スマートフォン版へ

七夕賞の傾向と対策

  • 2012年07月06日(金) 20時00分
 七夕賞は福島2000mの芝コースで争われる。先週のラジオNIKKEI賞は1800m。距離が1ハロン延びる。印象以上に双方の設定には違いがあるのだ。当コースは4角の奥が発馬地点となるため1角までの直線が長い。つまり200mの延長は一番最初に真っすぐ走る部分に占められている。スピードに乗って最初のカーブに入ることが多くなりごちゃつきやすい。差し馬同士の決着が目につくのも発馬から1角までの攻防が大きな要因を占めていると考えられる。1800m戦と比較して200mの延長以上の持久力が求められる。それが特徴だ。

 過去10年に絞ってみたい。02年から08年まで3着以内はすべて牡馬。ところが09年から昨年まで3年続けて牝馬が連対している。09、10年の2着馬アルコセニョーラのハンデは53、54kg。11年の1着馬イタリアンレッドは52kgだった。連対圏ではないが3着にも牝馬のアニメイトバイオが入りハンデは55kgである。昨年は中山で施行されたが09、10年の傾向と変わることなく牝馬の頑張りが目を引く。着眼点はアルコが2年続けて馬券の対象になったことだろう。今年の牝馬の出走はアニメイトのみ。昨年3着だったのが同馬という事実を考慮すれば今年も無視できない存在だと言えないか。

 持久戦になりやすい点が最重要点。そして近年の傾向である牝馬の活躍。この2つを対策として頭に入れておきたい。

 中心にはエクスペディションを推す。父・ステイゴールドの産駒は当コースでの成績が非常にいい。スピードの持続力に長けているがトップスピードに乗っている時間はその分、短い。その特性がコース形態に合うのだろう。エクスはローカルコースに良績を残しており夏場に強い。爪がやや弱いことも影響しているのかもしれない。冬の芝を走るときは夏に比べると躍動感に欠ける。いかにも当コースにフィットしそうな脚質に加えて仕上がりもいい。力を発揮できる季節を迎えて重賞初勝利のお膳立ては整った。

 アニメイトバイオは前記したようにデータ面の追い風がある。GIの前々走でもよく伸びており着順ほど非観する中身ではない。折り合いを欠いた前走を振り返ってみても小回りの舞台に変わる点は歓迎だろう。ましてハンデは54kg。これは恵まれた。

 ダイワファルコンはメリハリの利いた競馬が不得意なタイプ。小回りコースに変わることで勝負どころから一気に脚を使う形が可能になる。4戦ぶりに装着するブリンカーの効果も見込める。

 あまり馬場が悪化するようだと心配だがトーセンラーは能力上位。筋肉がついて以前よりたくましさも増している。ミキノバンジョーは器用さがありスピードとパワーのバランスも良好。小回りコースの2000mも合っている。前走は不利が続き力を出し切れなかったタッチミーノット。スタミナがあり小回りでもこのコースには向く。昨年同様に警戒が必要だ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング