劇。以後通算[3-1-0-1]、前々走プリンセス賞=千八を除けば(当時出遅れ)、まだまったく傷がない。520キロ超の巨漢ながら、卓越したスピードと競馬センス。前走古馬相手(B級)の2着も、テンから意識的な待機策を思えばここへ向け大きな収穫になるだろう。父エイシンサンディはセイクリムズンを輩出。いわゆる“よくできた産駒”は、速さと強さを両面備える。
チャンピオンヤマトは前走TR完勝。JRA千二ダート2勝馬で、いかにもここ照準の転入というムードがある。その前走、正直風評ほどの強さは感じなかったが、出遅れをひるまず追い上げ千二13秒1なら悪くない。叩き2戦目、むろん上積み必至で、ごく普通には逆転まで考えられる。ただ今回の場合牝馬上位、それを前提とすれば、レイモニ、ラブミーファストの方に食指が動く。
前者は優駿牝馬4着、ユングフラウ2着の実力派。後者は道営時から通算、千二〜千四[4-2-1-3]の能力と勢いを誇っている。路線変更ゴールドキャヴィアは、折り合いの難しさを、逆に千二のここでプラスとしたい。桃花賞→雲取賞連破の爆発力。復帰・御神本Jの手綱も興味が大きい。以下、充実度、自在性を買ってオゼキング、カムリ。あえて先行型から穴を探せば、行き切ったときのキョウエイロブスト。