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高い評判を携えて登場ネオウィズダム

  • 2012年07月04日(水) 12時00分
●サトノキングリー(牡 栗東・藤原英昭 父ダイワメジャー、母ファンジカ)
 半兄にハイアーゲーム(父サンデーサイレンス/04年青葉賞-GII)、ファイトクラブ(父Halling/06年中京記念-GIII・5着)、全兄にダイワマッジョーレ(12年ラジオNIKKEI賞-GIII・6着)がいる良血。母ファンジカは、サンデー系と相性のいいHeliopolisとSir Ivorを持っている。父ダイワメジャーはHaloと相似な血の関係にあるDroneやSir Ivorと非常に相性がいい。全兄ダイワマッジョーレはいずれ重賞で勝ち負けできる器なので、弟の本馬にもそのレベルを期待したい。

●トウシンヴィーナス(牝 栗東・浅見秀一 父ディープインパクト、母バイザスポーツ)
 母バイザスポーツはガゼルH(米G1・ダ9f)の勝ち馬。半兄クリームソーダ(父Unbridled's Song/現2勝)とニホンノチカラ(父ハーツクライ/現1勝)はダート寄りの適性を示しているので、母バイザスポーツはしっかりとしたパワーを伝えている。こうした繁殖牝馬から芝で走れる良駒を出すのは父ディープインパクトの得意技。母の父Devil's Bagは、Glorious Song、Saint Ballado、Angelic Songと全きょうだいで、父ディープインパクトはこれらの血ときわめて相性がいい。母方にこれらのどれかを持つディープインパクト産駒から、ダノンバラード、フレールジャック、ヴィルシーナ、アダムスピーク、Beauty Parlourなどの活躍馬が出ている。芝・ダート兼用のマイラー。

●ネオウィズダム(牡 栗東・矢作芳人 父ネオユニヴァース、母ゴレラ)
 母ゴレラはビヴァリーD.S(米G1)、サンドリンガム賞(仏G2)など仏米で4つの重賞を制し、ムーランドロンシャン賞(仏G1)2着、BCマイル(米G1)3着、アスタルテ賞(仏G1)3着など格の高いG1でも上位に食い込んだ。母にはSir Gaylord 4×4という瞬発力に秀でた素軽いクロスがあり、Busted、Nureyevなど父と相性のいい血も入る。父の鈍重さを緩和しつつ、持ち味である底力や大物感は損なっていないという好配合馬。父の代表産駒であるヴィクトワールピサ、ロジユニヴァース、アンライバルドの系譜に連なる馬だろう。素軽い芝中距離タイプで育成の評判も鳴り響いているだけに来年大仕事をやってのける可能性も十分。

●ファイアマーシャル(牝 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母ブッシュファイヤー)
 母ブッシュファイヤーはエイコーンS(米G1)、マザーグースS(米G1)、アシュランドS(米G1)を制した名牝。母の父Louis QuatorzeはBold Princess≒ボールドラッド 2×3という4分の3同血クロスを持ち、これらの主要な構成要素であるNasrullahとMahmoudは、父ディープインパクトのHalo≒Sir Ivor 2×4にリンクし、好相性が期待できるのでおもしろい。母方の奥にはRibot系などの重厚な血が入り、スピードの質が軽すぎるということはないだろう。芝向きのマイラー。

●リリス(牝 栗東・藤原英昭 父アドマイヤムーン、母リオズスターレット)
 アドマイヤムーン産駒は総じて優れたスピードを持っており、現時点の収得賞金1、2位のセイクレッドレーヴ、レオアクティブは、いずれも母方にSadler's Wellsを持っている。仕上がりの早さやスピードは十分持ち合わせているので、母方から新たにスピードを取り入れるよりも、重厚な血を持ってきて底力や成長力の補強を図るほうが大物が出やすいというタイプ。本馬は、母リオズスターレットがクレオパトル賞(仏G3・芝2100m)を勝っており、母の父がSadler's Wells系のGalileoなので楽しめそうだ。芝向きのマイラー。

●ロジプリンセス(牝 美浦・古賀慎明 父ディープインパクト、母ペンカナプリンセス)
 母ペンカナプリンセスはフレッドダーリンS(英G3・芝7f)を勝ったほか愛1000ギニー(G1)で2着となった。父ディープインパクトは快速馬と合うタイプなので母の父Pivotalとは相性がよさそう。本馬はAlzao≒Shareef Dancer 3×4、Busted 4×6という好ましいクロスを持ち、相性のいいNureyevも入る。Crepello−Bustedのラインをクロスさせたディープインパクト産駒には、ダービー馬ディープブリランテとその全姉でフラワーC(GIII)2着のハブルバブルのほかに、マルセリーナ(桜花賞)、ムーンリットレイク(5戦4勝)、ダノンムーン(3戦1勝)などがいる。注目したい配合パターンだ。全兄ダノンジェラートは2戦1勝で、レースぶりから高い能力の持ち主であることは疑う余地がない。芝中距離で本領を発揮するだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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