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七夕賞、プロキオンS追い切り診断

  • 2012年07月05日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜福島11R・七夕賞(GIII)
・トーセンラー
 最終追い切りは栗D芝コース。これは新潟大賞典11着時以来ということになるが、かなり時計の遅かった当時と比較すれば、今回は5F66.0-1F11.3秒なので速い。動き自体もしっかりしており、2走前のようなことはないだろう。ただ気になるのは調教本数。過去に中4週は3走あって、エリカ賞3着と菊花賞3着。G1での好成績があるローテーションではあるが、3着に入ったいずれのレースも調教本数は多かった。それと比較すると、今回の調教本数は少ない。調教時計を出していなかった期間があることがその要因だと思われるが、そもそも関東圏での好走が少ない馬だけに、不安材料はなくはない。

・エクスペディション
 2011年夏に3連勝してオープン入り。その後の重賞3戦では馬券圏内に入ることができていないが、久しぶりだった中日新聞杯では勝ち馬から0.2秒差と力負けしたという印象はなかった。休養明けとなる今回は中間の調教量は入念。1週前追い切りは坂路で併せ馬を行って、きっちり先着。今週は単走というパターンは前記中日新聞杯と同じ。それだけに仕上がりに関しては、この馬の力が出せる状態だと判断できるが、その中日新聞杯が勝負どころでの反応が鈍かったので、今回も同じように、直線手前で少し位置取りが悪くなってしまう可能性はあるだろう。

・ゲシュタルト
 中20週の休養明けは2011年オールカマーと同じ。当時はDPオンリーで4本の調教。最終追い切りは6Fから時計を出して仕上げられた。

 今回は正味5F時計の最終追い切り。その点に違いはあるものの、5F時計、1F時計、そして目一杯に追われた点などは同じ。むしろ今回の方が坂路やCWも併用して入念に仕上げられている。57キロというハンデは決して楽観視できる数字ではないが、この馬自身が実力を発揮できる仕上がりにあることは間違いない。

◆日曜中京11R・プロキオンS(GIII)
・ファリダット
 2009年安田記念3着など、芝で好走していた頃は坂路とトラックを併用して、調教本数も多いというのが大きな特徴だったが、ダートを使うようになってからは標準的な調教本数が多く、前走に関しては少ない本数での勝利となった。それだけに以前の好走時の調教と比べるよりも、ここ最近の好走時との最終追い切り比較が重要。そういった意味では連勝時と同じDPで追われている。ただ今回は連勝時に比べて5F時計が少し遅く、終始馬なりだった。動き自体は絶好だったが、気になる点と言えば、これだろう。

・シルクフォーチュン
 2011年のこのレースの覇者だが、今年に入ってからも根岸Sを制して、フェブラリーSは2着。前走こそ崩れたものの、基本的には安定した成績が残せている。今回は少し間隔が空いたレースになるが、この馬にとって調教本数は大した問題ではない。少なくても好走できるタイプなので、見るべきところは最終追い切り時の時計。昨年プロキオンS1着時は6Fで79秒を切り、ラスト1Fも12.5秒でまとめた。今回はラスト1Fこそ12.0秒と素晴らしい数字だが、今回は5F時計にしかなっていない。ちなみに昨年時が5F63秒台だったのに対して、今年は68秒台。この5秒近い差は昨年とは違う状態だという警告にしか見えない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜福島11R・七夕賞(GIII)
・ダイワファルコン
 稽古は動くほうだが、それにしても今週の動きは破格の動き。ウッドチップで79.3-63.7-36.7秒、5分どころを回ったとはいえ、軽く仕掛けただけでこの時計は立派。ひと息入っていた前走とは気合い乗りが変わってきた。前走は良馬場発表もインを大きく開けて、競馬をしていた週。早めに動いた馬たちが上位を占める中、後方から外々を回っては苦しい競馬。それでも追い上げの脚には見どころ十分、9着の着順ほど悪くはない内容だった。時計がかかり始めた今の福島競馬大歓迎、状態面の上積みも大きく、絶好の狙い目になる。

・タッチミーノット
 目黒記念7着は不本意な結果だったが、その後はここ目標に入念な乗り込み。28日の1週前追いで横山典Jが気合いをつけ、6F83.5-3F40.1秒のタイム。そのため、直前追いの4日は輸送などを考慮する内容で、5F71.1-3F40.6秒と終始押さえぎみだったが、直線に向いてから頭が上がらずに、重心が沈む絶好のフットワーク。これで前走少し余裕があった馬体も絞れてくるはず。やはり夏場に強い馬らしく気合いもグーンと上向いてきた。あとは時計がかかる馬場を味方に、3コーナーからのロングスパートをきかせるだけ。昨年の好走と今春の内容から56キロのハンデは仕方なし。あとはスタートをスムーズに切って、中団の外めを回れる展開になれば本領発揮。

・シンゲン
 昨秋の天皇賞以来で8か月ぶりの実戦。美浦では6月中旬から追い日ごとに時計を出し、計5本の追い切りを消化。4日の最終追いはいつも通りにウッドに入って単走追い。ピッチが上がったのは5Fだったが、直線に向いてからの脚どりは今イチ迫力を欠いたものの、6F82.4-5F66.1-3F38.1-1F12.9秒と、見た目以上に早い時計が出た。これはレースが近づくと自ら体を造る老かいさと、自然に沸き立つ闘志がそうさせているのか、9歳馬ながらさすがと思わせる内容。これで太め感なく仕上がるはずで、あとは実戦でのカンが戻るかどうかだけだが、若い時は鉄砲駆けに定評があり、これを呼び戻せばビッグチャンス到来。57.5キロのハンデも苦にすることなく積極策に期待したい。

◆日曜福島9R・織姫賞(500万下)
・キョウエイマイン
 3か月ぶりで臨んだ前走。小柄で仕上がり早だったにしても先団の外でスムーズに折り合って、残り1Fから力強く抜け出して快勝。ソエが治まって休養前とは一変したレースでの勝利。今回は馬体減りも見られず順調に乗られ、直前の追い切りは坂路コースで前走より攻め強化し、4F51.9-上がり37.9秒を余裕の手応えで計示。さらに中身を入れて精神面も鍛えてきた。この時季急成長を見せる3歳馬。一発あって不思議ない。

◆日曜福島12R・尾瀬特別(1000万下)
・ラフレーズカフェ
 前走は久々が影響したか、スタートのタイミングが合わず、小回り1200mでは致命傷と思える、最後方に近い位置での競馬。それで0.3秒まで追い込んだことが能力の証明か。サウンドオブハートやビウィッチアスと好勝負していた実績は、このクラスでは一枚上のもの。今週も素軽さ満天の動きを見せ、状態面の不安はなし。外が伸びるようになってきた馬場状態も、有利な材料だ。

◆土曜福島9R・南相馬特別(500万下)
・ディサイファ
 休み明け2戦目で勝ち上がったが、この中間は反動なく、素軽さ満点の動きを連発。さらに調子を上げている感がある。前半40秒台というスローな流れを差し切った前走が優秀で、鋭い決め手は父ディープインパクト譲りのもの。このクラスにとどまっている器ではないし、スタートさえ決めれば、小回りも問題ないはず。無事にいけば、まだまだ出世を見込める素質馬だ。

◆土曜福島11R・松島特別(1000万下)
・ソルレヴァンテ
 勝った後も体を緩めず、豊富な乗り込みを消化。先週はウッドチップで68.3-39.1秒、今週は輸送を考慮して70.8-40.6秒をセーブしたが、最後まで折り合い確かに、切れのある走りを披露。数字以上に体を大きく見せて、好気配をアピールしている。道悪で競馬にならなかった前々走を除けば2、1、4、1着、4着は弥生賞とまだ底を見せていない馬。昇級戦でも素質上位、足踏みせず、一気に通過する。

◆土曜福島12R・駒場特別(1000万下)
・ハッピーグラス
 2か月ぶり+初ダートの前走が強い勝ちっぷり。以前はオープンで強敵相手に差のない競馬をしていた馬で、500万に降級すれば順当勝ちといえるかもしれないが、それにしても余力を残してダート1700m、1分45秒6は水準以上の記録。時計はさらに詰まるはずで、1000万に昇級しても互角以上の評価が必要だろう。もともと馬っぷりは目立っていたが、滞在で460キロ台まで体重が増えてきたように、体調面も文句なし。追いかけ続けて損はあるまい。

◆日曜函館12R・道新スポーツ杯(1000万下)
・ラインアンジュ
 前走はゲート内で跳び上がるような仕草をした時にスタートを切られてしまい、結局は出負け。差のない3着まで押し上げたところがゴールだったが、不運としか言いようのない敗戦だった。その後も順調な乗り込みを消化して、体調は高値で安定。滞在効果で心身ともに充実している様子が見てとれる。ここは前走と比べるとメンバーが少し楽。互角にゲートを出られれば難なく差し切れる。

◆日曜中京9R・御在所特別(500万下)
・マイネルゴラッソ
 4走前に今回と同じ中京1600の500万下熱田特別を道中力みながらもマイペースの逃げに持ち込み、後続に影を踏ませることなく完勝。そして昇級戦後も先行、あるいは逃げて2、5、4着としぶとく粘った。今回の調教は1週前に坂路で4F51.2秒とハードに追い、直前は輸送を考慮して4F53.7-上がり39.1秒とセーブしたが、馬体の張りは素晴らしく今の充実ぶりをアピールした。500万へ降級となればスピードは明らかに上位。

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